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能登半島豪雨水害から学ぶべきこと

近年の気候変動と大雨のゲリラ豪雨化により、短時間での被害発生に、気象情報と災害警報、避難指示の発表が住民の対応行動に間に合わなくなっている状況を改善せねばならない。特に夜間、深夜、明け方のゲリラ豪雨には、就寝中の住民には全く対応できず、事前避難のタイミングを逸することになる。気象情報の情報収集、分析、判断といった「災害インテリジェンス」と、災害警報、避難指示を早く発表して住民を事前避難させる「災害リスクコミュニケーション」のスピードアップと強化が必要である。
能登半島地震の被災者の住民にとってはダブルの被害である。今回も被災地では停電や通信途絶が発生し、被害情報の把握が困難になった。水害被災地に対してプッシュ型の被害情報把握の災害インテリジェンスを最大限に展開が必要であり、被害情報の把握も災害インテリジェンスである。さらに消防、自衛隊の災害派遣による大規模な救助活動展開が必要であり、これを私は「災害ロジスティクス」と呼んでいる。
これらの災害インテリジェンス、災害ロジスティクス、災害リスクコミュニケーションは、私の考える「危機管理学の4機能モデル」のうちの3つにあたるが、災害対策研究、防災研究において特にこの「危機管理学の4機能モデル」の志向が弱いために、災害に対するインテリジェンス活動、ロジスティクス活動の弱さを日本の災害対策の現場にもたらしているという弊害を改善しなくてはならない。
(※この記事は朝日新聞デジタルにコメントプラスした記事を転載したものです。)

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