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その広告を見てわたしが思ったこと。

テレビをあまり見ていないので、当てずっぽうの話として言う。

電車やタクシーの車内広告を見るかぎり、ここ最近「転職」に関する広告が増えているな、と思っている。「うちに転職してください」という求人広告ではもちろんなく、「うちを使って転職してください」と訴える転職支援サイト、または転職エージェントの広告だ。知ってる会社もあれば、知らない会社もある。知らない会社が増えているということは、その業界が流行っていることの証左でもあるのだろう。

では、どうして転職支援サービスの広告が増えているのか。

まず言えるのは、転職が当たり前の時代になったということだ。しかしながら「転職が当たり前の時代」は、ぼくが若いころ(1990年代)から言われていた話で、いまはじまったものではない。

続いて言えるのは、転職時に「転職支援サイト」や「転職エージェント」を使うことが当たり前の時代になった、ということである。これはぼくが若いころとは大きく違うところで、ぼくがメガネ屋さんから出版社に転職したときのツールは、新聞の求人欄だった。朝日新聞日曜版の求人欄を見て、会社に電話したのか、履歴書等を送付したのか、とにかくアプローチした。当時はたぶん、転職支援サイトも転職エージェントも存在しなかった。

さらに言えるのは、転職したい人が増えている、ということだ。いまの会社に不満があったり、さらなる好条件をめざしていたり、あるいは会社が倒産寸前であったり、さまざまな理由によって転職したい人が増えている。ここには景気も影響しているのだろうし、もしかしたら新型コロナウイルス感染症の影響もあるのかもしれない。

そしてもうひとつ思ったのは、スマートフォンの存在である。

転職支援の広告を見る。「あ……」と思う。スマホで会社名やサービス名を検索する。場合によってはそのまま登録する。アプリをダウンロードしたりする。

多くの勤め人は通勤のため、または会社からの帰宅時に、電車を利用する。朝から憂鬱な気分で満員電車に揺られたり、残業でへとへとに疲れ果てた夜中、電車に乗っている。仕事や人生にぼんやりした嫌気をおぼえるひとりの電車のなか、不意にあの広告を目にするのだ。「あ……」と思うのだ。思わず検索してしまうのだ。

なんて想像をふくらませながらぼくは電車のなかでひとり、「転職サイト」「電車の広告」「なぜ多い」などとスマホにメモをとっていた。

「あ……noteのネタになるかも」とかなんとか思いながら。