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根があれば再生できるから

短い雑記。今日も今日とて時間があっという間に溶けていく。なんなんだ。僕は時間を食べ、ヤギは草を食む。

頼まれている仕事、自分の深いところから自分が自分に頼んでる仕事、そして村の行事や事務作業、そして畑。

生きることを仕事にしてるから(完全にできてるわけではないけど)、どれが重要でどれが重要でないもなくてフラット。ただ、それは自分のアティテュードの話で、現実にはそれぞれに波はあるし想定外のことも起きる。

あるときには、ナスが突然元気がなくなった。ナスというのは野菜のナス。

おかしいなと思ってよく見ると茎の一部が穴が開いてぽろぽろ崩れてる。あれだ。フキノメイガと呼ばれる害虫(虫にとっては迷惑な呼び方だけど)。

ナス科の野菜なんかの茎の中に入って内部をもぐもぐ食べてサナギになろうとするやつ。そのまま放置してると茎が折れてナスの樹が枯れる。

まあ、見ようによってはグロいので画像は載せないけど、こういうのはべつに珍しいことではない。そうか、と思う。

穴が開いた茎の見える範囲にはフキノメイガは見当たらない。でも食糞もあるし、内部にいるのは間違いない。妻が針金で虫を取り出してみるという。そういう細かい作業は妻のほうが得意なのだ。

結果的にフキノメイガの幼虫を取り出すことができた。問題は穴が開けられてしまったナスの樹をどうするかだ。このままだとおそらく枯れてしまう。

だけど、ナスの樹全体を見るとダメージは受けているけれど、それ以上に「育とう」としている何かを感じる。

これって、なんとも言語化しづらいのだけど、本当に駄目になってるのは見た目はそうでもなくても、苗とか樹全体から「育とう」という何かが感じられなくて、ああ駄目なんだなというのがわかる。

害虫の被害よりも青枯れ病みたいな病原菌に根からやられるやつは、そういう感じになる。そっちは再生させるのはほぼ不可能だ。

けど、虫に入られて穴が開いた、なんていうか外科的な負傷は根までやられたわけではないからなんとかできる。

今回は穴が開いた部分を木酢液で消毒(厳密には消毒とは呼ばない)して、ラップを巻いて保護した。人間で言えば湿潤療法みたいな感じ。

そうしたら、見事に樹が復活してちゃんと花も咲いてナスが成るようになった。

たぶん、ほとんどの人は興味ない話だけど、そういうなんでもないことって素直にすごいなと思う。人間も同じだよなと。

時間が溶けたり、やることがコンフリクトして「痛っ」ってなったり、ぐったりするダメージ受けることもあるけど根が大丈夫なら復活できる。

それにたいていの外的ダメージは根までは届かない。それより自分で自分を弱らせるやつのほうが根までくることがある。ただそうだとしても、根は案外強いから。

たぶん、何かあったとしても、あのナスの根を思い出して自分の根をちゃんと忘れないようにすれば大丈夫なんじゃないか。そんなふうに思ってるという話。

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村暮らしのライター/エディター Editing and Book Writing/人とことばと土を耕して生きてます。東京⇄信州。noteでは大事じゃないけど大事なことを。何をしてるかより「なぜしてるか」の深い話を聞いて書くひと→ https://fumigura.com/

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