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美容師さんとの会話|イギリス留学生活


ロックダウンが終わって、美容院が空いたので、

半年以上伸び放題だった髪を、やっと切った。

みんな待ちわびていたので、近所の美容院、理容院はいつ見ても長蛇の列。


近所のちょっと良さそうな美容院に思い切って電話したら、2週間待ちと言われたので、

そんなには待てない…と思って、結局家から徒歩3分の場所にある、

予約なしの1000円カットに。その名もThe Easy Barbar 。


…ちなみに、予約なしのヘアカットは"Walk-in service"って言うよ。


待ちたくなかったので、朝9時の開店を狙って行ってみた。

それでもおじさんに先を越されたけど、わたしは二番目。


入り口で手の消毒をしないと入れないようになっていて、

マスクもしてないと入れないようになっていた。


後からきた中国人のお兄さんはマスクを忘れて、悪いけど…って断られてた。(その後マスクをつけて現れた)


おじさんが終わって、わたしの番。

美容師さんは、40代のおばちゃん。ちょっと待ってね、っていって椅子やカウンターも消毒。

「大変ですね、仕事が増えて」って言ってみた。

「もともと綺麗好きだからいいんだよ!」

話しやすそうなおばちゃんだ。


髪切る時、髪の毛が服につかないように体を覆うやつ(あれなんていうの?)は、ビニールの使い捨てできるものになっていた。

衛生面を考えると仕方ないとはいえ、ゴミが増えるのはなんだかなぁ。

「プラスチックがもったいないですね。」

「そうだね〜、わたしもこれが嫌いなんだよね。さ、座って座って。


 …で、今日はどんな感じにする?」

「そうだなぁ、5センチくらい、切りたいです。こんなに伸ばす予定じゃなかったの。」

「そうだよねぇ、みんなそう言ってるわ。肩の上くらいになってちょっとハネるかもしれないけど、これくらい?」

「それでいいです」

「前髪はどうする?眉毛くらい?」

「前髪は伸ばそうと思ってるから、ちょっとだけ整えてください。」


髪の毛を伸ばす、って grow を使うんです。知ってた?

"I think I want to grow my fringe, so can you just trim a little bit?"って言った。


「わかったよ!まかせなさい。ちょっと髪濡らすね。」

と言って霧吹きをシュッシュ。



…ちょっと思いついたので、言ってみた。

「それ消毒のアルコールじゃないよね?」

「hahaha、違う違う、消毒はその緑のボトルだから、これは水だよ!」

「よかった〜!笑」

イギリス生活2年目も終盤、最近はイギリス人相手にジョークも言える。


「じゃあ早速切るから、ちょっとだけ下向いてね…」

チョキンチョキン、


「あなたの髪は切ってて気持ちいいね〜!」

「そう?」

「とっても健康で綺麗な髪ね。美容師がお金を払って切りたくなるような髪だわ。

 そういうビジネス始めたら?」

そんなビジネス思いもつかなかった、新しい。笑


「黒髪って綺麗ね〜。」

「わたしはブロンドヘアにも憧れるよ。」

「染めようなんて思っちゃだめよ、この前YouTubeで、黒髪の子がブリーチして金髪にする動画を見てたの、そしたら恐ろしかったのよ。髪がダメージを受けすぎて、長い髪が千切れて結局ショートヘアにするしかなくなってたの。

それはそれで可愛かったけど、でも望んでなかったと思うわ。ありのままが一番よ。」

「お母さんに髪は染めないでねって言われてるから、たぶん染めないよ。この髪色好きだし、光に当たるとちょっと茶色なの。」

「お母さんはだいたいいつも正しいからね、いうこと聞くといいよ。」



チョキンチョキン、



「学生?」

「そうよ、日本からきたの。」

「何を勉強してるの?」

「ランドスケープよ」

「いいねぇ〜!ガーデニング好きなのよ。」

「ガーデニングいいよね。おばちゃんはずっとシェフィールドなの?」

「そうだよ、わたしはずっとシェフィールド。元は演劇の勉強をしてたのよ。」

「演劇!かっこいい〜!」

「高校までは主役も務めたりして、いい線いってたんだけど、大学時代にもらった一番いい役は『木』だったわ。hahaha」

「木!?」

「そう、木!高校までとは、レベルが違ったのね。それで、演劇は諦めて、お母さんが美容師だったから、わたしも美容師になったの。とっても好きよ、この仕事。

毎日いろんな人に会えるでしょう。話してて面白いからね。」


「そう思ったら、演劇と似てるね。演劇はいろんな人の人生を演じるし、美容師は毎日いろんな人に出会うし。」

「確かにそうだね〜!いいこと言うね。」

「へへへ」



チョキンチョキン、


「どれくらい美容師やってるの?」

「今年で25年よ。」

「え、わたし今年25歳なの。」

「え〜!そうなの!じゃあ、あなたが生まれた時から、髪切ってるのねわたし。面白いね。わたしはもう歳だ。hahaha」

「そんなことないよ!」




チョキンチョキン、


「後ろ切り終わったけど、こんな感じでいいかな?」

「わ〜すごい、まっすぐ!とっても良いです。」

「ほんとあなたの髪はまっすぐ切れて満足よ。haha

じゃあちょっと前髪整えるから目を瞑ってね。」


チョキンチョキン、


「よしできた、どうかしら?」

「とってもいいです、気に入った!」

「前髪がもうちょっと伸びたら、こうやって耳にかけたり手に入れるできるね、勉強の時邪魔でしょう」

「そうね、それは大事、勉強第一だから。笑」

「そうよ〜!よし、美人さんの出来上がり、£11ね。」


「ありがとう!話せて楽しかったわ。」

「あなたもね、またおいでね。」

「また来ま〜す、ありがとう、バイバイ!」

「Take care! Bye love! 」



わたしが生まれた時から髪を切っていて、

演劇ではないけど、いろんな人に出会える美容師が大好きなおばちゃん、

素敵な人に会えたなぁ。


髪も軽くなったし、わたしも未来が楽しみになった。




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