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2020年読んだ本

いよいよ2020年も終わりですね。恒例の読書まとめ。

今年はVRChatのワールドをつくっていたりしたので、少なかったみたいです。

来年はもっと読んでいきたいですね。

読んだ本の数:67冊


欲望のオブジェ

本書は、デザインが世界や社会的な関係にかかわるさまざまな観念を物理的なオブジェの形態にどう変えていくか、を示そうとしてきた。このプロセスを研究しないかぎり、そして、目を当のデザイナーからはずさないかぎり、われわれはデザインがいったい何であり、デザインがこれまで、われわれがそれを通して日常生活の物質的事実に同化し、適応する観念や信念をあらわすことにおいてどんなに重要だったか、を正しく理解することはできないのである。(本文より)


天象の檻

遥かな昔、大地の上で人が住む十二の地域は系(けい)と呼ばれ、神と人との間に生まれた神人(かみびと)を支配者として戴いていた。
系から隔絶されたアタの山に住む少女シャサは、ある日集落が襲撃を受けたことで多くの仲間を失ってしまう。壊滅した集落に迷いこんだ少年ナギの協力を得て、シャサは姿を消した四人の仲間を探し、まだ見ぬ外の世界へと旅立つ。
シャサたちが訪れた、神人メネが治める『銀鱗』、神人イナーが統べる『暁』などの系では、ある噂がまことしやかに囁かれていた。 曰く、この雄大にして堅固な大地はまもなく海中に没すると――。
時を同じくして、神人タニャを担ぐ『蛇』が勢力拡大を狙って大侵攻を開始。危機迫るなか、シャサは思いもよらぬ力を発現させ、世の理に干渉してしまう。 その行いが、世界と神人の真実に迫るとも知らずに……。
新鋭による壮大なSFファンタジー長篇。第七回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作。

ハヤカワSFコンテスト特別賞。物語がぶつ切りで時制などを見失ってしまったり読みづらかったが、神と人が近い世界の描写。登場人物の生き生きした感じは良かった


美術手帖 2020年2月号|アニメーションの創造力

およそ100年の歴史を持つ日本のアニメーション史のなかで、2010年代はひとつの転換期と言えるだろう。
特にこの数年、デジタル技術や鑑賞環境の変化による、作品制作のシステムやコンテンツの革新が起きつつある。本特集では、そうした動きを支える現場のつくり手と作品にスポットを当て、新たな技術を駆使しながら、いかにして表現の飛躍が生み出されているのか、またそこにどんな理念があるのか、創作の原点に迫りたい。


菊竹清訓|都城市民会館

1966年に菊竹清訓の設計で完成し、メタボリズム建築の代表作の一つとされる都城市民会館。
2007年の閉館後、署名活動やシンポジウムなど、保存への動きも活発に行われていたものの、ついに解体への方針が確定し、2019年7月から解体作業が着手されるにいたった。 本書では、竣工時の貴重な図面や写真、また解体前の写真を交えながら、消え行くメタボリズム建築の姿を資料として留める。


D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略

すべてがデジタル化するニューノーマルの時代に最も注目を集めるビジネスモデル「D2C」。
「そもそもD2Cって何」?といった素朴な疑問から、立ち上げの具体論までを網羅した入門書であり決定版。
単なる「中抜き」ではなく、顧客との関係性に不可逆の変化を起こすD2Cの本質がこれ一冊でわかる。

ミレニアル世代の消費活動とそれにアテンションを与える新しいあり方として「世界観」を提供するD2C。豊富な事例で面白かった


Adaptation 増田信吾+大坪克亘作品集

独自性に富んだ作品を生み出す2人組の若手建築家、増田信吾+大坪克亘の初の作品集。2014年発表の「躯体の窓」以降の10作品を掲載。当たり前の現実に向き合い、率直なアプローチでまだ見ぬ建築の可能性を拓く彼らの姿勢が読み取れる一冊。本書のために撮り下ろした写真家永井杏奈氏による場の空気感を取り込んだ写真も見どころ。


時間とテクノロジー

執筆5年、あなたの世界観を根底から変える圧倒の20万字!!
目的もゴールもない現代に、人間はどう生きていくべきか。

深層学習、環境知能、ナッジ、VR/AR……
最新の学問と技術から考察する「新しい人間哲学」ここに誕生!


“山"と“谷"を楽しむ建築家の人生

7人の建築家に人生で「人生で苦しかった時」「乗り越えた時」を尋ねたインタビュー集。自分の道を切り開くためのメッセージ。
ときにしたたかに、ときに子どものように純粋に建築と向き合った話は、建築の仕事を楽しむことをはるかに超えて、人生をいかに豊かで意義深いものにできるか、という広がりさえもっている。
その言葉たちは目の前にある不安を大きなワクワク感がうやむやにして、建築を目指す若者たちの背中をあっけらかんと押してくれる。
建築に臨む態度、経営思想も尋ねており、あらゆる世代の設計関係者にもお薦めできます。

建築家はどのようにして生まれてくるか?
本書は今をときめく建築家たちに学生時代から事務所設立時などどのような道を歩んで今に至ったのか聞いていくインタビュー集.

結婚や子育て,事務所の収支などかなり生々しい話題にまで突っ込み他のにない独自性を醸し出している.対象となる7人はいわゆる大御所事務所に弟子入りして...という道程からは少し異なる道を歩んできた建築家たちがほとんどだ.
そうした人選などから,本書の目指すところは,建築へ関わるにはいかに多様なアプローチがあるのだと提示することにあるのだろうと感じられる.


未来をつくる言葉: わかりあえなさをつなぐために

ぬか床をロボットにしたらどうなる?
人気作家の執筆をライブで共に味わう方法は?
遺言を書くこの切なさは画面に現れるのか?
湧き上がる気持ちやほとばしる感情をデジタルで表現する達人――
その思考と実践は、分断を「翻訳」してつなぎ、多様な人が共に在る場をつくっていく。
ふくよかな未来への手引となる一冊。


「大東亜」を建設する: 帝国日本の技術とイデオロギー

エンジニアたちの「大東亜」

戦時下において「技術」に希望を託し、合理的な統治と動員体制を築こうとした革新官僚と技術者たちがいた。帝国日本にとって「技術」とは何だったのか。「大東亜」建設の実相に、新たな視角から迫る力作。

アジア・太平洋戦争期、帝国日本の戦時動員のため「技術」という言葉が広範に使用されていた。それは単に科学技術だけではなく、社会全体の統治にもかかわるイデオロギーであった。狂信的な言説が吹き荒れたと思われる時代は、実は科学的・技術的な言説が力を持った時代でもあったのだ。本書では、革新官僚と技術者たちの動向を中心に、満州と中国における巨大建設プロジェクトを詳細に分析しつつ、戦後までをも貫く「技術」言説を思想史的に描き出す。新たな視角から帝国日本の核心に迫る、急逝した気鋭のアメリカ人研究者の遺作となった画期的研究。


遅いインターネット

インターネットによって失った未来をインターネットによって取り戻す

インターネットは世の中の「速度」を決定的に上げた。しかしその弊害がさまざまな場面で現出している。世界の分断、排外主義の台頭、そしてポピュリズムによる民主主義の暴走は、「速すぎるインターネット」がもたらすそれの典型例だ。インターネットによって本来辿り着くべきだった未来を取り戻すには、今何が必要なのか。気鋭の評論家が提言する。


シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成

30万部超の名著『イシューからはじめよ』から9年――。
渾身の力で投げ込む、ファクトベースの現状分析と新たなる時代の展望!

AI×データの発展により、時代は多面的に「確変モード」に突入した。
目まぐるしく動く社会の中、本書は以下の問いをひとつなぎにして答える。

・現在の世の中の変化をどう見たらいいのか
・日本の現状をどう考えるべきか
・企業はどうしたらいいのか
・すでに大人の人はこれからどうサバイバルしていけばいいのか
・この変化の時代、子どもにはどんな経験を与え、育てればいいのか
・若者は、このAIネイティブ時代をどう捉え、生きのびていけばいいのか
・国としてのAI戦略、知財戦略はどうあるべきか?
・AI時代の人材育成は何が課題で、どう考えたらいいのか
・日本の大学など高等教育機関、研究機関の現状をどう考えたらいいのか

ビジネス・教育・政策…全領域にファクトベースで斬り込む、著者渾身の書き下ろし!
意志なき悲観論でも、現実を直視しない楽観論でもない、建設的(Constructive)な、「残すに値する未来のつくり方」。


ドライバーレスの衝撃—自動運転車が社会を支配する

企業優先の〈ドライバーレス革命〉に、全米トップの交通専門家が警鐘を鳴らす

近い未来、すべての車は自動運転車になる。
そのとき、社会はどう変わるのか? 暮らしはよくなるのか、悪くなるのか?
選択を誤れば、自動運転車によって格差は拡大し、街から人が消え、コミュニティは崩壊する……。

元ニューヨーク市運輸局局長の著者が、従来の自動運転車の議論では抜け落ちていた、社会への影響を包括的に分析する。
本格普及前夜の今、私たちは社会として何をすべきか。

自動運転がもたらす影響について俯瞰的に語られる。
たとえば道路のあり方や格差の問題、自動車の「所有」を取り巻く問題。「自動車」が多くの問題をもたらしながら普及してきたように自動運転車も多くの問題をもたらすだろうと著者は投げかける。
ただ悲観的な本ではなく、必要なのはその技術発展がなにをもたらしてなにをもたらさないかを正確に理解することだ。


砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか

人類社会を形作るもの、それは「砂」。
その砂はいま、地球から姿を消そうとしている……

私たちの暮らす建物、通勤する道路。携帯電話、シェールオイル。
現代人に不可欠なこれらのものはすべて「砂」からできている、または砂がなければ得られないものだ。
この身近過ぎて普段意識さえしない小さな物質は、実際には世界で最も消費され、必要とされる物質である。
その砂と人間長きにわたる付き合い、とくにこの数百年の砂なくしてはあり得なかった発展―20世紀のコンクリートの発明と、
21世紀のデジタル技術―を紐解きながら、いま砂が瀕している危機を見つめる。
体当たりの取材と詳細なデータをもとに圧巻の筆致で描く、瞠目の本格ノンフィクション。


2010年代SF傑作選1

2002年のJコレクション、2003年のリアル・フィクションなどで飛躍を果たした日本SFは、2010年代に黄金の時を迎えた。第一人者の神林長平を筆頭に、飛浩隆、田中啓文、北野勇作のベテラン勢、少女小説/ライトノベル出身の津原泰水、小川一水、長谷敏司、ゼロ年代デビューの上田早夕里、円城塔、仁木稔――2010年以前にデビューし、現在の日本SFを牽引する10作家を収録する、2010年代ベストSFアンソロジー第1弾。 【収録作品】 ・小川一水「アリスマ王の愛した魔物」 ・上田早夕里「滑車の地」 ・田中啓文「怪獣惑星キンゴジ」 ・仁木 稔「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」 ・北野勇作「大卒ポンプ」 ・神林長平「鮮やかな賭け」 ・津原泰水「テルミン嬢」 ・円城 塔「文字渦」 ・飛 浩隆「海の指」 ・長谷敏司「allo, toi, toi」


2010年代SF傑作選2

ハヤカワSFコンテストと創元SF短編賞という2つの新人賞が創設された2010年代。ジャンル外の文学賞でも評価される宮内悠介、高山羽根子、小川哲をはじめ、酉島伝法、柴田勝家、倉田タカシなど両賞から輩出された数多くの才能、電子書籍やウェブ小説出身の藤井太洋、三方行成、そして他ジャンルからデビューの野﨑まど、小田雅久仁――日本SFの未来を担う10作家を収録する、2010年代ベストSFアンソロジー第2弾。 【収録作品】 ・小川 哲「バック・イン・ザ・デイズ」 ・宮内悠介「スペース金融道」 ・三方行成「流れよわが涙、と孔明は言った」 ・酉島伝法「環刑錮」 ・高山羽根子「うどん キツネつきの」 ・柴田勝家「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」 ・藤井太洋「従卒トム」 ・野﨑まど「第五の地平」 ・倉田タカシ「トーキョーを食べて育った」 ・小田雅久仁「11階」


専門知は、もういらないのか

20世紀初頭まで、政治や知的活動への参加は一部の特権階級に限られていたが、後の社会変化で門戸は大きく開かれた。それは人びとのリテラシーを高め、新たな啓蒙の時代を招来するはずだった。ところが今、これほど多くの人が、これほど大量の知識へのアクセスをもちながら、あまり学ぼうとせず、各分野で専門家が蓄積してきた専門知を尊重しない時代を迎えている

ゆがんだ平等意識。民主主義のはき違え。自分の願望や信念に沿う情報だけを集める「確証バイアス」。都合の悪い事実をフェイクと呼び、ネット検索に基づく主張と専門家の見識を同じ土俵に乗せる。何もかも意見の違いですますことはできない、正しいこともあれば間違ったこともあるという反論には、「非民主的なエリート主義」の烙印を押す。これでは、正しい情報に基づいた議論で合意を形成することは難しく、民主主義による政治も機能しない。

原因はインターネット、エンターテイメントと化したニュース報道、お客さま本位の大学教育。無知を恥じない態度は、トランプ大統領やブレグジットに見るように、事実ではなく「感情」に訴えるポピュリズム政治の培養土となっている。または逆に、知識をもつ専門家による支配、テクノクラシーを招く恐れもある。
本書が考察しているアメリカの状況は対岸の火事ではない。専門知を上手く活かして、よりよい市民社会をつくるための一冊。

今やアメリカ人は「誤った知識をもつ」を通り越して「積極的に間違っている」まで落ちていると述べる著者。
専門知の軽視が民主主義の基盤さえ打ち壊してしまうと警鐘を鳴らす。そこには専門家と市民の断絶がある。市民もまたみずから学び続けなければならず、公徳心を持つべきだ、と。 淡々とした語り口ながら怒りさえ感じさせる調子の文章が印象に残る。


人間たちの話

どんな時代でも、惑星でも、世界線でも、最もSF的な動物は人間であるのかもしれない……。火星の新生命を調査する人間の科学者が出会った、もうひとつの新しい命との交流を描く表題作。太陽系外縁部で人間の店主が営業する“消化管があるやつは全員客"の繁盛記「宇宙ラーメン重油味」。人間が人間をハッピーに管理する進化型ディストピアの悲喜劇「たのしい超監視社会」ほか全6篇を収録。稀才・柞刈湯葉の初SF短篇集。


鉄筋コンクリート建築の考古学: アナトール・ド・ボドーとその時代

最初期の「鉄筋コンクリートの建築家」アナトール・ド・ボドーの創作活動を丹念に追い、鉄筋コンクリート建築の成立の過程を、実証的かつ理論的に解明する。19世紀までの切石組積による西洋建築と、20世紀の鉄とコンクリートによる近代建築に断絶をみる建築史の通説を覆す画期的研究。


建築の東京

2013年9月、東京オリンピック開催が決まるや前年のコンペで選出されていた新国立競技場ザハ・ハディド案がメディアで騒がれるようになり、2015年7月には安倍首相が「白紙撤回」を表明、同年末のデザインビルド方式の再コンペで隈研吾+大成建設案が採用されるにいたった。
2016年8月、就任直後の小池都知事は目前に迫っていた中央卸売市場の移転延期を決定するも、その後は迷走を重ね、豊洲「安全宣言」を経て築地は五輪開催期間限定の輸送拠点と定められた。メインか副次的かの違いはあれ、いずれも来るべきものの具体的青写真が不明瞭なまま、はじめにスクラップ&ビルドありきで既存施設がさっさと解体されたという印象は拭えない。

平成から令和へ。オリンピックを前にして東京はいかに変貌したか? 一貫して都市の「メタボリズム」を重視し、「すぐれた建築が壊されるとしても、
その後に志のある建築がつくられるなら必ずしも反対しない立場」をとる著者が近過去に登場した建築=景観、丹下健三・岡本太郎以後の建築家・アーティスト双方による東京計画・未来都市の系譜、各種メディアのなかの東京を検証する。


タイタン

今日も働く、人類へ

至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥ったタイタンのカウンセリングだった――。


怪異の表象空間: メディア・オカルト・サブカルチャー

日本の近現代は怪異とどう向き合ってきたのか。明治期の怪談の流行から1970年代のオカルトブーム、そして現代のポップカルチャーまで、21世紀になってもなおその領域を拡大し続ける「闇」の領域――怪異が紡いできた近現代日本の文化表象を多角的視座から探究した決定版。


プロジェクトぴあの 上

ようこそ旧人類(うすのろ)ども。これは結城ぴあの――人類の恩人、科学の歌姫、最後のアイドル――の物語だ。男の娘のボク――貴尾根すばるは、秋葉原の電気街で彼女と出会った。「宇宙へ行きたい」と大真面目に語るぴあのは、やがてトップアイドルに上り詰め、物理法則をねじ伏せ、大発明で世界を変革する。そんな最高にマッドな突然変異の超天才に恋をしてしまったボクは……。閉塞したリアルを打ち破る、山本弘・ハードSFの最高到達点!


プロジェクトぴあの 下

結城ぴあのは無理解な箪笥(うすのろ)の群れを押し退け、超光速粒子推進を実用化した「ピアノ・ドライブ」の開発に成功した。人類はとうとう、光の速度を超えてあらゆる場所へ旅する手段を獲得したのだ!実現に近づく「宇宙へ」という彼女の渇望。地球の外へ、そして系外宇宙へ飛び出さんとする眼前に立ちはだかった最後の強敵は、太陽の怒りだった――!?全ての不可能を可能にする山本弘・ハードSF、その最高傑作。


それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain?

カタナを帯びた金髪碧眼の戦士、デミアン。
記録上は存在しない特殊兵器。

楽器職人としてドイツに暮らすグアトの元に金髪で碧眼、長身の男が訪れた。日本の古いカタナを背負い、デミアンと名乗る彼は、グアトに「ロイディ」というロボットを探していると語った。
彼は軍事用に開発された特殊ウォーカロンで、プロジェクトが頓挫した際、廃棄を免れて逃走。ドイツ情報局によって追われる存在だった。知性を持った兵器・デミアンは、何を求めるのか?


ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

人類が宇宙へ広がってから6000年。辺境の巨大ガス惑星では、都市型宇宙船に住む周回者(サークス)たちが、大気を泳ぐ昏魚(ベッシュ)を捕えて暮らしていた。男女の夫婦者が漁をすると定められた社会で振られてばかりだった漁師のテラは、謎の家出少女ダイオードと出逢い、異例の女性ペアで強力な礎柱船(ピラーボート)に乗り組む。体格も性格も正反対のふたりは、誰も予想しなかった漁獲をあげることに――。日本SF大賞『天冥の標』作者が贈る、新たな宇宙の物語!


マルドゥック・アノニマス 5

ウフコックを探すには、まずはハンターを知る必要がある――そう考えて〈楽園〉を再訪したバロットは、ハンターとオクトーバー一族の意外な過去に辿り着く。〈クインテット〉の結成以前に、彼に何があったのか? 引き続き捜索と調査を行う一方でバロットは、ストリートでの過酷な経験を経て、エンハンサーとなった少女アビーを家族に迎える準備を進めていた。かつての自分のように、信頼できる相手を求める少女を救うために。


新写真論: スマホと顔

もしかしたら写真は人間を必要としなくなるのではないか

写真は激変のまっただ中にある。
「写真」という用語をあらためなければいけないとすら思っている。
これはスマートフォンとSNSによってもたらされた。
その象徴が自撮りだ。−−「はじめに」より

スマートフォンは写真を変えた。
だれもがカメラを持ち歩き、写真家は要らなくなった。
すべての写真がクラウドにアップされ、写真屋も要らなくなった。
写真の増殖にひとの手は要らなくなり、ひとは顔ばかりをシェアするようになった。

自撮りからドローン、ウェアラブルから顔認証、ラスベガスのテロから香港のデモまで、写真を変えるあらゆる話題を横断し、工場写真の第一人者がたどり着いた圧倒的にスリリングな人間=顔=写真論!


新対話篇

ソクラテスの対話をやりなおす――
哲学と芸術の根本に立ち返った本格対談集

東浩紀が2012年以降に行なった対談・鼎談から、哲学と芸術をテーマとするものを厳選し集成。
文化が政治に従属し、人間がデータに還元される時代に、「対話」というもっとも古く原始的な方法で人文知の再起動に挑む10章。
飴屋法水・柳美里との語り下ろしを加えた決定版。


女帝 小池百合子

コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。
女性初の都知事であり、次の総理候補との呼び声も高い。
しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろうか。

「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代、キャスターから政治の道へーー
常に「風」を巻き起こしながら、権力の頂点を目指す彼女。
今まで明かされることのなかったその数奇な半生を、三年半の歳月を費やした綿密な取材のもと描き切る。


ビルディングタイプ学 入門: 新しい空間と社会のデザインがわかる

歴史、変遷を含めたビルディングタイプのタイポロジー。

社会デザイン的な観点を含む、現代性を持ち込み、今までの計画学通りでは問題があることを示唆。
ビルディングタイプを住宅、オフィス、学校、図書館、美術館、公園・広場など各項目にカテゴライズし、前史/第一世代(産業革命以降、戦前、戦後等)第二世代(普及、進化期等)第三世代(情報化、社会変化に伴う変化等)第四世代(現在、これから)にて構成。


リノベーションからみる西洋建築史

リノベーションからみる西洋建築史
歴史の継承と創造性

ヨーロッパの建築や都市では、使われなくなった建造物の部材を別の建築に使い回したり、建造物そのものを異なる用途で再利用するのが当たり前であった。リノベーションの重層が西洋建築の歴史であり、様式の変遷史は本質ではない。

本書では、古代ローマの建造物に対する多様なリノベーションを皮切りに、その創造性を探りながら西洋建築史を再考し、さまざまな時代と地域におけるリノベーション事例を紹介する。
さらに、保全・保存という問題提起がなされた近代を経た現代のリノベーション事例を、過去と現在の関係を問う視点で整理している。


三体Ⅱ 黒暗森林(上)

人類に絶望した天体物理学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)が宇宙に向けて発信したメッセージは、三つの太陽を持つ異星文明・三体世界に届いた。新天地を求める三体文明は、千隻を超える侵略艦隊を組織し、地球へと送り出す。太陽系到達は四百数十年後。人類よりはるかに進んだ技術力を持つ三体艦隊との対決という未曾有の危機に直面した人類は、国連惑星防衛理事会(PDC)を設立し、防衛計画の柱となる宇宙軍を創設する。だが、人類のあらゆる活動は三体文明から送り込まれた極微スーパーコンピュータ・智子(ソフォン)に監視されていた! このままでは三体艦隊との“終末決戦”に敗北することは必定。絶望的な状況を打開するため、前代未聞の「面壁計画(ウォールフェイサー・プロジェクト)」が発動。人類の命運は、四人の面壁者に託される。そして、葉文潔から“宇宙社会学の公理”を託された羅輯(ルオ・ジー)の決断とは?


三体II 黒暗森林 下

三体世界の巨大艦隊は、刻一刻と太陽系に迫りつつあった。地球文明をはるかに超える技術力を持つ侵略者に対抗する最後の希望は、四人の面壁者(ウォールフェイサー)。人類を救うための秘策は、智子(ソフォン)にも覗き見ることができない、彼らの頭の中だけにある。面壁者の中でただひとり無名の男、羅輯(ルオ・ジー)が考え出した起死回生の“呪文"とは&? lt; br&/gt; 二百年後、人工冬眠から蘇生した羅輯は、かつて自分の警護を担当していた史強(シー・チアン)と再会し、激変した未来社会に驚嘆する。二千隻余から成る太陽系艦隊に、いよいよ出撃の時が近づいていた。一方、かつて宇宙軍創設に関わった章北海(ジャン・ベイハイ)も、同じく人工冬眠から目醒め、ある決意を胸に、最新鋭の宇宙戦艦に乗り組むが……。


すべて名もなき未来

令和。二〇一〇年代の終わり、二〇二〇年代の始まり。インターネット・ミームに覆われ、フィリップ・K・ディックが描いた悪夢にも似た、出来の悪いフィクションのように戯画化された現実を生きるわたしたち。だが、本を読むこと、物語を生きることは、未来を創ることと今も同義である。未来は無数にあり、認識可能な選択肢はつねに複数存在する。だからこそ、わたしたちは書物を読み、物語を生き、未来を創造せねばならない。ディストピア/ポストアポカリプス世代の先鋭的SF作家・批評家が、無数の失われた未来の可能性を探索する評論集。社会もまた夢を見る。


みんなの建築コンペ論

なぜ建築を競わせるのか?
みんなを束ね、社会を高める
建築コンペのを価値を問いなおす。

建築コンペは、公共的価値を高める装置として、広く行政に取り入れられ、建築的にも社会手的にも価値のある建築物を、各所にもたらしてきた。

しかしながら、新国立競技場問題は、それが現代社会において本当に価値をもたらすものなのか、という問いを突きつけた。むしろ、そこであらわになったのは、建築界と社会との絶望的なまでのコミュニケーション不全であった。

本書は、新国立競技場問題を見つめてきた、建築家と建築史家が、その失敗を検証し、建築コンペの歴史・現状を詳らかにしながら、現代社会にマッチする建築コンペのモデルを提案する。


日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

「2010年代、世界で最もSFを愛した作家」と称された伴名練が、全身全霊で贈る傑作アンソロジー。日常的に血まみれになってしまう奇妙な家族のドタバタを描いた津原泰水の表題作、中島らもの怪物的なロックノベル「DECO-CHIN」、幻の第一世代SF作家・光波耀子の「黄金珊瑚」など、幻想・怪奇テーマの隠れた名作11本を精選。全作解題のほか、日本SF短篇史60年を現代の読者へと再接続する渾身の編者解説1万字超を併録。


アフターソーシャルメディア 多すぎる情報といかに付き合うか

ソーシャルメディア利用者の実態を徹底調査
見えてきた“近未来の情報接触スタイル”

「ネットやSNSなどを広告媒体として活用してきたが、どうも手応えがない」。このように悩むのはあなただけではありません。マーケティング担当者だけでなく、ネット企業もメディア企業も、実はよくわかっていないのです。

ネットにスマホ、SNSが普及したことで、人々が接する情報量は膨大になりました。ひと言で表現すれば「情報過多社会」です。人類史上初めてのことであり、今を生きる我々は適応過渡期のまっただ中にいます。

本書は、NHK放送文化研究所、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所、法政大学大学院 メディア環境設計研究所のメンバーが、それぞれの調査データを持ち寄って、ソーシャルメディアが広く普及した後(=アフターソーシャルメディア)の人々の「情報接触スタイル」を分析し、新たなメディアスタイルを見いだそうとしてまとめたものです。

調査データから浮かび上がるのは、「ビジネスパーソンと大学生で違う」といった様々な「ズレ」です。こうしたズレが「なぜ起きるのか」をひも解くことで、近未来の情報接触スタイルが見えてきます。筆者らは「自分たちはわかっていない」を前提に、大学生や働く女性の日常を丁寧に考察し、デザイン思考で様々な実験を実施して、アフターソーシャルメディアの情報接触スタイルを探っていきます。

研究者が書いたものとはいえ難解は表現はなく、メディアに関わる人だけでなく、ソーシャルメディアを利用する一般の人にとっても、多くの「気付き」が得られます。未来の情報接触スタイルを見つけ出す道しるべとなる本です。

それほど新しい情報はなかったが,現在を表す情報過多時代に私たちはどう生きているか,どう生きていくかが分かる


デジタルゲーム研究入門:レポート作成から論文執筆まで

最先端のテクノロジーと文化が反映されるデジタルゲーム。現在、世界規模のeスポーツからスマホで気軽にできるものまで様々な形態がある。このデジタルゲームについて現在、大学等で研究する機運が高まっている。本書は、初学者が手軽に読める入門書として、研究の歴史や重要文献、調査の仕方や論文の書き方などを丁寧に解説していく。


ヒトの目、驚異の進化

私たちの目は、人の心を読み、物体の向こう側を透視し、未来を予見し、死者の思考を観ている――
各界絶賛! 人類史を覆す、視覚科学の冒険。

ヒトの目が持つ4つの超人的能力を検証し、人々の想像をかき立てる、精緻かつ大胆な仮説を提唱。
かつてない興奮と発見を多分野へもたらした革命的一冊が、待望の文庫化!


海の上の建築革命 ――近代の相克が生んだ超技師(スーパーエンジニア)の未来都市〈軍艦島〉

あの時代に、誰がこんな建築を?
巨匠コルビュジエの提唱を10年も遡る大正初期に誕生した海の上のモダニズム建築の謎に迫る、もう一つの日本近代建築史。
日本最古の鉄筋コンクリートマンション「30号棟」を擁する世界遺産〈軍艦島〉はなぜ生まれたのか?
近代三菱の鉱業・造船・土木・建築をリードしたエンジニアたちが、台風・疫病・労働問題といった課題に直面しながら、洋上の孤島を埋め尽くす高層建築群を生み出していくまでの知られざる歴史を描く。

色々、点(?)的な話が面白かった。松田軍平の父親が有名な坑山師だったとか、軍艦島の大元(?)である高島炭坑に関わった竹内家は吉田茂や池田武邦に連なる家系だったとか


プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション

スーパーシティよりも、まずプロトタイプシティ!

「まず、手を動かす」が時代を制した。
産業の中心は「非連続的価値創造」にシフトした――。
現代は「プロトタイプ」、頭でっかちに計画を立てるよりも、手を動かして試作品を作る。
まずは手を動かす人や企業が勝利する時代となった。
そして、先進国か新興国かを問わず、プロトタイプ駆動によるイノベーションを次々と生み出す場、「プロトタイプ・シティ」が誕生し、力を持つことになった。

その代表例が、近年、急速に一般からも注目を集めた中国の都市・深センである。
テンセントが「未来都市」を建設する計画を明らかにしたが、その場こそ、深センだ。
ではなぜ、深センは世界の耳目を集め続けるプロトタイプシティに変われたのか?
また、コロナを経て、シリコンバレー、深センの次にくるメガシティ、準メガシティは一体どこか? その条件は?
そして、日本からプロトタイプシティは生まれるのか?
我々一人ひとりは、プロトタイプシティ時代にどう対応すればいいのか?
深センイノベーションを知り尽くした識者・経営者が集結し、徹底開示する!


コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か

コロナ禍があぶり出した日本の抱える政治、法律、社会システム等の課題を解き明かす。急拡大する伝染が不安を招き、不安もまたメディアやSNSを通じて伝染した。ポスト・コロナに向け、不安に感染されない社会をつくるための考察の書。


アメリカン・ブッダ

もしも荒廃した近未来アメリカに、 仏陀を信仰するインディアンが現れたら――未曾有の災害と暴動により大混乱に陥り、国民の多くが現実世界を見放したアメリカ大陸で、仏教を信じ続けたインディアンの青年が救済を語る書下ろし表題作のほか、VR世界で一生を過ごす少数民族を描く星雲賞受賞作「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」、『ヒト夜の永い夢』前日譚にして南方熊楠の英国留学物語の「一八九七年:龍動幕の内」など、民俗学とSFを鮮やかに交えた6篇を収録する、柴田勝家初の短篇集。


しかめっ面にさせるゲームは成功する 悔しさをモチベーションに変えるゲームデザイン

マサチューセッツ工科大学の出版局発、アート、演劇、映画、文学からの視点も取り入れた最先端のゲーム研究が、コンパクト&軽くて持ちやすい一冊にまとまりました。

なぜ人はミスをするとわかっていながらも、ゲームをプレイするのか? ミスの事例、失敗心理の研究をヒントにして、ゲームデザインを成功させましょう。

例えば‥

A君「手応えのあるいいゲームだった。これはおもしろい! 」
B君「あっさり終わっちゃった。なんだよこれ! 」

二人は全く同じゲームをプレイしていました。
しかし、ある点において差があったため、終わったあとの評価が全く違うものとなってしまいました。
その差を生み出したのは、一体なんだったのでしょうか?


都市で進化する生物たち: ❝ダーウィン❞が街にやってくる

進化はいま、都市で起きている!生物学の新常識がここにある。

進化とは、「手つかずの自然で、何千年もかけて起こるもの」、ではなかった!
人間が自分たちのためにつくったはずの都市が、今では生物たちにとって〈進化の最前線〉になっている。
都市には生物にとって多様な環境を提供できる余地があり、しかも地球上の多くの場所が都市化されており、 都市こそが生物の進化を促す場所になっているのだ。

飛ばないタンポポの種、化学物質だらけの水で元気に泳ぐ魚、足が長くなったトカゲ……
私たちの身近でひそかに起こっている様々な進化の実態に迫り、生物たちにとっての都市のあり方を問い直す。


スポメニック 旧ユーゴスラヴィアの巨大建造物

歴史が生んだ、ディストピア世界
旧ユーゴ圏に作られた、歴史を物語る記念碑のすべて

セルビア・クロアチア語やスロヴェニア語で「記念碑」という意味を持つ“スポメニック"。
旧ユーゴ圏に点在し、近未来的な雰囲気を醸し出す建築物81点を、歴史、建築デザイン、立地に関する情報とともに紹介。


Another 2001 Another

始まってしまった。
そんなはずは、なかった……のに、どうして。

今年の〈もう一人〉は、誰――?

多くの犠牲者が出た1998年度の〈災厄〉から3年。
春から夜見北中三年三組の一員となる生徒たちの中には、3年前の夏、見崎鳴と出会った少年・想の姿があった。
〈死者〉がクラスにまぎれこむ〈現象〉に備えて、今年は特別な〈対策〉を講じる想たちだったが、ある出来事をきっかけに歯車が狂いはじめ、ついに惨劇の幕が開く! 
相次ぐ理不尽な“死”の恐怖、そして深まりゆく謎。
〈夜見山現象〉史上最凶の〈災厄〉に、想と鳴はどう立ち向かうのか――!?


都市公園のトリセツ: 使いこなすための法律の読み方

公園管理者・民間事業者 必携!
都市公園とは? 公園施設とは? 公民連携制度Park-PFIとは?
様々な疑問をQ&Aの対話形式で解きほぐします。
都市公園を公共空間として使いこなすための法令等の知識や運用方法をQ&Aの対話形式で解説。役立つ法令解釈や考え方を明快に伝える。


ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

やりがいを感じないまま働く。ムダで無意味な仕事が増えていく。人の役に立つ仕事だけど給料が低い――それはすべてブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)のせいだった! 職場にひそむ精神的暴力や封建制・労働信仰を分析し、ブルシット・ジョブ蔓延のメカニズムを解明。仕事の「価値」を再考し、週一五時間労働の道筋をつける。『負債論』の著者による解放の書。


MEZZANINE VOLUME 4 SPRING 2020 都市の新関係論 クリエイティブネイバーフッドという代替案

本号特集テーマは「都市の新関係論」。
現在巷を賑わせている「スマートシティ」や「スタートアップ・エコシステム拠点都市構想」、「クリエイティブシティ」といった都市政策。MEZZANINEはかねてより、これらの都市政策に閉塞感を覚えていた。
ところが、編集を進めていくうち、これらの3つの異なる都市政策は、ゴールが一つに重なり合い、一つの環世界として像を結べるのでは、という境地に至った。その場合、シティ=都市のサイズでは知の連携進化を果たす街の実現は難しく、1シティより二回り程小さい、ネイバーフッドレベルで捉えるのが適当であること、2街の触媒機能を加速させるためには、都市計画法上の特別区域計画の網を張るのに取って代わる、テクノロジーの力が奏功しそうだということ、3そこで鍵を握るのは、人と人との新しい関わり方にある、との気づきを得た。
そこで本号では、前者を「クリエイティブネイバーフッド」、次のアーバンテック・サービスを「NaaS」、双方に通底するコモンセンスを「新しい関係性」と称して、その可能性を探ってみることにした。


天安門広場 ――中国国民広場の空間史

世界最大の広場は、1949年まで「無名の空間」だった。なぜここが中国史の主要な舞台となりえたのか。
新進気鋭の建築史家が、中国都市史の巨大な空白に挑む。
貴重な図版を多数収録した、日本初の本格的研究。


「ユーザーフレンドリー」全史 世界と人間を変えてきた「使いやすいモノ」の法則

自動車のハンドル、ディズニーランド、アーロンチェア、iPhoneとアップル、ワンクリック購入、「いいね! 」ボタン、そして自動運転車…
そのデザインはなぜ大ヒットし、人の意識をどうつくり変えたのか?
つい手に取ったり、思わずクリックしてしまうモノや仕組みの「使いやすさ」の正体は何なのか?

私たちの生活と思考を一変させてきた優れたデザインに共通する概念「ユーザーフレンドリー」。
21世紀の世界と私たちの認知をかたちづくり、ときに大きく左右するその光と影、そして未来への展望を豊富な事例と綿密な取材で紐解く、デザイン文化史の決定版。


React開発 現場の教科書

Atomic DesignによるモダンUIコンポーネント開発

JavaScriptライブラリReact + Atomic Designの導入によるコンポーネントの設計から実装まで。
現場で使える、実務に役立つ知識とノウハウを習得したいエンジニアのための、React実践書です。
Reactはフロントエンド開発に革新的な影響を与えました。従来のJavaScriptライブラリと比較して、構築へのアプローチが変わり、今後のUI開発に対する大きなヒントとなり得ます。本書はその「今後のUI開発」の視点から、Reactを解説していきます。


スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則 上

ヒトとほぼ同じ要素でできているのに、なぜネズミは3年しか生きられないのか。企業は死を免れることができないのに、なぜ都市は成長を続けることができるのか。TEDに登壇した経験をもつ気鋭の理論物理学者が、複雑さと多様性に満ちた生命、都市、経済を貫く普遍的法則を解き明かす。


スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則 下

都市のサイズが2倍になると、賃金、資産、イノベーションが一人あたり15パーセント増えるが、犯罪、公害、疾患の総数も同程度増えるという。都市は疫病の温床となる側面もあるが、エネルギーと情報を交換し合う私たちの相互的な活動により、それだけ革新的なアイデアや富が生まれる可能性も高くなる。「スケーリング則」で未来の都市生活を展望するとともに、限界点を次の成長を迎えるためのシンギュラリティへと転換せよ!


評伝フィリップ・ジョンソン 20世紀建築の黒幕

今日の建築の姿を決定づけた知られざる黒幕の生涯を描き出す傑作評伝

MoMAの初代キュレーターに就任、世界的な潮流となった建築展を仕掛けた男。
アメリカのヒトラーにならんとした男。
現代美術と建築の世界で知性とカネの力をふるった男。
建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞をはじめて受賞した男。
ミースへの憧れとコンプレックスに引き裂かれていた男。
ドナルド・トランプと協働しアメリカの都市風景を変えた男。

いまだ見学者の途絶えないモダニズム建築のアイコン〈ガラスの家〉の設計者であるフィリップ・ジョンソン。
数えきれない称賛の一方で、非難も多い。
いわく、建築をデザインの遊びに貶めた、権力に心酔するファシスト、気まぐれな金持ち仲間のお遊び……。 アメリカで最も憎まれ、最も愛された男の規格外で行方しらずの情熱を描く一冊!


建設DX デジタルがもたらす建設産業のニューノーマル

眠れる巨大産業が覚醒する!!

「アナログ産業」の代表格とみなされてきた建設産業は、いかにDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むべきか。2018年10月発行の前作「建設テック革命 アナログな建設産業が最新テクノロジーで生まれ変わる」で深掘りした土木分野のその後と、建築・都市分野の動向を、専門記者が豊富な事例を基に描く


人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル

首都圏ビッグデータ保安システム特別法が施行され、凶悪犯罪は激減――にもかかわらず、親の借金で臓器を売られる瀬戸際だった人工知能技術者の三ノ瀬。彼は人工知能の心を読み、認識を欺く技術――Adversarial Example――をフリーランス犯罪者の五嶋に見込まれ、自動運転現金輸送車の強奪に参加するが……。人生逆転&一攫千金、ギークなふたりのサイバー・ギャングSF


デザインリサーチの教科書

デザインリサーチなしには、もう何も作れない──。
日本で初めて、デザインリサーチの実践者がその全貌と詳細を書き下ろした一冊。

不確実性の高まる社会において、正しい問いを立て、正しいプロダクトを作り続けるためには、人々の気持ちになってプロダクトを作るのではなく、人々をプロダクト開発プロセスに巻き込み、人々の生活を理解し、人々と共にプロダクトを作る必要があります。そのための方法が「デザインリサーチ」です。

世界中の経営者が殺到するコペンハーゲンのデザインスクール、Copenhagen Institute of Interaction Design(CIID)で実践されている手法をベースに、日本でのプロジェクトをふまえて、より実践しやすく、かつ効果が得られるようにカスタマイズしたプロセスと考え方を、わかりやすく解説します。本書によって、近くスタンダードになるであろう、産業界におけるデザインリサーチの体系化された知見をインストールできます。

1章では、デザインへの注目、またリサーチに基づくデザインへの期待が高まる背景を紐解きます。2章では、デザインリサーチの特徴をマーケティングリサーチと比較しながら挙げ、デザインリサーチが貢献できる理由と範囲を定義します。メインとなる3章では、プロジェクト設計からチームビルディング、リサーチ設計、主となる調査と分析、さらにはアイディエーション、コンセプト作成、ストーリーテリング、プロトタイピングまで、デザインプロセスを俯瞰したうえで必要となる手順を解説します。4章では、デザインリサーチに組織で取り組み運用していくためのポイントを紹介します。

教科書と銘打っていますが、型通りではない現在進行系の分野における生きた教科書という意味であり、読者をこの世界に導くためのテキストブックです。


ヴィンダウス・エンジン

ヴィンダウス症――動かないもの一切が見えなくなる未知の疾患。韓国の青年、キム・テフンはこの難病から苦心の末に寛解状態へと持ち直したことで、中国・成都の四川生化学総合研究所から協力を要請される。それはヴィンダウス症の寛解者と都市機能AIを接続する未曾有の実験だった。様々な思惑が交錯する近未来の中国で、都市と人間をめぐる巨大な計画が動き出していく――第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。


クロノデザイン 空間価値から時間価値へ

20世紀は資本主義の経済倫理を背景に、限りない空間占有を追い求めた世紀であった。21世紀はどのように変質するのだろうか。本書では、空間価値から時間価値にシフトした「クロノデザイン」を掲げ、建築・都市・土木・情報という4領域での議論を通じて、その輪郭を浮き彫りにする。


実況・比較西洋建築史講義

版を重ねた『実況・近代建築史講義』の姉妹篇。本書では古代ギリシアからルネサンスの始まりまでを扱う。聴けば建築史が好きになる早稲田大学の人気講義をまるごと収録。「歴史とは、少なくとも二つ以上の事象の間に発生する想像的な時空のことである」。複数の建築物・事象を比較によって類推し、なぜそのように構築されたのかを、歴史的背景とともに、実況形式でわかりやすく解説。代表的な建築物と当時の時代精神、新たな構法が導入され課題が克服されてゆく変遷の様子が、多数の図版と併せ、歴史の動力と関係づけて理解できる、面白さ抜群の中谷建築史第二弾。付録地図付。


ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる

「数」の論理と資本主義が支配するこの残酷な世界で、人間が自由であることは可能なのか? 「観客」「誤配」という言葉で武装し、大資本の罠、ネット万能主義、敵/味方の分断にあらがう、東浩紀の渾身の思想。難解な哲学を明快に論じ、ネット社会の未来を夢見た時代の寵児は、2010年、新たな知的空間の構築を目指して「ゲンロン」を立ち上げ、戦端を開く。ゲンロンカフェ開業、思想誌『ゲンロン』刊行、動画配信プラットフォーム開設……いっけん華々しい戦績の裏にあったのは、仲間の離反、資金のショート、組織の腐敗、計画の頓挫など、予期せぬ失敗の連続だった。ゲンロン10年をつづるスリル満点の物語。


スマホ脳

スティーブ・ジョブズはわが子にiPadを与えなかった!?
うつ、睡眠障害、学力低下、依存症……最新の研究結果があぶり出す恐るべき真実。
教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラー、日本上陸。


ひび割れた日常——人類学・文学・美学から考える

未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。

「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。
消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。

生命、自然、生と死、共生と敵対。
いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。


香山壽夫の炉辺談話~建築は人の心の共同の喜び


サポートして頂いたものは書籍購入などにあて,学びをアウトプットしていきたいと思います!