「「個人主義」大国イラン 群れない社会の社交的なひとびと」 岩﨑葉子
平凡社新書 平凡社
建設、アパレル、美容師、旅行業、本屋…
この本に出てきた業種の主なものを挙げてみた。直感的には「個人主義」のようなイメージはないけれど、実際はどうなのだろうか。
イランの個人主義というか、囲い込み、系列化せず、多数の個人(及び零細企業)対個人(及び零細企業)の無秩序な連鎖という形態はこうして成立している。
続いて「おわりに」から。
なかなか事態が進展しないイランの状況にうんざりしながらも、時折現れる「これもありなんだ」という安堵感は、自らの社会の在り方をもう一度考えさせてくれる機会なのだ、と最後に著者は述べている。
具体的な登場人物としては、法律家としていろいろな人の相談役になっている人、日本で修行してテヘランで独立した美容師、中国(広州など)に買い付けに行く若者、店の商業権を又貸しする人と眉をひそめる人、著者のアパートの掃除婦でヤク中の夫に手を焼きながら離婚しない女、イランでは珍しく「プロ」な、しかしやはり個人経営な本屋業界…など。
(2018 02/11)
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