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【もっと挑戦!福井人】vol.1 横井康孝 氏(下)

「もっと挑戦!もっとおもしろく!」。自分らしく活躍する福井人を紹介する連載の第2回目は、前回に引き続きユニフォームネクスト株式会社の横井康孝社長が登場。「不安や心配事って、突き詰めて考えると大したことじゃない」。そう話す横井社長に、福井人の強みと、自分らしく“とんがる”コツを聞きました。(聞き手は福井県未来戦略アドバイザー・瀬戸)

ユニフォームネクスト株式会社 代表取締役社長 横井康孝 氏     1972年福井県生まれ。大学卒業後、総合スーパーの株式会社平和堂に勤務。1997年に、父親が立ち上げて3年目のユニフォームネクスト株式会社に入社。作業着やユニフォームのネット通販事業に取り組み、躍進を遂げる。2007年から現職。2017年には東証マザーズ上場を果たした。

転機となった東証マザーズ上場

―2017年には東証マザーズに上場し、新たな挑戦への一歩を踏み出しました。改めて、その理由を教えてください。

一番大きいのは、自分のモチベーションのためです。会社が成長し始めた頃、「まずは1000万円の利益を上げる」という目標を掲げました。達成したら、次は4000万円、そして1億円と。「1億円の利益を出している会社の社長だったら、周りの人たちに『すごい!』と言ってもらえるんじゃないか」という思いがありました。

しかし、無事に1億円には到達したものの、次に立てた3億円の目標には到達できませんでした。そのときに気づいたことが2つあります。1つは、自分が本当にやりたいことではなかったということ。そして、本気で「達成したい」と思っていないと、人は頑張れないということです。

ただ、私が「この辺でいいかな」と思っても、社員は良くないんです。この会社が成長すると思って、入ってきてくれたのですから。ここで止まってはダメだと思い直し、会社の価値を上げて採用力を高めるためにも上場を目指すと決めました。

―いざ上場となると、さまざまな困難もおありだったのでは。

会社が自分たちの想像を超えて成長していく中で、採用が追い付かない、物流倉庫のキャパを増やさないといけない、システムの変更をしないといけないなど、さまざまなことが起きました。そのたびに、社内はパニック状態になりました。

1カ月ほどクレームの電話が鳴り続ける状況にスタッフを巻き込んでしまったこともありました。お父さんから「お前の会社は大丈夫なのか」と言われた社員もいたと聞いています。

不幸中の幸いだったのは、チームワークがすごくよかったことです。事態がだんだん収束していくなかで、さらに一体感が出て、最後には「皆で乗り越えた」という自信がつきました。「ああいうのは2度と嫌だな」と思いますが、上場する過程があったおかげで、社員はより強くなりました。

―10年ぶりとなる、福井発の上場。横井さんの背中を見て、「自分たちも頑張ろう」と思っている方もおられるでしょうね。

私は2007年頃からゲンキーの藤永賢一社長の勉強会に参加していましたが、一緒に学んだ人たちは、当社の利益が数千万円くらいの頃から知っているんです。成長の過程をそばで見てきた分、「自分も行けるんじゃないか」という人はたくさんいると思います。

「できそうだな」って思えることが、とても大事なんです。その空気感が今、福井にはあると思っています。これがさらに下の世代にもつながり、いい循環が生まれるといいですね。

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社長だから分かる”福井人の強み”

―ユニフォームネクストの社員は、大半が福井県出身です。日々社員と接する中で、福井人の強みはどこにあると感じていますか。

やっぱり真面目で、ちゃんとした人が多いと思うんですよね。教育水準が高いというのは、すごく強い武器だと思っています。

人は多数派に流れるものですが、福井には、勉強の面でも人間性の面でもプラスに振れている人たちが多い。裏を返せば、マイナスに振れる要素が少ないと思うんです。福井には通勤ラッシュも、渋滞も、人で溢れている場所もありませんから。

当社の強みの一つに、お客様への丁寧な電話対応があります。この業務を、「本当にいいことだ」と思ってやってくれるスタッフがたくさんいます。福井では、そういうスタッフを探すのに苦労しないんですよ。

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自分らしく”とんがる”ためには

―福井県の長期ビジョンでは、「とんがろう、ふくい」をキーワードに掲げています。自分らしく”とんがる”ためには、何が必要だと思いますか。

経営を通じて学んだのですが、「何でもやれます」ではなく「これなら誰にも負けません」というほうが、人から求められます。私にとって、「とんがらせる」イコール「集中する」ということ。福井県の長期ビジョンも、「福井県といえばこれ」というものに集中することがすごく大事だと、これまでの経験を通じて思います。

―つい、「あれもやりたい、これも大事」と思ってしまいがちですが、集中すべきことを見極めるコツはありますか。

最初はいろいろなことをやればいいと思います。その中で、「これ」というものを見つけたら、その他は辞めることが大切です。そうしないと、本当は突き抜けられるはずなのに、全部中途半端になってしまう。だから、アドバイスは「絞ればいいよ、絞ると絶対うまくいく」ということに尽きます。

―一方で、「自分らしく活躍したいけど、周りの目が気になる」との声も聞かれます。 

不安とか心配事って、突き詰めていくと、実はそんなに大したことがなくて。たとえば、「なぜ不安なの?」と聞くと「○○さんから『何でそんなことしているの?』と言われちゃうから」と返ってくる。「そう言われて、何が困るんだっけ?」と聞くと、「ちょっと仲が悪くなるから」と言う。「仲が悪くなるとまずいの?」と聞くと、「いや、あまり会わなければいいかな」となる。

つまり、「何が心配なのか」を明確にしていかないから不安なだけなんですよ。周りの目が気になるというのも一緒です。明確にするには「なぜなのか」をじっくり考える必要があるけれど、面倒くさがってしまう。それで一歩を踏み出せないのだとしたら、もったいないですよね。

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横井社長が描く「20年後の未来地図」

―福井県では、県民参加型で「2040年のふくい」をつくっていこうと取り組んでいます。2040年、横井さんご自身はどうありたいですか。また、福井県やユニフォームネクストは、どうあってほしいと思いますか。

20年後なんて、はっきり言ってまったく想像がつきません。これだけスピーディーに物事が変わっていく時代ですから。個人的には、健康に楽しく生きていられたら幸せですね。

福井や当社については、心の部分をすごく重視したいです。福井や会社が好きだから、ここにいる。嫌なところは自分たちで直していこう、自分たちの住みよいところにしようという思いがある。そんな人たちで溢れているのが理想です。そういう未来をつくるために、今から何をしようかと考えているところです。

(おわり)

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