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古賀史健

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古賀史健の note、2018年以降のぜんぶです。それ以前のものは、まとめ損ねました。
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2019年7月の記事一覧

先週末に読んだマンガ。

先週末に読んだマンガ。

梶原一騎原作のマンガ『四角いジャングル』全巻を読んだ。

メディアミックスの先駆けともいえる作品であり、実録フィクションとでも呼ぶべき異形の作品でもあり、もしかしたら最近流行りのコミュニティ商売の究極とさえいえる約40年前の作品だ。

同じ梶原一騎原作の『空手バカ一代』の流れを汲む作品なんだけれど、そのストーリーを説明することは、きわめてむずかしい。背景というか、枠組みだけをまとめるなら、

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インタビューは下手だけれども。

インタビューは下手だけれども。

明日、わりとおおきな取材の予定が入っている。

はじめてお目にかかる方で、しかも「ライターはこの人で」とご指名を受けての取材だ。ありがたいし、わくわくする。以前からその方のインタビュー記事を読むたびに「もしも自分が取材するとしたら、なにを訊くだろう?」と考えていた。これについてはもう、何百回も訊かれているよな。何千回も話しているよな。もちろんその何百回・何千回の話もおもしろく語ってくれる方だけど、

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リラックスしてくれよ。

リラックスしてくれよ。

犬が会社にやってきた。

きのうの日曜日、建物に誰もいない時間を見計らって、犬を会社に連れてきた。もともと犬OKの物件であり、それもあって契約したオフィスなので、もっと早く連れてきてもよかった。連れてきたかった。けれどもそうしなかったのは、単純にオフィスが散らかっていたからであり、しかもうちの犬が食い意地の権化であり、拾い食いの帝王だからである。たぶん書いたら過剰に心配されたり(場合によっては)怒

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あの人が見ていた。

あの人が見ていた。

きょうもまた、岩田聡さんについて書きたい。

きのうの note にも書いたけど、ぼくは岩田聡さんに一度もお目にかかったことがない。こればっかりはもう、運もあるし、縁もあるし、あきらめるしかない。今回本というかたちになって、岩田さんのことばが残されたことをうれしく思ったほうがずっと気持ちのいい話だ。

それでもほんの少しだけ、岩田さんと接点めいたものがあったことを最近教えていただいた。

2年ほど

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『岩田さん』を読んで。

『岩田さん』を読んで。

本ってやっぱり素敵だな、と思った。

ほぼ日から刊行された『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』を読んでの感想だ。まことに残念ながらぼくは、岩田聡さんにお目にかかったことがない。けれども、ほぼ日でのさまざまなコンテンツにはぜんぶ目を通していたし、任天堂公式サイトの「社長が訊く」もかなり読み込んでいた。

記者発表もしかりだ。たとえば、2015年の記者発表で語られた内容などは、いまでもぼくが

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雑談のなかでこぼれた、ひとつの定義。

雑談のなかでこぼれた、ひとつの定義。

会社をつくってよかったな、と思うことがいくつかある。

毎日オフィスに通う習慣・リズムができたこと、家で仕事をしなくなったこと、雑になりがちだったお金の管理がまともになったこと、ひとりでいるより多少はまじめに「これから」を考えるくせができたこと、いろいろよかった。

なかでもこれはよかったなあ、助かってるなあ、と思うのが、雑談相手ができたことだ。もしぼくがいまでも個人事務所だったら、雑談の相手が身

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ない、わけじゃない。少なくともいまはまだ。

ない、わけじゃない。少なくともいまはまだ。

たとえば花粉症などが、そうである。

スギ花粉の飛び交う春の季節、ぐすぐす鼻を濡らしながら、ごしごし目をこすりながら、なかなか病院に行こうとしない。アレルギー検査を受けようとしない。受けてしまったら最後、自分が花粉症であることを科学的・医学的に認めることになる。なので意地でも病院には行かない。

といった心性は、わりと多くの人が持つものだと思うのだけれども、ぼくの場合はここに「探しもの」が加わる。

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カメラのほしくなる人生。

カメラのほしくなる人生。

カメラと縁遠い人生を送ってきた。

フィルムカメラ時代に青春期を送ったこともあり、また男子校の運動部出身だったこともあり、写真を撮ること・撮られることについては、どうしても「わざわざ」の照れがついてまわっていた。わざわざ撮らなくてもいいじゃない。わざわざ残さなくてもいいじゃない。それがおれらの刹那じゃない。そんなふうに若さを浪費していた。高校あたりから40歳になるくらいまで、たぶんプライベートで撮

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締切がじゃまするわたしの日常。

締切がじゃまするわたしの日常。

ライターにかぎらず、人は常時なんらかの締切を抱えて生きている。

納期ということばは締切そのものだし、農作物の種を蒔いたり刈り入れたりにだって、締切はあるだろう。洗濯機をまわす、皿を洗う、掃除機をかけるなどの家事全般にも「さすがにそろそろヤバイ」という限界があり、締切がある。わが家でいえば、犬の散歩にもやはり、締切が存在している。ことばが少し特殊なだけで、締切は別に作家やライターの専売特許ではない

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聞きたい人が、好きな人。

聞きたい人が、好きな人。

きのう、幡野広志さんとのトークイベントに参加した。

『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』の刊行記念トークイベントだ。この本について、幡野さんと一緒にこのような場でおしゃべりするのはもう三回目になる。最初のときは池袋で、糸井重里さんをお招きしての鼎談だった(後日コンテンツ化の予定です)。二度目のときは大阪で、田中泰延さんをお招きしての、やはり鼎談だった。そして今回の三度目、はじめて

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不得手と成長、その実際。

不得手と成長、その実際。

スケートボードがこわい。

うちの犬の話である。いや、スケートボードがこわいというのはこちら人間サイドの感覚で、ガガガガガッと轟音を立てながら板に乗り、ぐんぐん直進してくる男がこわい、がわんわんサイドの実感なのだろう。文字にしてみると、たしかにこわい。代々木公園や駒沢公園を散歩していると、けっこうな頻度でスケボー兄ちゃんに遭遇する。一周まわるうちに二人や三人に遭遇する。びびった犬は、おとなしく逃げ

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ぼくは若者なのだ、きょうも。

ぼくは若者なのだ、きょうも。

いったい、若者とはなんなのか。

若者だったころ、ぼくは何度もこの問いについて考えていた。人生のなかにおいて、あるいは社会のなかにおいて、自分が特別な場所にいることは自覚していた。ほどなく消えてしまうであろう輝きのなかに身を置いていることは、理解できていた。それにしては暗いぞ、とも思っていたけれど、ひとまず大切な時間を過ごしているのだと思っていた。ここで見たものを忘れちゃならんぞ、とも。

若さと

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リンク、リンク、リンク。

リンク、リンク、リンク。

もはや定例化した感のある、だらだらの雑感メモです。

【首がすこし】
この数週間ずっと悩まされてきた首の痛み。今朝からすこし、具合がよくなったような気がする。ぼくと同じ悩み(巨頭・不眠・首肩の痛み)を抱える藤井亮さんに教えてもらった「メディカル枕」なる枕を使いはじめて、今日で3日目。使いはじめは違和感あったのだけど、だんだん安眠できるようになってきた。これで治るといいなあ。

【夫婦デュオ】
熱心

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風邪を引いた、その感じ。

風邪を引いた、その感じ。

熱がある。

体温計で測ると37度未満なのだけれど、あきらかに熱がある。熱が出たときのような、うすい悪寒があり、喉の痛みがあり、だるさがあり、関節の痛みがある。ないのは熱だけだ。薬は飲んだし、朝よりはずいぶんましになっている。おそらくひと晩も眠れば、おさまるものだろう。

自らの不調について、こういう場では書かないほうがいい、という意見の人も多い。読まされるほうはおもしろくもなんともないし、けっき

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