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手記#6 Phantom Quartz(1)

こんにちは。なるせ ふみ です。

この手記もとうとう5回を超えてきました。正直、こうなる前に挫折してしまうだろうと思っていたのですが、こうして続けられるのは読んでくださるみなさまがいるからですね。毎度毎度ありがとうございます。

さて、第6回となる今回は、現状「最も強い」構築である「幻影騎士団クリストロン」についてお話します。今までで一番長い手記になりますので、全編・後編に分けながらお話をしていこうと思います。

時折目を休めながらゆっくり読み進めてくれると嬉しいです。

それでは、いきます。

1.サンプルレシピ

こちらが大会用です。遊戯王公式のリモートデュエルトーナメントで45位(エントリー200名)という成績を収めています。

フリー対戦で使うなら、こちらがおすすめです。

2.幻影騎士団の採用について

幻影騎士団自体は、レベル3を中心としたエクシーズ召喚デッキで、最近は完全封殺の盤面を作り上げることで(悪い意味で)一躍有名となりました。

ただ、これから説明するデッキはあくまで「クリストロン」ですので、その採用枚数は結構控えめだったりします。あくまで目的は、「彼岸の黒天使ケルビーニ」を呼び出すことと、終盤で「アクセスコード・トーカー」につなげるためにモンスターの数をそろえることだけです。

【採用枚数】

 ・幻影騎士団ティア―スケイル ×3

 ・幻影騎士団ダスティローブ × 2

 ・幻影騎士団サイレントブーツ × 2

 ・幻影騎士団シェードブリガンダイン × 1

 ・幻影霧剣 × 2

 ・増援 ×1

 ・彼岸の黒天使ケルビーニ ×1

「ティア―スケイル」と「増援」は強力な初動になるため、合計枚数4として投入可能上限まで投入しています。「シェードブリガンダイン」はS素材にするのと、特殊な初動のために採用しているところがあります。

皆さんご存じ「ジェネクス・コントローラー」は、手札にいてはいけないタイプのカードですが、「シェードブリガンダイン」を素材に「リンク・スパイダー」をリンク召喚することで「ハリファイバー」になることができます。

また、「ダスティローブ」「ジェネクス・コントローラー」という微妙な手札でも初動になります。「ダスティローブ」を素材に「転生炎獣アルミラージ」をリンク召喚→「ダスティローブ」の効果で「シェードブリガンダイン」を手札に→「シェードブリガンダイン」をセットして発動→「シェードブリガンダイン」を対象に「アルミラージ」の効果を発動→そのまま「シェードブリガンダイン」を素材にして、あとは上に同じです。

【メリット1】罠による妨害

クリストロンは基本的にモンスター効果で相手を妨害するため、罠や魔法カードによる妨害は薄い傾向がありました。デッキから手札に加えられるようなものは「エントリー」「インパクト」しかなく、あとは引いた「墓穴の指名者」「抹殺の指名者」を伏せるしかありません。そこに幻影騎士団を混ぜることで、展開の過程で「サイレントブーツ」の効果により、安定して「幻影霧剣」を持ってくることができるようになりました。相手に致命傷を与えることはできませんが、クリストロンが最も嫌う「相手がモンスターを1体召喚し、何もせずメインフェイズを終了する」という流れを阻止することができるようになっています。相手にカードを使わせたうえで「グリオンガンド」「フェニキシオン」で盤面をひっくり返すという流れにつなげやすく、このメリットは見逃すことはできません。

【メリット2】手札を捨てられる

以下、手記#4からの引用です。

クリストロンは墓地で発動する効果を持ちながら、自分から墓地に送るカードはカテゴリ内にほとんどありません。

「ティア―スケイル」は通常召喚しなければならないものの、手札に溜まったクリストロンモンスターを捨てながら「ダスティローブ」を墓地に送ることができ、「彼岸の黒天使ケルビーニ」につなげられるため相性が良いです。特に「ティア―スケイル」「シストバーン」が初手に揃っていると、「ケルビーニ」を呼び出しつつその効果の発動コストで「スモーガー」を墓地に送ることができれば、クリストロンモンスターとクリストロン魔法・罠カードの両方にアクセスすることが可能になります。また、この組み合わせはこのデッキの中で最重要クラスのものですが、なぜそう言えるのか、詳細は後ほど説明します。

【デメリット】安定した1枚初動が存在しない

前回のスクラップクリストンデッキは「化石調査」「スクラップ・ラプター」「スクラップ・リサイクラー」がそろっていれば、他のカードを使わずに「ハリファイバー」「シトリィ」を呼び出して構えることができました。

しかし、このデッキではレベル3モンスター2体を自力で揃えないと展開ができないようになっています。「ジェネクス・ウンディーネ」こそ採用しているものの、「ジェネクス・コントローラー」を初手に持ってしまうと「ジウンディーネ」が空打ちになるため使い物にならなくなる危険性をはらんでいます。

その代わり、「ティア―スケイル」の効果を「灰流うらら」などで無効化されたとしても、「緊急テレポート」「サイコウィールダー」などでカバーしたり、捨てられたクリストロンモンスターの効果を利用したりすれば、なんとか立ち直ることも無理ではありません。

このように、安定した1枚初動をなくした代わりに、灰流うらら等の妨害に強いというメリットを手に入れているのです。

2.S召喚を確定で失敗できるルート

手記#2でも書きましたが、クリストロンはS召喚の成功と失敗を使い分けることで本領発揮します。今までのデッキはS召喚の成功はできても「クリストロン・エントリー」を安定して墓地に送るルートがなかったため、S召喚の失敗を狙うことはかなり難しいものでした。

しかし、この幻影騎士団クリストロンでは、そのS召喚失敗コンボを安定して狙うルート、組み合わせが存在しています。

それが、上で少し触れた「ティア―スケイル」「シストバーン」の2枚です。実際にはもっと多くあるのですが、それは後述の展開例紹介にて一覧表にまとめます。ここでは、この2枚を使った展開をご紹介。

【準備】「ティア―スケイル」「シストバーン」

【結果】フィールドに「ハリファイバー」「シトリィ」「幻影霧剣」、墓地に「ティア―スケイル」「エントリー」

【成果物】「幻影霧剣」で効果を無効にした上で、「グリオンガンド」または「フェニキシオン」をS召喚できる。その過程でデッキから墓地にクリストロンモンスターが2枚送られる

攻撃と効果を1回防いだ上で、クリストロンの大型Sモンスターで致命的な損失を与えつつ、なんと後続も用意すると言っております。

では、ここから展開ルートをご紹介。

【1】「ティア―スケイル」を召喚し、「シストバーン」を捨てて「ダスティローブ」を墓地に送る

【2】「シストバーン」の効果で「サルファフナー」、「ダスティローブ」の効果で「サイレントブーツ」をデッキから手札に加える

【3】「サイレントブーツ」を特殊召喚し、「ティア―スケイル」「サイレントブーツ」の2体で「彼岸の黒天使ケルビーニ」をリンク召喚

【4】「ケルビーニ」の効果のコストとして「スモーガー」を墓地に送り攻撃力アップ。さらに「スモーガー」の効果で「エントリー」を手札に加える

【5】「サイレントブーツ」の効果で「幻影霧剣」を手札に加える。ここで墓地から幻影騎士団モンスターが除外されているが、「ティア―スケイル」の効果は敢えて発動しない。

【6】「サルファフナー」の効果発動、コストで「エントリー」を捨て、自身を特殊召喚してそのまま破壊する。「サルファフナー」➁効果で「リオン」を特殊召喚する

【7】「リオン」「ケルビーニ」を素材にして「ハリファイバー」をリンク召喚し、「シトリィ」をデッキから特殊召喚

【8】「幻影霧剣」を伏せてターン終了

ここからは相手のターンになります。マストカウンターを見定めて、という前提のもとで動きを説明します。

【9】「シトリィ」の効果を発動、対象は墓地の「ティア―スケイル」

【10】「シトリィ」の効果に対して「エントリー」を除外して効果発動し、効果処理でレベル3のクリストロンをデッキから墓地に送り、「シトリィ」のレベルを3にする。

【11】「シトリィ」の効果で「ティア―スケイル」を特殊召喚するものの、効果処理時点でS召喚可能なモンスターがエクストラデッキに存在していないため、特殊召喚のみを行い、効果処理を終了する


【12】「ハリファイバー」の効果で「シューティング・ライザー・ドラゴン」をS召喚扱いで特殊召喚し、その効果で「水晶機巧ーローズニクス」を墓地に送り、自身のレベルを3にする

【13】「シューティング・ライザー・ドラゴン」の効果を発動し、「グリオンガンド」をS召喚する

・・・長いですが、これで展開終了です。この時点で「幻影霧剣」が残っていれば妨害に使えますし、「エントリー」で「シストバーン」か「スモーガー」を、「シューティング・ライザー・ドラゴン」で「ローズニクス」を墓地に送れていますから、返しのターンでの展開も容易になっています。

「ティア―スケイル」も除外されていないですし、手札に幻影騎士団モンスターがあれば更なる展開も可能でしょう。

今回はいったんここまで!

次回では、展開のための組み合わせや、組み合わせを作るうえで大切にしていることについてお話していきたいと思います。

したっけ、またね!


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