見出し画像

CPO×データサイエンティスト対談。予測で将来の在庫数や売上を計算し、お客様のデータドリブンな意思決定を支援する「FULL KAITEN」

弊社が開発しているのはFULL KAITENという小売・卸売業向けの在庫分析に特化したSaaS。これまでにあったいわゆる「在庫管理システム」と違うのは、過去の実績ではなく、未来の予測に基づいて、在庫のリスクを判断できること。それによって今できる「施策」が賢く立てられること。

そんなFULL KAITENの肝と言える予測モデルや分析機能を作っているデータサイエンティストの「のりさん」&CPOとしてプロダクトの責任を担う「すぐるさん」にお話を聞きました!!
※FULL KAITENではDSを絶賛募集中です!

以下、
CPO:すぐるさん
DS(データサイエンティスト):のりさん

FULL KAITENにとってDSの役割、存在とは?

すぐるさん:「それがないとFULL KAITENとは言えない」というぐらいコアな存在です。
これまで、小売・卸売業は在庫の調整を「根性エクセル」や「経験と勘」に頼って管理・分析してきました。結果、何億という在庫が積み上がってしまい、大量廃棄が社会問題となっています。

例えば、誰でも経験ないでしょうか?「セール100円!」となっていても、「いらないものはいらないな」って時。いくら安くても無駄な買い物はしたくないですよね。

そうなってから在庫のリスクに気が付いて慌てて値引きしても売れない。これは良くあることだし、私達もEC運営で辛い経験をしたことがあります。
そこで、「これとこれとこの商品は、今売れるうちに売ってしまいましょう!」と教えてくれるのがFULL KAITEN。
「予測」という技術を使って、前もってリスクを察知するのです。

のりさん:データを上手く使うだけでなく、予測で未来の情報を提供できることに価値があります。予測で将来の在庫数や売上を計算すると、未来に向けて今何をしないといけないのか、想像や勘に頼らずとも冷静に作戦を立てることができますよね。FULL KAITENは他のシステムとは違う、一歩踏み込んだそんな価値を提供できていると感じています。

チームの業務について

すぐるさん:主な業務としては下記4つが挙げられます。

・予測モデルの開発
・予測モデルを用いた分析指標の開発
・ビジョンであるスーパーサプライチェーン構想に必要な要素技術の研究
・プロトタイププロダクトの企画

のりさん:例えば「予測モデルを用いた分析指標の開発」について。具体的に話すと、お客様の課題解決にどういう指標を用いればその課題を可視化し、解決できるのかを考えています。
お客様の課題が何かはビズチームから詳細にヒアリングし、それをどんな風に計算してプロダクトに実装できるかを考えます。

具体的な事例としては、SKU欠損率といって、品番の中にあるSKU(サイズやカラーに分けた商品の最小単位のことなんですが)がどのくらい売り切れているかの分析指標を開発しました。この技術よってSKU単位での在庫量が一目瞭然となり、セール開催時にどのSKUを値引きすべきなのかという意思決定がとても楽になりました。

数万単位のSKU数からセール対象品を決めるのはとても労力が要ります。今までまる3日かかっていたというお客様が、2・3時間あれば決められるようになった、と聞いて嬉しかったです。

もう1つ、「スーパーサプライチェーン構想の要素技術の研究」について。
フルカイテンのミッション「世界の大量廃棄問題を解決する」はとても壮大で、夢物語のように思えてしまう。そこで、ビジョン「スーパーサプライチェーン構想の実現」を設定し、その実現こそ、ミッションを叶えるための指標だと定義しています。
私たちDSはそのスーパーサプライチェーン構想において必要な技術の研究をしています。

今私たちがFULL KAITENを提供している小売や店舗だけの在庫問題を解決しても、世の中全体がHappyではない。ミッション実現のためには、その川上にいるメーカーや商社の在庫や生産量にもメスを入れる必要があります。

例えば似た商品が違うメーカーでも大量に作られている場合、それが生産過多になっていることを検知するような〇〇が必要なんじゃないかとか、そんな企画・研究をしています。

現在店舗やEC向けに「FULL KAITEN」を提供していますが、それは構想のほんの一部。2023年を目安に、メーカーや商社、工場のデータも活用し、サ―ビスを提供していきます。2025年には事業の海外展開も視野に入れています。FULL KAITEN事業の伸びしろは計り知れません。

ビジョンについてはこちらの動画が分かりやすいのでぜひ。

FULL KAITEN開発の壁・乗り越えるためにしたこと

のりさん:予測モデルの開発をしているとき、精度を上げるための研究をしていたのですがそこでぶつかった壁がありました。

例えば突然のセールなど、売り方を変えて数字が急に上がることがあります。逆に下がることもあります。他にも、隣に競合店が建った、コロナでマスクが爆発的に売れた、人気女優がSNSで商品を紹介した、など予測しえない出来事で数字が激しく動くというのはよくあることです。

そんな予定外の外的要因を加味しない状態で予測をするのがAIで、それは外れてもともとなんですが、その精度をどこまで求めればいいのか?どう評価すればいいのか?に悩みました。

すぐる:AIでも予測しえない外的要因まで加味することは無理です。とはいえAIが魔法の杖だと信じている方も多いですし、いかに精度が高いのかを売りにするシステムもまだ多いですね。

ノリさん:はい、それで、「完璧に予測する」は前向きに諦めて、その代わりに外したことを前向きに考え、乗り越えるためにしたことなんですが。「精度を測る評価方法の問題」なんじゃないかという話になって。
そこで実際にお客様はどんな風に評価してるのか?ビズチームに聞いて真似るようにしました。
ビズチームでは、お客様と一緒に実績値と予測値がどのくらいのズレ幅までOKかを決めていたんです。
実際には、2倍のズレまでは許容しようということでした。

予測の精度云々以前に、外的要因を全て事前に知ることはできないですし、外れることはあることという前提で、その時にどう対策するかが大事だと。その方がよっぽど現実的だと感じました。周りのチームに手助けしてもらって、評価方法を考えた結果乗り越えることができました。

FULL KAITENならではのやりがい

すぐる:プロダクトの進化が、ミッション、ビジョンの達成に直結しており、その進化に直接寄与できることですね。

のりさん:同様のことになりますが、ミッション・ビジョン達成のための本質的な課題に直結する仕事をやれています。例えば「世界の廃棄問題」の解決のためにまずできることは、「廃棄しているかどうかの指標を作る」ということ。
このようにミッションに繋がっていく策を考えることだと思う。

このチームだからこそ成長できた

すぐるさん:CPOチームでは、解決すべき課題は与えますが、その解決方法は、技術選定も含めてDSにお任せしています。
なので、課題解決能力そのものが実務を通じて、向上します。
言われたことだけやっても成長はしない。スタートアップなら尚更ですね。

FULL KAITENは予測は当たらないということを前提に、外れた時にはどうしたらいいかというのを考えて作られているプロダクトなんです。
精度を求めるよりも、その方がよっぽど「実用的」というところにこだわってます。
DSについても、研究職と違っていつ研究が終わるのか分からないということはなく、期限もあります。技術を使ってビジネスの課題を解決するという実感を得ることができると思います。

のりさん:
DSってビズチームと開発チームの間にいる立ち位置なんです。
ビズチームが抱えている課題を巻き取り、開発チームにお願いしたりするので
ビジネス課題を見極める能力が必要になってきます。

「データサイエンス力」=機械学習や統計モデリング
「データエンジニア力」=データ集計、前処理、分析
「ビジネススキル」=ビジネス課題をとらえて応用する

DSに必要な上記3つの能力を総合的に鍛えることができますが、FULL KAITENで最も鍛えられるのは3つめの「ビジネススキル」になります。課題解決能力を発揮し、より実践的でプロダクトに直結する仕事を好む方がFULL KAITENのDSには向いていると思います。

お客様の役に立っていると実感できたこと

プロトタイプの企画であった内容だったのですが、在庫の店舗間移動のアプリを作って試してもらいました。異なる店舗同士で在庫を融通しあう機能です。
地方によって何が売れるかは異なるので、アパレルの店舗では日常に行われている業務なんです。

その当時、それはFULL KAITENではできなかった機能だったのですが
今までは人が1つずつ移動を検討していたのを、アプリで簡単に実施し、共有できるようになり、大変喜ばれました。

このように、プロトタイプを活用して現プロダクトでできない課題解決ができた時、カスタマーサクセスチームに感謝してもらえたとき、お客様の声を実際に聞けた時、お役に立てているんだと実感します。

ずばりエンジニアが思う「FULL KAITENとは?」を一言で


のりさん:「お客様のデータドリブンな意思決定を支援するツール」ですね。

ありがとうございました!


フルカイテンではDSを絶賛募集中!ご興味のある方、一度気軽にお話しませんか。DMお待ちしています!

【Rust.tokyo2022】をシルバースポンサーとして応援しています。

フルカイテンのカルチャーや中の人が丸見え!Youtubeはこちら

始めたばかりのテックブログです。LGTMお願いします!

CTOが分かる記事はこちら

エンジニアの記事まとめはこちら

フルカイテンが分かる記事はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?