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社会を映す鏡としてのタイポロジー─『ビルディングタイプ学 入門』

歴史、変遷を含めたビルディングタイプのタイポロジー。

社会デザイン的な観点を含む、現代性を持ち込み、今までの計画学通りでは問題があることを示唆。
ビルディングタイプを住宅、オフィス、学校、図書館、美術館、公園・広場など各項目にカテゴライズし、前史/第一世代(産業革命以降、戦前、戦後等)第二世代(普及、進化期等)第三世代(情報化、社会変化に伴う変化等)第四世代(現在、これから)にて構成。

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本書では,住宅,オフィス,学校,図書館,美術館,公園・広場など6つの「ビルディングタイプ」に焦点を当て,それぞれの歴史を辿りながら,社会の要請によって変化してきたことが解説される.
たとえば,産業革命直後のオフィスは面積効率を追求したが,現代では快適性が求められるようになっている.これは大量生産から創造性へと重要度が変化したことと連動する.また,日本における広場の起源のひとつとして境内などが「稼ぐ場所」として機能していたことを指摘.近年のPark-PFIと言った動きとの関係性にも触れている.
現在のビルディングタイプの多くは近代の工業化社会を前提としたものであり,職住一体や複合施設の増加,テクノロジーが発展していく現代においては再考が求められている.

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