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最適化の快適で閉じた世界

愛用している天気予報アプリがある。いろいろとリリースされてる中で、なんとなく体感とか実際の天気とのズレがいちばん少ない。

僕らが住んでる地域はどうも気象条件的には複雑なエリアらしく、メディアで流れる◯◯地方の天気というのが、あまりあてにならない。

その日によってその周辺三つぐらいの地域のどこかに予報が寄る。あるいはそのどれでもなかったりする。

なので地域の住民たちもメディアの天気予報はほとんど聞き流してる。まあざっくり参考程度。それよりみんなアプリの天気予報を愛用していて、その中でもどのアプリの予報が当たるみたいな話をする。

農作業とか山に入るのとかで、天気予報は欠かせないからだ。ほんと、これからの時季、本格的に畑シーズンが始まったら遅霜とかに苗をやられると痛すぎる。

で、愛用してる天気予報アプリにはスクロールすると天気関連のニュースもいろいろくっついてくる。

何人か「へぇー」と思う気象予報士さんがいて、その人が書いてる気象とかそこから広がる生活と気象の意外な関わりとか、ときにはマクロな世の中への影響的な記事が興味深かったのだ。

ほかにも全然知らない地域の気象に関する深い話とかも面白かった。

と過去形なのは、あるときからまったくそうした記事が配信されなくなったからだ。アプリが自分の住む地域に完全に最適化してくれたおかげで、県内のメディアの気象の話題と関連ニュースだけが配信されるようになった。

まあ、ほとんどの人にはそれがいいんだろうと思う。

長野県住みの人間が鹿児島県とか北海道の気象と農作物に関連したニュースなんて「必要ない」と思うよね。

だけど、ほんとにそうやって自分に最適化されることが本当にいいのかわからない。少なくとも僕の場合は、全然関係なさげに思えそうなこと、マクロな話から「これ大事かも」と考えるきっかけをもらうことも結構ある。

そういう人間にとっては、単にエリアとか属性だけで雑に自分に最適化されることが全然、最適じゃなかったりする。

もちろん、いろんな配信元の収益だとかコンバージョンの「最適化」なのはわかる。べつに、アプリやメディアのコンテンツは個人の大事なことのために運営されてるわけじゃないから。

でも、そうやって知らない間にいろんなものが最適化され、知識とか考えることの蛸壷化が進む。知らないこと視界に入らないこと、意識に上がらないことは「ない」ものになって消えていく。

気づいたら、すっかり最適化され快適で閉じた世界で生きてるんだよな。

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村暮らしのライター/エディター Editing and Book Writing/人とことばと土を耕して生きてます。東京⇄信州。noteでは大事じゃないけど大事なことを。何をしてるかより「なぜしてるか」の深い話を聞いて書くひと→ https://fumigura.com/

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コメント3件

いつも読ませていただいています。ありがとうございます。義務教育に携わる仕事をしているのですが、現場で「最適化の快適で閉じた世界」(ふみぐら社さんの意図するところと違ってたらすみません)を私も感じることがあって、それって学びや個性を潰す快適さなのかなあと思いつつ、でも子どもたちに「最適化されていない開いた世界」のよさや楽しさを感じてもらうのが難しくて、でもやっぱりこれを読んで、そういうの大事!!って思って、コメントさせてもらいました。ありがとうございます。
いつも読んでいただいてありがとうございます!!

1対nになる教育現場での「最適化」と「快適」、「閉じる」と「開く」を
うまくデザインするのって、きっと難しいんだろうなと思います。想像です。

でも、ときどき自分も経験あるけど、1対1で向き合ってくれる人がいて
その大人から最適化されてなくて開いた世界の存在を教えてもらったり、
そっちに歩くのもありなんだって肯定してもらったのは大きくて。
そういう大人が子どもの目に触れるところにいるのが意味あるのかもしれないですね。
1対1がn人分にできるよう、頑張ってみたいです。月曜からもがんばれるー!!!!気がします!
ありがとうございます^^
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