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自分たちだけの約束ごと。

きのう、うちの犬が4歳の誕生日を迎えた。

生まれたときのことは知らない。うちにやってきたのは9月末のある日だ。「ああ、あれから4年も経ったんだねえ」なんてことは、正確にはまだ言えない。それでも、あんなにちいさかった犬の子どもが、すっかりふてぶてしいうちの子どもになっている。これからますます、うちの子どもになっていく。どうぶつと暮らすことは、ほんとうにいいものだと思う。

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4年前を振り返っていま思うのは、「慣れてなかった」だ。

このかわいい生きものが、わが家にいるということ。ことばの通じない同士が、一緒に暮らすということ。痛いもかゆいも言えない生きものが、なにかを訴えていること。みっともないほど口をつく「かわいい」が、毎日あふれ出てくること。——なにもかもに、慣れてなかった。あわてたり、心配したり、泣いたり怒ったり、いろんなことをした。きっと向こうも、同じだったと思う。この家で暮らすことに、人間と一緒に暮らすことに、慣れてなかったんだと、いまでは思う。

4年の月日が経って、ずいぶん慣れたような気もする反面、まだまだ慣れきっていない自分もたしかにいる。ただ、あのころと明らかに違うのは、ルールと呼ばれるなにかだ。人間のルールを押しつけるのでもなく、犬のルールに従うのでもなく、毎日ほんの少しずつ、自分たちだけのルール(約束)ができあがっていっているような気がする。ことばのいらない、ほんとの家族に近づいているような気がする。

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食べるものも、トイレの場所も、姿かたちにしゃべることばも違うけれど、お前は立派な家族だよ。