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笑いなしでは読めない名人伝

中島敦はクセになる作家だ。ふとした時に読みたくなる。

特に「名人伝」は笑いなしでは読めない。電車の中で笑いをこらえるのが大変なくらい面白い。
主人公が弓の名人を目指すといういたってシンプルな話なのだけど、その道のりがもうどうしようもない程ストイック。「そりゃ無理だろ!」という修行もそのストイックっぷりで成し遂げてしまうからまたまた面白い。
最後には“真の名人”とはこうだ!という姿が描かれるのだけど、それもまたスケールが大きい。しみじみと感じ入る人もいるかもしれないけど、私にとっては痛快なオチで最後まで飽きない。
ただ、これを笑って読んでいるうちはまだ”修行”が足りないのだ。この作品の面白さをもっともっと深いところで味わえるように、またしばらくしたら読み返そう。

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