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本物ってなんだろう

あの人は本物だよね。あれは怪しい、本物じゃない。よくそんなことを言ったり聞いたりする。

まあ僕も、どっちかといえば「本物」のほうに惹かれる。

だけどよく考えたら、いったい何の基準なんだろうか。本物とそうでないものを分けてるのは。

どこかに本物認定アカデミーみたいなのがあって、そこの審査に通った人が本物? わからない。けど、本物かそうじゃないかは「ある」。

いわゆる真贋の話じゃない。ブランドの「本物」と「偽物」みたいなのは、ちゃんと基準がある。どこでどう作られたとかね。

人間の場合はどうか。あの人のセンスは本物だみたいな文脈って基準はあるようでない。ほぼ主観。そんなのってこのエビデンス時代に本当は通用しないはずなのに。

それでもやっぱり、人の本物はある。いろんな定義ができるし、どれが正解はない。

もし僕がひとつ定義することを許されるとしたら「自分で自分を食ってる人」だ。

自分で自分を食う? あたまの中にわかりやすくクエスチョンが浮かびそうだけど。

その意味はあえて書かない。たぶん、本物に惹かれるし自分も本物を探してる人なら、なんとなくぼんやりと伝わるんじゃないかと思うんだ。

ひとつ言えるのは、仕事を通して「本物」を感じる人の話を聞かせてもらう中で、すんなり本物になれた人はいなかった。苦労とか、壁にぶち当たるというのでもなく。

なんだろう。うまくいってもいかなくても、本物の人は自分で自分をちゃんと食べてるのだ。

かたちのあるないに関わらず、何かを生み出す人で本物の人はそんな気がする。