自由な世界(短編小説)(詩のようなもの)
長かった。
ずっとずっと動けなかった。
6000年間 ずっと動けなかった。
6000年前、私は大地を移動し、水に漂い、空へ舞い上がった。
眼下に色々な景色を見た。
青い海、緑の大地、茶色の砂漠。
生き物の身体をくぐり抜け、地下に潜り、
大地を移動し、また空へ舞い上がった。
白い空、白い山々、私も白くなり、、
ゆっくりゆっくり舞い降りる。
周りは白い仲間たち。
仲間がどんどんどんどん増えてきて、ぎゅうぎゅう詰めの動けない世界。
毎年毎年、数センチの移動だけ。
でも【二本足の生き物】が解放してくれる。
世界を暖かく暖かく、どんどんどんどん暖かく、
私の仲間を解放している。
私ももうすぐ大地を削り、海を広げ、大空を激しく移動できる。
自由になる沢山の仲間たちと共に、、、