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オチ&ネタバレあり 『マーシャル 法廷を変えた男』(2017)人種差別と闘った実在の黒人弁護士

マーシャル 法廷を変えた男(2017年製作の映画)

国王とオラフのタッグ

国王とオラフのタッグが気持ちいい映画ですね。

この2人でこのシリーズを続けて欲しかったけど
ラストの感じを観ると続編作る気も無さそうだし
ヒットもしてないし。。

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マーシャルは全米黒人地位向上協会の中での唯一の弁護士。

1941年。


警察による黒人への暴力的(的じゃなくて暴力そのもの)な取り調べによって、嘘の自白を言わせて、自白のみで有罪にしようとする裁判などを
マーシャルは担当。

のちに
史上初めて合衆国最高裁判所の判事に任命される。

実話を基にした映画です。

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「おれたちの先祖は奴隷だった。

今おれたちが奴隷じゃないのは先祖が自由を勝ち取ったからだ」

自由のために闘わねばならんのよね。

お上に迷惑かけないようにおとなしくなんてしなくていいし
おとなしくしてろなんていう金持ちのいうことなんて無視していいね。


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テレビドラマ感が強いですね。
なんか軽いし、浅い。

ミステリーを解決するある一言も浅い。。


マーシャルのちょっと勝気で傲慢なキャラは面白いので
いっそテレビシリーズにした方が良かったかな。


ネタバレは以下に。







エリー夫人は旦那からDVを受けている。
しかも旦那は出張が多く、家を開けがち。
エリー夫人は「なんなの私の人生」と思っている。

元水泳選手で活発な生き方をしていたのに、家に閉じ込められてイマイチな感じ。

ある夜。
いつものように旦那は出張で不在。

ジョゼフはお金を借りようとしてエリー夫人の部屋を訪れる。
運転手のジョゼフはハンサムな黒人男性。

1人でちょっと酒飲んでたエリーはジョゼフを誘う。

「いけません、奥様、そんな…」的な一連のやり取りをしたのち、コンドームをつけて合体。

2人に賢者タイムが訪れて、庭の犬が吠える。

「旦那が帰ってくる!」とパニックになるエリー。
旦那は帰ってきたりしない。

黒人の子供を妊娠した可能性があることに恐れたエリー。

1940年のアメリカ。
当時、白人女性が黒人と不倫なんてしたらフルボッコ。
DV夫に何されるかわからないと思ったエリーは、ジャゼフにレイプされた、と嘘の証言を。

(この辺りのことは1950年代を描いた『エデンより彼方に』をどうぞ)

黒人差別がひどい警察、法曹ではこんな嘘がまかり通ってしまう。

***

ジョゼフもまた当初「性交渉自体なかった」と嘘の証言をしていた。
これがネック。

当時、黒人が自分の主人の妻と性交渉したとなれば、リンチに遭い、首を木につられて殺される。
言えば殺されるのだから、言えない。

***

結局、エリーの主張に疑惑が多すぎるってことで、特段の決定打があったわけでもなく、ジェゼフは無罪。
陪審員全員が無罪評決。

「疑わしきは罰せず」という原則が黒人にも使われたということで、むしろ素晴らしい着地。
(映画として、あぁそうか、、ってな感じであんまテンション上がらないんですが。。ごめんなさい。。)

***

弁護士マーシャルは次の案件へ。
さらに黒人差別の色濃いケンタッキー州へ。

ちなみに
地元の弁護士サムはユダヤ人。
1940年のユダヤ人。
ヨーロッパではナチスによってユダヤ人が強制収容所に送られている時期。
彼の親戚も死の列車に乗せられた、との連絡が途中で入る。

マーシャルもサムも人種差別の被害者。

敵の弁護士(ダン・スティーヴンス)がサムに言う。
「あんたもあの黒人弁護士(マーシャル)と同じだな!」

サムは答える。
「一番の褒め言葉だ」

泣ける。

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