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熊にバター(行き場のない掌編集)

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日常と異世界。哀しみとおかしみ。行き場のないことばたちのために。
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2016年1月の記事一覧

王様と居た午後

王様と居た午後

ある朝、目覚めると、わたしの枕もとに王様が居た。
朝の光の中で、王様はとても王様らしくて自然で、とても不自然だった。

わたしは、ああ王様だぁ、と心の中でつぶやく。朝から王様に会うのは、なんだかすごく不思議な気がする。これが夜だったらどうなんだろうと一瞬、考えたけれど、よく考えてみればわたしは王様をもてなしたことなんて一度もないのだ。

王様は何を食べるのだろう。いや、召し上がるというべきなのかな

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