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【メモ】「AR/VR/MR最新動向がわかる CES2020報告会」

今週,開催されたCES2020の報告会についてメモまとめましたので,よければどうぞ〜.
※個人的なメモなので,誤解・間違いがあった場合はご指摘ください.


聞いてきたのはこんなイベント

登壇者
西田宗千佳氏(以下,西)
近藤"GOROman"義仁氏(以下,GOROman)
諸星一行氏(以下,ikkou)
モデレーター:久保田瞬氏(以下,久)
敬称略で失礼します...!

ハッシュタグは #txm_event

CESって?
世界最大規模のコンシューマーテクノロジーイベント
参加者数17万人超,出展4,500社以上
https://www.ces.tech/

第1部 プレゼンテーション「CES2020で気になったトレンド」

─PanasonicのVRデバイス

性能
・Kopin社との提携で軽量・小型化
・2048×2048(2045ppi)
・HDR
・視野角77度
・Technicsの音響技術
・PC接続・一体型でもある

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西:一体型でもある.リアルタイムCGで生成するものがあったので,デモではパソコンに繋いでいた.ひとつの実装例にしか過ぎなくて,違うものになる可能性がある.
久:まだ最初のプロトタイプを出した状況で製品化はまだまだ先.5G対応などはこれから考えるのだろう.
西:Kopinは一眼レフミラーレス,エレクトリックビューファインダの技術を持っている会社.VRのディスプレイメーカと違う.VR機器を測る時は画素密度(ppi)で測るのは正しくない.実際にどう見えるか重要で,視覚1度あたりの波数を示すcpdという単位が用いられる.
つくるの大変→3年の開発期間がかかっている.
画質がいい理由→blu-ray,uhv,テレビの高画質化をやっていたチームがつくっている.3Dのテレビもやっていた.→じゃあなんでその人たちがやる?(会場だけにあったのはなぜか?)←つくるのに時間かかったから?
GOROman:コンテンツは実写系.トラッキングの精度はあまりよくなかった.
ikkou:ビジュアルはよかった.バトーを思い出す.VR用HMDが普及していくにあたって見た目が大事だと考えているので,キャッチーな見た目になってるのは面白い.toB,toCなのかはまだ考えていないところなので,製品化の時にはそこがネックになると思う.Technicsのイヤホンを使っているので価格帯はおそらく高い....
久:コンテンツの中で仁和寺のスキャン(DNP)があって,それでHDRだとわかった.
西:撮ったものを圧縮して見せることに蓄積があるのがpanasonic→映像は綺麗
久:プロトタイプなので製品化が難しい.形状が眼鏡型なので,前が重くなって落ちてくる.眼鏡は入らない.
西:これからの時代に眼鏡屋さんに行って自分用のをカスタマイズして買うくらいのことも起きるかもしれない.
久:nrealなどカスタマイズ型のデバイスも増えてきている


─たくさんあったAR・MRグラス

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ikkou:2019年は本当にAR・MRグラスが多かった.ポストNrealLlight的なデバイスの形やプロモーションのやり方が似ているものが多かった.日本に入ってくるのか,デモ以上のものができるのか疑問が多かった.
久:実は2018年の方がたくさん出ていて,人の集まりもよかった.今年は去年の続きになっていた.革新的なものが出てきたわけではなかった.中国のRealMaxというのがデモのやり方が特徴的で混んでいたが,ほかはあまりだった.HololensやMagicLeapに追いつくようなものはなかった.AR・MRグラスが変える将来まで提示しているものはなかった.
スマートグラスは,Vuzixが新モデルを出していて,買い替えのタイミングに合わせている.業務用に使うと注文ロットが大きくなると聞いて普及を感じた.
スマートグラスには一定の需要があると感じた.boshが発表したのは網膜投影できるようになるパーツを発表していた(これはスマートグラス)
西:既視感があった.同じことが3回くらいCESで起きている(電子書籍端末・MP3プレイヤー).
だいたいその機器がどういう風につくれるかわかってくると,類似のものが増えてくる.その次にソフトウェアを本気で作れないとビジネスにならない.プラットフォームがないところばかりだった.panasonicも含めてそういう姿勢が多かった.
そういう意味合いにおいてトップのマイクロソフト,MagiLleap,Nrealの3つに追いついていない.AR・MRグラスは新しいところが入る余地はないと思う.
スマートグラスで言うと音系が先に来ると思う.Boseやamazon.メガネの蔓に入れる.短期的にはそういうものが増える可能性はある.
GOROman:韓国のCure glass.現実をフィルタリングする.書き換えたり,減算するというアイデアは面白かった.確かにエコシステムをつくらない限り,生き残れない感じはした.


─NEON

・「人工人間」をつくりだすプロジェクト
・サムスンのR&Dのスピンアウト
・人目を引くブース設計
・プレゼンを繰り返していた

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西:広告手法としてはおかしい.
ただ,これからbotが重要になる時代はくると思う.そこに対して,人がモデルになっていいのかという問題があって,コンピュータージェネレイテッドな人間を使うのは当たりだと思う.しかし,それを飛び越して完璧なものを見せるのはご法度.モデルや顔生成くらいなら…
人工人間というのは機械が判断するとまで言ってしまっている.そんなことができないのはわかりきっている.何ができてできないかを明確にしないで宣伝するのは信用できない.
ブースとしてかなり大きくて,今年のCESはブースが空いていたから,そこにねじ込んだのだろう.
ikkou:CESは本来最初は大きなブースを出せない.なのに出せたのはサムスンパワーだと思う.
GOROman:将来的には企業のHPがなくなってホームアバター化していくのはあると思う.企業のイメージキャラクターというのがあるので写実的なアバターがいるのかわからない.将来的には人間と人間のインターフェースとしてアバターが存在すると思う.コンピューターがより人間に優しくなる.
ikkou:見せ方自体は結果的にそうなっただけなのかはわからなかったが,よくなかったと思う.個人的には将来性を感じていたい分野.将来的には近いことができるようになると思う.
久:代表者のプレゼンでスタートアップだからまだまだとずっと言ってた.
西:サムスンはR&Dとして出資する仕組みを持っている.大きな案件として出てきたのがこの企業.その中でも独立性が高いものだった.


第2部 それぞれ気になったもの

■西田宗千佳氏

─傾向その1 商品からコンセプトへ(ただし大企業に限る)

もはや新製品は並んでいない!
家電見本市ではなくなっている(だから,コンシューマーテクノロジーイベント).その企業のビジョンを見せる場所になっている.テクノロジービジョン市になっている.

トヨタの発表が一番面白かった.「街」を発表した.2000人くらいのトヨタ関係者が住む街.

地下に燃料電池を発電所をつくったりしている.
完全自動運転車を走らせても実際の街中ではビジネスモデルにならない.地方自治体に完璧な形で理解してもらうのは不可能だと考えた.そこで,自分たちの敷地の中につくってしまった.実際には自動車とサービスを売ろうとしている.

Sonyは「自動車」を発表売りたいのは自動車のためのセンサー.自動車メーカーは理解してくれない.なので,自分たちで理想の車をつくって,それをたたき台にしてビジネスをしたいと考えた.

トヨタとSonyの共通点は

・すでに向かう方向ははっきりしているので,パートナーが必要というか必須
・パートナーはそれぞれの視点で市場を見ており,必ずしも目線や発想の速度は合っていない
・だから「自分が売りたいものの下のレイヤー」を,理想的な形で作ることによって議論を促進

すでに大企業は世の中をリードするためにCESを使っている.

─傾向その2 画像センサを内向きに使う

Boshの「バーチャルバイザー」

ドライバーの顔を認識し,目の部分だけ透過液晶を黒くして最小限のサンバイザーをつくる.
車の中から「ドライバー」と「乗客」の姿をセンサーで把握する
ドライバーの様子をチェックして安全性を高める.2025年にはヨーロッパで一般的になる?「ドリンクからの水漏れ」まで認識する?
人の動きを認識して,車の中を快適に使おうとする.つまり,家の中や街角にも応用できる?

ソニーの自動車でも「ドライバーを検知」,自動的にそのセッティングをしてくれる.
ドラレコに音楽を自動的につけてライブラリ化して,エンタメにしてしまう機能もつけている.

SamsungのSelfie Type

スマホのインカメラを使って手を認識してキーボードのタイプとするもの.今使われているセンサーを内向きのものとして使う.人によって学習が必要,机の上を叩かなきゃいけないなど欠点はある.

─傾向その3 AIってどういう意味?

NEONは「言葉の意味はわからんがすごい自信だ」と感じた→AIが「よくわからない」ものであることを生かした典型例

だから,もうちょっとちゃんとしよう
AI+IoTが目立ってきている
CESはInternet of ThingsからIntelligent of thingsへ
今回聞いてよかったキーワードは「Anywhere is Home」.家の中にある機器やサービスをどこでも使える.どこでも家の中にいる感覚.
トヨタは「人工知能」ではなく「(人間の)拡張知能」をAIと定義したのがよかった.
こう考えるとわかりやすい「価値」としてxRでも使いやすくなる.


■GOROman氏

様子は #CES2020 #CESレポ にあげてます

家電の見本市ではなく,車・ドローン・ロボット・ウェアラブルとなんでもありだった
Flying Cars.uberも空飛ぶ車のこと出してた
サムスンのキーノート.GEMS.ARでエクササイズ.目の前にアシスタントが現れてモチベーションコントロールしてくれる.任天堂のリングフィット
The Power of AR(なぜかGear VRが!)


SONY
Eye sensing light field display

人の目をトラッキングして,立体視を実現できる.
360 reality audio

スマホで自分の耳を撮る→耳の形状からキャリブレーションする.

Neon
デモがうまくいってなかった

TOYOTA
Woven→織る.自動織機,なるほど!
360度のイメージビデオが流れていた.

VR/AR/MR
ANTVR
Cure Glass

VRの展示もコモディティ化.展示ブースに普通に置かれていた.新VRデバイスはなかった.

Insta360 OneR+Aerial Editions
ドローンをステッチングできる.

Drone Watch

Looking Glass 8K+Vive Tracker

Panasonic VRHMD(スチームパンク)
IPDが変更可能.
ジバンシーの未来のAR・MRのデザインコンセプトに似ている

スマートポテト!


■久保田瞬氏

Pico Neo2はクエスト対抗馬になるか?

6DoFの一体型
解像度は両目で4K
磁気式のハンドトラッキング
アイトラッキング搭載モデルもある(一体型ではじめて)
フォービエイデッド・レンダリング
PCVRの無線プレイも
法人向けには良い?

産業狙いの高性能VR
Pimax Vision 8K X

Vrgineers XTAL 8K(チェコの会社)


2019,2020に資金調達したスタートアップ.
Hapticsの触覚グローブ(1,200万ドル)
触覚の繊細な表現ができる.

CDR(ライトフィールドディスプレイ)

ウェアラブルじゃないディスプレイ

Parallel Reality(デルタ航空)

人によって見え方が変わるディスプレイ.チケットを買った場所を認識してセンサーで変える.航空会社として何ができるかを提示

シャープの大型透明ディスプレイ

今年のCESはスカスカな印象だった.有名企業が他のイベントに流れていっていた

ikkouさんのはサクサク進みすぎて追えませんでした...(でも,下記で見れる!)


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