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本町スタバで会いましょう。

働く前、僕は大阪に住んでいました。大阪阿倍野。

初めて関西に住むことになって、それまで九州と札幌に住んでいたから関西は知り合いが皆無。すごく心細かったのを覚えています。

そんな中、知り合い伝いでゲイの人が飲み会開いてくれて、そこで知り合ったのがPくん。

年は一個違いで、お兄さんたちに可愛がられるタイプで、あぁ、こういう子がモテるんだろうなぁというのが第一印象。

そこから遊びに行ったりして気がつけばいっつも一緒にいました。

お互い彼氏がぜんぜん出来なくて。おかげさまで2人でいろんなところにでかけたり、旅行したり。

そんな時いつも待ち合わせにつかっていたのが、本町のスターバックス。

僕は阿倍野で、P君は新大阪に住んでいて。ちょうど真ん中くらいで、ゆっくりできるスターバックスでした。特別なことをするわけでもなく集まって、何を話すわけでもなく、2人でぼんやりしたり作業したり。

僕にはゲイの「友達」というものができたのがそれまでなかったから、不思議な感覚もあったけど、彼がいなければ大阪時代はもっと薄い想い出な気もします。

関西に仕事でやってきて、ふと寄ってみたら、本当に自分でもびっくりするけれど、何もないのに、涙が出そうになりました。悲しくもない、切なくもない、嬉しいとかでもない、ただ、ただ、涙が出そうに。

今は彼氏と暮らして、リア充生活真っ只中のPくんですが、ここで一緒に過ごした時間は擦っても消えない、こびりついた想い出です。

人生の方向転換をした時期で不安だったし、こうしなければよかったと思ったこともあったけど、彼や大阪で出会った人のおかげで、僕の人生も悪くないじゃんと思えたターニングポイントの場所かもしれません。

またいつか一緒に大阪にいけたら、変わらずここで待ち合わせしましょう。

#エッセイ #gay #大阪 #スタバ #LGBT

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