これからの居心地の良さについて 新田佑梨さん編／「Terra Australis Incognitaが消えるまで」

イントロ

全員に訪れる未来そのものを、必ず向かう場所として捉えてみる。そこがもし島や大陸ならば、周りに流れている海には何が流れているだろうか。未来そのものは、漂流先／旅行先のどちらだろう。

さまざまな場所で公演を行う演劇作品『Terra Australis Incognita』の宣伝文はそのように書いています。

ウイルス禍において、公園がひとつの息抜きスポットになり、リモートの会議などが増えることで、おうち時間を豊かに・快適にするためのグッズが売り上げを伸ばしたりしました。

そこから広がり「これからの居心地の良さ」について考えてみます。一口に「これからの居心地の良さ」と言っても、場所やコミュニティによって変化し、多方にも跨るこのテーマを元に、さまざまな方とお話をさせていただいた模様を、記事として更新していきます。

それでは、本編をご覧ください。

本編

三橋　お願いします〜
全員　お願いします
三橋　今回の横浜公演も「これからの居心地の良さについて」というタイトルでお話しさせていただけたらなと思います。本日のゲストは新田佑梨さんです。
新田　よろしくお願いします。
全員　お願いします。
三橋　10分間のあいだお話させていただきたいと思います。では、タイマースタート〜。

タイマースタート

三橋　「これからの居心地の良さについて」、漠然としたタイトルなんですけど、ウイルス禍とかで、部屋の換気とか気になるようになったじゃないですか、そういう自分の居心地の良い環境ってどうなのかなというのを考えていまして。どういう時に今、居心地がいいなって感じますか？
新田　家が居心地良くなっちゃいますよね。
三橋　そうですよね、
新田　落ち着くし、あと、出かけると消毒しなきゃとか、換気に気をつけなきゃとかで、気を張らなくちゃいけないのがあって。家だと完全にオフみたいな感じにできるという。逆に、外出たら、オンというと変だけど、絶対気にしないといけなくなっちゃうから、家がいいな。居心地というか、オフにできる場所が限られてきたなと思いますね。
小見　家とかは、ウイルス禍とかになって、よく過ごすようになってちょっと変わったりとかしたんですか？
新田　いる時間が増えたから、固定回線にしたりとか、そういうのはあるけど、家は気持ち的に安全という感じですね。今は、俳優やったり、演劇に参加してたりすると、絶対にかかれないぞっていうプレッシャーが少なからずみんなあると思うんだけど、そんななか、家に帰ると即シャワー浴びて、髪も全部洗ってから家着に着替えるっていうのをしているんですね、コロナ始まってから。でもこの感じって疲れるじゃないですか〜。
三橋　だいぶ、張ってますよ。
新田　この感じ疲れるなみたいなのが。髪乾かしてパジャマ着て、はいオフみたいなのが、変にプレッシャーがあって、それでかかれないみたいなのもある。
三橋　全部オフにって変身みたいだから、オンとオフがパッキリなる感じもしますよね。
新田　玄関開けた奥に居室というか、ベッドとかあるけど、絶対ベッドまで行かずにシャワー浴びてみたいな。
三橋　手洗い・うがい・お風呂
新田　顔触るなとか言われるけど不可能じゃんみたいな思いますね。でもそれはなんか呪いに近いというか、どれくらい有効なのかわかんないけど。
三橋　それぞれのルーティーンとかおまじないじゃないけど自分なりのルールみたいなのがそれぞれで作られてきて、それが個人の居心地の良さみたいなところにつながってきましたよね。なんか、複合デパートとか商業施設が近かったり繋がっているところって、入り口で熱測ったり消毒したけど、すぐまた次の商業施設の入り口でそれをやらなきゃいけないってなるの微妙だなってスキップしちゃう時あるけど、でもこれスキップしちゃうと後ろのやつにやってねえなと思われるのヤダみたいな、対策というよりも、人の視線でやってる動きがあるなって。ポーズというか。
新田　ありますね。わざわざ消毒で列ができちゃってるけど、そこを並ばずに通ってくのはダメなのかなって。
三橋　見た目でわかるファストパスみたいな感じがあればいいけれど
小見　なんか儀式的なところがあるんだよな。自分の中のものを、周りの視線よりも
三橋　マスクがここまで馴染む前も付けるのが絶対義務みたいになるだろうなってみんな予想してたけど、結果今みたいになって、でもそれもなんか儀式っていうか、これすることで最低条件というか、ドレスコードみたいな感じの部分は少なからずあるよね。ちょっと話変わるんですけど、このあいだ渋谷に行ったら、もうすごい人で。お祭りみたいで。で、渋谷に西武ってあるじゃないですか、マックの向かい側にあるくらいの。そこの西武に行ったんですけど、ぜんぜん誰もいないんですよ。
新田　へー
三橋　あんな渋谷の中心にあるのに、誰もいないの。なんだろ、顧客層があってないんかな。
全員　（笑）
三橋　レストラン街とか紀伊国屋書店とか覗いたりしたんだけど全然いなくて。夜だったんだけど、レストラン街全然いなくて。寿司屋の前だけ並んでるくらい。渋谷で困ったらオアシスとして西武に行けば、めちゃくちゃいいかもって思いましたね。純喫茶みたいなところもあるし。
新田　喫茶店が最近居心地良くなくなってきちゃいました。
三橋　わかります〜
新田　私結構チェーン店が安心できるんですね。おしゃれな喫茶店は行ってみたいけど一人だとハードル高いなと思っちゃうところもあって。あ、でも、ドトール大好きなんだけど、最近、飲食店でバイトしてた身からすると、全ての椅子とテーブルを客が去った後に即消毒して完璧にして次の客を通すって、テーブル会計の店じゃないと不可能だと思っていて。だから自分で行くと、ちょっと、あそこの席は別の人が前使ったなとか意識せざるを得ないというか。距離感が近いのに抵抗を感じるようになって。あんなに大好きだったドトールちょっと居心地が悪く感じるようになってしまって。ちょっと悲しい。
三橋　ドトールの店舗って、個人的な見解ですけど、だいぶ空間がタイトじゃない？
小見　あと、マスクいちいち付けたり外したりする作業をしなくなって、外しっぱの人はずっと外しっぱみたいなこと意識しちゃいますよね。
新田　そういうのも気になっちゃう。隣の席の人が衝立があるにしても、今ご飯食べてないのにしゃべってますよ、マスクないですよみたいに思っちゃうのが疲れちゃう。前なら居心地よかった場所がコロナでそんなこと意識せざるを得なくなって、ちょっと疲れちゃうようにもなって。でも、もちろん使う場面はあるんですけど、前みたいな居心地の良さってもう気持ち的には戻ってこないかもみたいなことがあります。
三橋　電車で座る感じの距離感も変わりましたよね。３人がけ席の両サイドに座ってたら真ん中行くの元々やだったけど、
新田　私が使う路線は混むからみんな全然座ってくる。通勤は、「耐え」みたいな感じ。
三橋　通勤は何も変わんないですね。あれ。
宮ヶ原　変わらずみんな座るし。
新田　最初の宣言の時とかは本当に人が減った感じしましたけど、みんななぜか通勤電車だけは仕方なしって気持ちで乗ってるなって。私もだけど。つり革捕まるのとか元々いやで、今はもっといやになっちゃったけど、どうしてもめっちゃ揺れる電車とかは掴まざるを得ないし。座れないなって時は完全に仁王立ち。

三橋　あ、そういえば、スタバって衝立なくない？
新田　そうなんですか、
宮ヶ原　ないかも
新田　居心地を重視してるからですかね
三橋　雰囲気とか？でも、ビニールもない気がしますよね、垂れてる。
新田　方針とかなんですかね
小見　個人でやってるところなんかは、一切マスクをつけないってところもありますからね。どこっていうのは言わないですけど。
三橋　あ、代官山の服屋さん、店員さん誰もマスクつけてなかったなぁ。

タイマーがなる

三橋　というわけでね、本日はここまでということで。お話しさせていただきました。ありがとうございました。新田佑梨さんでした。
新田　ありがとうございます。

以上です。
お読みいただきありがとうございました。

よろしければ他の記事もご覧ください。

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収録(戯)曲
1.　初鳴日
2.　FOLKLORE
3.　新世界よりも
4.　ビオトープ
5.　Log
6.　銀貨(裏)
7.　ツーリズムガイド
8.　緑と青の全貌

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譜面絵画 vol.11『Terra Australis Incognita』
⑤ 横浜 ver.

【会場​】　　　　　
STスポット

【日時】
12月1日（水） 18:00
12月2日（木） 18:00
12月3日（金） 14:00 / 18:00
12月4日（土） 14:00 / 18:00
12月5日（日） 12:00 / 16:00

【出演】
小見朋生（譜面絵画）
宮ヶ原萌（譜面絵画）
佐藤岳
瀧腰教寛
鳥井さなつ
新田佑梨（青年団）

【映像出演】
矢野昌幸

【スタッフ】
脚本・演出・宣伝美術　三橋亮太（譜面絵画／⻘年団演出部）
照明・音響　櫻内憧海
セノグラフィー　白金里菜
舞台監督　力石明
制作　大川あやの（譜面絵画）　河﨑正太郎（譜面絵画）　落合比奈

協力 ：青年団／プリッシマ／(有)センシティブ・プロデュース／(有)レトル

⽂化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

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○一般　3500円
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