陣形でみるブロック守備vsポジショナルな攻撃
2021 J1リーグ 第17節
川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ
スタメン(home : 川崎フロンターレ)
(away : 鹿島アントラーズ)
結果 : 川崎フロンターレ 2 - 1 鹿島アントラーズ
( 前半 1 - 0、後半 1 - 1 )
~敵陣でのポジショナルな攻撃vs自陣でのブロック守備~
川崎の攻撃vs鹿島の守備
川崎フロンターレは敵陣でのポジショナルな攻撃時、主に下図のような配置となる。
その中で、下図のように片一方のサイド(特に左サイド)に密集して攻撃することが多かった。このとき、逆サイドではSB(山根)が孤立していた。
このように、片一方のサイドに密集して攻撃することにより、数的な優位性を保つことができるかつ選手間の距離が近くなりテンポよくボールを回すことで相手の背後を取りやすくなる。また、仮にそのエリアでボールを奪われネガティブトランジション(攻→守)の局面となっても、予めボール周辺に密集した状態となっているためカウンタープレッシングを効果的に行うことができていた。
一方、鹿島アントラーズは自陣でのブロック守備時、下図のようにコンパクトな「4-4」(FWも守備に参加し4-4-1あるいは4-4-2になることも)のブロックを形成していた。
守備の基準点はボールと味方で、ゾーンを主体として守備を行っていた。また、ブロックのコンパクトネスとしては横の幅はペナルティエリアよりも狭く、縦の幅は5m~10mほどである。
上図をみると、鹿島から見て主に右サイド側で密集して攻撃を行う川崎に対し、鹿島はコンパクトな「4-4」の守備ブロックをそのまま右サイドにスライドさせて守備を行っていることが分かる。
この試合では、川崎のポジショナルな攻撃と鹿島のブロック守備の局面が多く見られ、非常に面白い攻防だった。
鹿島の攻撃vs川崎の守備
鹿島アントラーズは敵陣でのポジショナルな攻撃時、下図のような配置となる。
具体的には、相手のライン間にCFの上田、トップ下の小泉、SHの荒木、土居がポジショニングしていた。特にSHの荒木、土居はこのように内側にポジショニングすることが多かった。そして、大外レーンではSBが高い位置にあがり全体の幅を広くし、中央のスペースではボランチの2枚が攻撃の方向付けを行っていた。
一方、川崎フロンターレは自陣でのブロック守備時、下図のようにコンパクトな「4-1-4」のブロックを形成していた。
守備の基準点は、鹿島と同様にゾーン主体であった。また、ブロックのコンパクトネスとしては横の幅はペナルティエリアよりも狭く、縦の幅は約10mほどである。
また、サイドのエリアではボールホルダーに対してSBの山根、登里がアプローチすることがほとんどで、ウイングの家長、三苫はボールを外回りにさせるために中央を固めることを優先していた。
特に、この試合において川崎フロンターレのブロック守備の局面は少なかったが、数少ないブロック守備時の振る舞いは素晴らしかった。
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