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ワクチン接種の運営と手続方法とワクチン接種記録システム(VRS)についての考察

(この記事は2021年5月17日に執筆されました)

(※注意1)私がネット調べた範囲ですので、誤りが含まれている可能性を考慮してください。

(※注意2)個別の内容は自治体によりますので、接種方法については必ず自治体からのお知らせでご確認ください

◇ワクチン接種の流れ

 接種券(クーポン券)の発送は、各自治体が発送方法を決め、年齢などにより、接種順位を決めて、発送を行っていきます。最初は75歳以上(または80歳以上)を対象とし、6月中旬以降に65歳以上、それ以下は、状況次第となっています。(自治体により異なります)

 接種券(クーポン券)、予診票、「ファイザー社の新型コロナワクチンについて」の説明書のフォーマットは統一されていますが、印刷は各自治体で3月2日から行っています。同封の「接種のお知らせ」パンフレットは、ひな型がありますが、各自治体が工夫して作成しています。(※1)

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 接種を受けるには、以下の流れになります。自治体により違いがあります。ご注意ください。

1.接種券と予診票(2回分)、説明パンフレットが自治体名の記載された封筒で届きます。

2.予約可能な時期になったら、接種券を手元に用意して指定された方法で予約を行います。
 ・Web予約:専用の予約サイトで予約(推奨)
 ・電話予約:コールセンターに電話して予約。
 ・「接種実施医療機関一覧」に記載されている各医療機関へ直接連絡し、予約する(自治体によります)

3.予診票の記入
 ・住所、氏名、生年月日、性別を記入。
 ・接種券は貼らないでください
 ・2枚目の予診票は、2回目の接種で使いますので、記入は1枚だけです
 ・病歴、薬歴、アナフィラキシー経験の有無は重要な項目です。会場で記入すると薬の名前がわからなかったりするため、事前に記入しておいた方がよいと思います。
 ・不明な個所は、当日、会場でご相談ください。

4.当日に持参するもの
 ・接種券
 ・予診票(1枚)
 ・以下は各自治体が指定しているもので、どれが必要かは同封の案内を参照してください。
   本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)
   同封された封筒
   お薬手帳

5.会場に行く前にすること
 ・検温(会場に行く前に測って記載するか、会場で計測するか、市町や会場によって方針が異なります)
 ・ワクチンは、上腕に接種しますので、肩を出しやすい服装で出かけましょう。

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5.接種会場(会場により異なります)
 ・受付(本人確認、検温、予診票チェックなど)
 ・体温や体調など予診票の記入
 ・医師の問診
 ・ワクチン接種
 ・予診票を担当者に提出
 ・接種済み証の交付を受ける
 接種後は、体調観察のため、15分から30分程度待機します。
 また、次回接種の予約を会場で行える場合もあります。会場の案内に従ってください。

6.接種後
 2回目ワクチン接種の予約をします。指定の期間内に、2回目の接種を行ってください。ファイザー製のワクチンの場合、3週間後の同じ曜日に2回目の接種を行うこととなっています。早くて19日後から接種が可能ですが、それ以前は受けることができません。また、3週間を超えた場合は、できるだけ速やかに接種を行うよう案内されています。

◇Web予約の方法(自治体により異なります)

 現在採用されているWeb予約システムは、LIME株式会社、マーソ株式会社、株式会社サイシード、ヘイ株式会社、両備システムズ、株式会社TKC、A three株式会社など、多数のシステムが存在します。それぞれ、画面や操作方法が異なるので、ご注意ください。

 Web予約は、各市区町村のホームページにあるリンクか、接種券に同封のお知らせに書かれたURLを入力、またはQRコードをスマホで読み取り、予約システムにアクセスします。

 予約には、接種券に書かれた自治体コード(6桁)、券番号(10桁)と、生年月日(西暦)、氏名、ふりがな、電話番号の入力が必要になります。生年月日の年は、西暦を使用します。

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 システムによっては、券番号のみ使うシステムや、自治体コード(6桁)と券番号を別々に入力するシステム、合わせて16桁で入力するシステムなどがあります。入力画面には、接種券番号と表示されていれば、10桁の券番号ですのでご注意ください。

 登録画面に入る前に、接種券番号とパスワードを入力するシステムでは、パスワードという言葉に抵抗を感じる高齢者も少なくありません。最初のアクセス時には、生年月日の数字10桁を入力するようになっていますが、途中でパスワードの変更を行わなければなりません。このパスワードを忘れると、2回目の接種予約ができないなどの問題がでます。

 LINEを使った予約は、一般的に馴染み安く、パスワードの設定が不要な反面、最初に友達登録をしなければならず、慣れない人には違和感があります。

◇防衛省・自衛隊の大規模接種センター

 2021年5月24日から3カ月間、午前8時から午後8時の時間で、東京と大阪に防衛省・自衛隊が運営する、大規模接種センターが開設されます。(※2)

 対象は、以下の条件を満たす人です。
(東京センター)東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県に居住しているか、(大阪センター)大阪府、京都府、兵庫県に居住している人
・地方自治体から送付された接種券を持っている人
まだ1回目の接種を受けていない人(自治体のワクチンと種類が違う)
市区町村で接種の予約をしていない人

東京センターは、5月17日(月)午前11時頃から予約開始予定です


○東京都23区に居住する65歳以上の方
予約受付期間:5月17日(月)~5月23日(日)
接種実施期間:5月24日(月)~5月30日(日)
○東京都(23区を含む)に居住する65歳以上の方
予約受付期間:5月24日(月)~5月30日(日)
接種実施期間:5月31日(月)~6月6日(日)
○東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県に居住する65歳以上の方
予約受付期間:5月31日(月)~6月6日(日)
接種実施期間:6月7日(月)~6月13日(日)

大阪センターは、5月17日(月)午後1時頃から予約開始予定です。 

○大阪市に居住する65歳以上の方
予約受付:5月17日(月)13時~
接種実施期間:5月24日(月)~5月30日(日)
○大阪府(大阪市を含む)に居住する65歳以上の方
予約受付:5月24日(月)13時〜
接種実施期間:5月31日(月)~6月6日(日)
○大阪府、京都府、兵庫県に居住する65歳以上の方
予約受付: 5月31日(月)13時〜
接種実施期間:6月7日(月)〜6月13日(日)
6月14日(月)以降のご予約については別途決まり次第お知らせします。

予約の状況によっては、今後対象を拡大することもあるとこのことです。

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 予約方法は、防衛省・自衛隊のホームページから東京センターまたは大阪センターの予約サイトへ行き、市区町村コード(6桁)、接種券番号(10桁)、生年月日を入力していきます。

 大規模摂取センターで摂取するワクチンは、米モデルナ製で、自治体が摂取を行っている米ファイザー製とは異なります。

 いずれのワクチンも、成分はメッセンジャーRNAをを使用し、効果も似ています。ただし、摂取1回目と2回めの間隔は、ファイザー製が3週間、モデルナ製が4週間となっています。また、保管方法はファイザー製が零下70度となっているのに対し、モデルナ製は零下20度になっています。

◇接種に関する役割分担(※3)

 国、都道府県、市町村の3段階の役割構成になっています。

(国の主な役割)
・ ワクチン、注射針・注射筒の購入及び卸売業者への譲渡
・ 接種順位の決定
・ ワクチンに係る科学的知見の国民への情報提供
・ 健康被害救済に係る認定
・ 副反応疑い報告制度の運営

(都道府県の主な役割)
・ 地域の卸売業者との調整
・ 市町村事務に係る調整
・ 医療従事者等への接種体制の調整
・ 専門的相談対応

(市町村の主な役割)
・ 医療機関との委託契約、接種費用の支払
・ 住民への接種勧奨、個別通知(予診票、接種券)
・ 接種手続等に関する一般相談対応
・ 健康被害救済の申請受付、給付
・ 集団的な接種を行う場合の会場確保

◇接種会場での担当者のオペレーション

1.[自治体]タブレットのログイン、プリセット情報の設定
2.[自治体]受付、健診、予診票の確認
3.[医師]問診、ワクチンの接種
4.[自治体]予診票の回収、接種済証の発行
 接種を行わなかった場合は、予診票の回収のみ
5.[自治体]予診票(接種券)の読み取り
6.[自治体]読み取り情報の確認・登録

 会場では、医師が問診、接種に専念できるよう、予防接種業務全般のサポートを行っています。また、お年寄りや体の不自由な方の付き添いなど、担当者の負担は大きくなっています。

 また、1回目の接種者は、3週間以内に2回目の接種を行わなければならず、限られた期限での作業は、心理的負担を増やしています。

◇タブレットの操作(※4、※5)

 内閣官房 IT総合戦略室は、接種会場でのタブレットの使用方法をタブレットと一緒に配布しています。画面の説明、IDの設定、接種券の読み取り方法について記載されています。

1.タブレットの準備
 ・ログイン
 ・プリセット情報の確認、変更
   自治体名、会場名、ワクチンの種類・ロットナンバー、医師名

2.接種券の読み取り
 接種券で読み取る部分は、18桁のOCRラインです。(バーコードではありません)
 カメラ画面の中央に、OCRラインの数字が入るように位置調整します。接種券とタブレットの距離約7.5cmの高さでスムーズに読み取ることができます。まとめて読み取りを行う場合は、タブレット端末を置く台を使ったり、段ボール箱を加工したり、工夫してください。

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3.読み取った情報の確認
 予診票と照合し、間違いがあれば再度読み取りをします。接種日やワクチンの情報、医師名の間違いは確認画面で修正します。

4.登録完了
 登録ボタンを押して登録完了となります。接種券読み取りボタンを押して、次の読み取りを行います。

5.接種記録の確認
 一覧画面を表示し、その日の接種記録を確認します。

6.ログアウト

◇タブレットの機種

 政府は、タブレット端末のレンタルと問い合わせ窓口の運営に、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズの2社と60億円の随意契約を結びました。タブレット端末の機種はd-41A(SHARP製)とd-42A(Lenovo製)の2機種のAndroid端末で、6月末までに合わせて5万1千台を調達しています。(※6、※7)

 タブレット端末のスペックは以下の通りです。(※8)

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◇ワクチン接種記録システム(VRS)について

全体フローとワクチン接種記録システムのスコープ(政府CIOポータル)
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/covid-19_vaccine_flow_210309_1300.pdf

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 ワクチン接種記録システム(VRS)は、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(以下IT室)が2021年1月下旬に構築を表明し、約3億8500万円の随意契約で、母子手帳アプリなどを手掛ける医療スタートアップのミラボに開発、保守を委託しています。

 接種情報の迅速なデータ化、自治体ごとに異なる接種情報の統一化、紙媒体のデータ消失リスクへの対応という3つを主眼とし、AWSのクラウド上で構築されました。市区町村の接種者情報と、接種日、接種回数、ワクチンメーカー等の接種記録情報を管理します。

 システム開発は1月20日付で河野氏の補佐官に就任した小林史明衆院議員を中心に官僚や民間、自治体からの出向者のチーム約15人でスタートしました。

 開発に先立ち、2020年12月に、IT室は、自治体関係者との意見交換の場としてFacebookに「デジタル改革共創プラットフォーム(β版)」を立ち上げ、自治体職員も検討に加わりながら要件をまとめていきました。また、その後も自治体からの疑問に逐次対応して「よくある質問と回答(FAQ)」をWebサイトで公開しています。また、住民からの問い合わせに対応するAI-FAQボットが無償提供されるなど、ITを活用した取り組みも進んでいます。(※9)

 開発期間は2カ月と短く、本格稼働直前までVRSのシステムの仕様変更は続いていました。

◇クラウドサービスへの不安

 VRSに登録する接種者情報には、氏名、生年月日に加えて、マイナンバーが登録されています。

 マイナンバー制度は、日本国内で統一的に管理されているように思われがちですが、実態は各自治体が分散して管理する「分散管理」となっています。

 これまで、自治体向けのセキュリティポリシーがクラウドサービスでは満たせないとされてきたため、データは限られた場所でのみ保存、利用可能となっていました。

 今回、緊急性が高い例外として、各自治体の住民基本台帳、予防接種台帳に登録されたマイナンバーを含む接種者情報をCSVファイルで抽出し、総合行政ネットワーク(LGWAN)経由でAWS上に構築されたVRSの各自治体用の論理的に区分けされた領域に登録しています。

 VRSでも、通常は他の領域を参照することはできなくなっていますが、自治体をまたいだ移動があった接種者についてのみ参照できるようになっています。

 しかし、区分けされているとはいえ、マイナンバーを含む個人情報が同じクラウド基盤に登録され、自治体間で照会・回答する仕組みは、マイナンバー法では認められていません。通常の手続きを行うとすると、特定個人情報保護評価(PIA)を行い、個人情報保護審査会などに審査してもらい、住民の同意を得るなどの手続きが必要となります。また、住民情報を1カ所に集めるとなると、サイバー攻撃のターゲットになる懸念もでてきます。

 IT室は自治体向け文書で「システムの利用に関する障害やシステムから個人情報の漏えいが発生する等のトラブルについては国が全責任を負う」と明言しました。これまで、政府はシステム側の責任が政府にあると明言したことはなかったため、システム登録作業の安心材料となりました。

 情報連携は始まったばかりで、異なる行政機関や自治体でやり取りする「データ標準レイアウト」の整備が必要となります。将来的には、海外渡航時の接種証明として使えるグローバルなフォーマットが検討されています。厚生労働省は2021年6月に予防接種に関するデータ標準レイアウトの改版を予定しており、市区町村は改版に応じて予防接種台帳システムを改修しなければなりません。

 また、セキュリティ面でも問題を残しており、現在のところVRSはマイナポータルとはつながっていないため、マイナポータルで照会履歴の確認はできません。一部の自治体やベンダーの関係者は「いずれマイナンバー制度やシステムは再構築しなければならない」と指摘しています。

◇防衛省・自衛隊の大規模摂取の予約システム

 VRSシステムで、摂取者の情報は連携が始まったものの、マイナンバーを含む個人情報が含まれているため、その利用には制限をかけています。そのため、登録者が都道府県をまたぐ大規模接種予約システム内にはマスターを持たず、券番号のチェックを行うことができません。番号が誤っていてもエラーとならず、架空番号でも予約できてしまいます。また、システム内で既に自治体で接種を受けていないか、確認する方法もありません。

 このままだと、予約したのに接種できなかったり、水増しされて登録されたため予定数を接種できなかったりする恐れがあります。改善も検討されていますが、認証を厳しくすれば、利便性は低下します。また、個人情報の分散管理の原則があります。更に、一時的とはいえ、防衛省が全国民の名簿を所持することは、許されることではありません。

 なお、この問題を悪用したアクセスは、社会的な問題となる行為で、貴重な予約枠をむだにする行為になりますので、対象者以外が登録しようとしたり、同じ券番号で何度も登録したりすることは絶対行わないようにしてください。

 一部報道では、システムのセキュリティが機能していないなどと伝えられていますが、マスターとのチェック機能がないのであって、登録された個人情報が洩れるようなセキュリティ機能の問題があるわけではありません。

 予約システムは、東京センターはマーソ株式会社、大阪センターはソーシャルデータバンク株式会社のシステムと、異なるシステムで行われています。

 Web予約も、LINE予約も、ログインできれば登録までの操作は難しくないようですが、同時アクセス数の数と、操作している間にも先着順で日程が埋まってしまうという部分で、スムーズに予約が取れないことが発生しているようです。

◇VRSタブレットの不具合

 VRSタブレットへの不満は、始まった直後から出ています。

 ・バーコードが読めない(VRSはバーコードは使いません)
 ・読み取りに時間がかかる(デモ動画では、6秒程度かかっていました)
 ・誤認識が発生する(OCRは汚れや折れがあると読み取りにくい)
 ・フォーカスが合わない(会場の環境、レンズの汚れで左右される。手持ちでは読み取り完了までの時間静止しているのが難しいなど)
 ・接種現場は多忙で担当者が足りないため、逐次入力ができない。その日のうちに入力を完了させるには人員が足りない。

 担当者が一番ストレスとなっているのは、接種券の番号読み取り時のトラブルのようです。説明では、2~3秒で読み取れると書かれていますが、デモ映像では、6秒程度かかっていました。実際の運用では、アプリの最適化やサーバー増強で2~3秒に短縮されている可能性もないとは言えませんが、恐らく同時アクセスが増えるため、読み取り時間は長くなっていると想像できます。

 接種券には、バーコードとその下に数字で小さく書かれていますが、読み取りはバーコード下の数字をOCRすることになっています。読み取りの速度や正確性が落ちるのは、バーコードではなく、数字をOCRしているためだと思います。スタート時には、バーコードを読み込ませようとする職員も多く、混乱の原因となりました。

 このシステムは、各自治体が入力したデータを集め、政府側で全国の接種状況を随時モニターできるようになっていますが、各自治体側で確認する画面の作成は後回しになっていたようです。

 国はデジタル化したとうたっていますが、現場は紙ベースで進めなければならず、接種後も書類の保管が指示されています。

 システム開発に携わった千葉県船橋市情報システム課の千葉大右課長補佐は「入力作業は増えるが、接種業務全体としてはむしろ効率化されるという国の説明は理解できる」と語っています。(※10)

 接種券の番号が読み取りにくいという苦情が多発したことに対しては、2021年5月11日に、読み取りを効率的に行えるよう、読み取りスタンドを送付することになりました。5月24日以降に発送予定となっています。(※11)

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◇バーコード10桁の謎

 接種券に印刷されているバーコードは、CODE128という種類の10桁の数字です。通常、バーコードの下に印刷されている数字は、バーコードの値を人間が読めるようにするためですが、今回は、バーコードの値とバーコード下の数字が異なっていたため、混乱が生じました。

 VRSで接種券から読み取る番号は18桁です。上8桁には、券種1桁、回数1桁、自治体コード6桁で、下10桁は券番号です。バーコードには、この下10桁の券番号が印刷されています。このことを事前に気づいた一部自治体では、バーコードを18桁に変更しているケースもあるようです。

 バーコードは、「自治体向けLINEワクチン接種予約システム」で利用する予定だったと思われますが、現在のLINEアプリでは、自治体コードと券番号の16桁を手入力するようになっており、券番号10桁だけのバーコードは活用されていません。自治体ホームページから遷移するシステムの場合、どの自治体の予約か判別可能ですが、そうでない場合、どこの予約か知るには自治体コードが必要になるからです。つまり、使われないバーコードが印刷されていることになります。

 LINEの利用者情報が中国子会社で閲覧可能だった問題(※12)について、加藤官房長官は3月29日の記者会見で、ワクチン接種予約システムについては、データが全て国内で保存され海外からのアクセスも遮断されているため、データの取り扱いを確認しつつ、開発を継続することには問題がないと述べています。

 今後、65歳以下が接種対象となれば、更に予約量が増加し、強固なシステム基盤が必要になるだけでなく、接種日の決定が先着順だけでなく、抽選も取り入れていくことになります。チケット販売大手「ぴあ」も「ワクチン接種の予約・抽選受付サービス」として提供を開始しています。(※13)

 外部業者との契約は、各自治体の判断で行うことになっています。

◇接種順位について

 令和3年2月9日の「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について」(※14)で、医療従事者、高齢者、基礎疾患を有するもの、高齢者施設等の従事者を早期に接種するようになっているのですが、基礎疾患を有する者についての扱いはまだ開始されていません。

 なお、接種会場で働く市町村職員についても、医療従事者と同様とみなし、ワクチン接種を先行して行っている自治体もあります。


【参考資料】

※1 ワクチン接種券を印刷 コロナ75歳以上、10日郵送開始[北海道新聞] https://www.hokkaido-np.co.jp/article/540186

※2 自衛隊 大規模接種センターの概要 予約サイト案内(予約・受付案内)[防衛省・自衛隊]
https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/saigai/2020/covid/center.html

※3 新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について(令和3年2月9日 内閣官房 厚生労働省) 
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/wakuchin_sesyu.pdf

※4 VRS 医療機関(接種会場)担当者向け情報(政府CIOポータル)
https://cio.go.jp/vrs_vsite

※5 接種会場でのタブレット使用方法(詳細)(政府CIOポータル)
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/vrs_tablet_manual_210427.pdf

※6 政府のワクチン接種記録システム用タブレット、NTTドコモとNTTコムが48億円で契約[日経XTECH]
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/09780/

※7 ワクチン接種タブレット積算根拠示さず 平井デジタル相
https://www.asahi.com/articles/ASP3S6TNSP3SUTFK010.html

※8【ドコモ】dtab Compact(d-42A)とdtab(d-41A)の違い【性能比較】 https://volx.jp/d-42a-d-41a-benchmark-hikaku

※9 新型コロナワクチン、問い合わせから予約まで自動化するボットを自治体に無償提供--L is B [CNET Japan]
https://japan.cnet.com/article/35167564/

※10 接種記録、新システム運用開始…デジタル庁の試金石に
https://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/210409/plt21040923490055-n1.html?view=pc

※11 ワクチン接種記録システム用読み取りスタンドー使用上のご注意ー
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/vrs_announcement_210511b_att1.pdf

※12 LINEの個人情報、中国から閲覧できる状態 2018年8月から(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20210317/k00/00m/020/080000c

※13 ぴあ「ワクチン接種の予約・抽選受付サービス」提供開始 チケットぴあの仕組み活用 エンタメ復活を後押し(スポーツニッポン新聞社) http://a.msn.com/00/ja-jp/BB1gGmOj?ocid=st

※14  『新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会(第12回) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/shimon12.pdf


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