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現代の高レートセット事情 とある現場から

今回は匿名条件の方に寄稿していただいた文章になります。新しいタイプの高レートセット客の様子について。

以下が寄稿していただいた文章です↓
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個室セット雀荘3つの客層

私はとある大都市圏で「個室の貸卓専門雀荘」の店長をやっています。オーナーは別にいますが、基本的に運営のすべてを任されています。

個室というのがポイントで、貸卓料金は普通のお店の2~3倍します。となるち客層としては「富裕層による超高レートの宴」「著名人によるお忍びの集い」「ヤンチャな人によるそこそこのレートの賭博」などを想像する方もいると思います。

しかし実際は、7割は「若者による低レートorノーレートのレジャー」なのです。予想外だと思いませんか? 一般のセット雀荘の2~3倍の料金を払ってノーレートが多いんですよ。

予想していた「富裕層による高レートの宴」は2割、そして「著名人によるお忍びの集い」は1割でした。

ごくまれに訪れる、威嚇してくるような半グレ風味のお客さんは私が出禁にしてきたこともありますが、そもそも貸卓料金が高いお店だと、中途半端なレートで賭博をしている人が使いづらいようです。これは私としても、大きな発見でした。

①高レート(千点1,000円以上):動くお金が数十万円なので、ゲーム代が数万円になってもプライバシー代としては妥当。

②そこそこの賭博(千点2~300円、場合によっては500円):動くお金が数万円なので、ゲーム代が数万円だと「ゲーム代に負けた/勝ち分を食われた」状況になりがちで不満が出やすい。

③低レートorノーレート(千点0~50円、場合によっては100円):そもそもお金があまり動かないので、麻雀の勝ち負けとは別に1人ゲーム代数千円~1万円程度を払って快適な空間を買っているレジャー感覚になる。

こんな感じでしょうか。

というわけで、じつは「個室の貸卓専門雀荘」のお客様は、売上としては①が多くなる時期もありますが、通年で見ればとくに組数としては③が主力の部分があるのです。

とくに若い人は、ソシャゲなどをはじめ、ちょっとした快適さに課金することに抵抗が少なく、個室で専門の機器を使うために1人あたり数千円程度を払うのは当然だと考えてくれる比率が高いのではないでしょうか。

ちなみに、③には著名人や競技麻雀プロも含まれます。ひと昔前の競技麻雀プロは②(場合によっては①)で稼ぐ人も多かったのですが、今では調整や勉強や交流のためにセット麻雀をする人が多く、ゲーム代程度の余禄を乗せることはあっても、高い博打をする人はほとんどいません。本当のトップ層の多くが「脱・ギャンブル」のMリーグを志向していることもあるのでしょう。

また、たまたま私のお店にいらっしゃる著名人も、ギャンブル志向より競技志向、あるいはレクリエーション志向の方が多いので、お金は持っていても貸卓料金以下のレートしか乗せない方ばかり。これも今の時代なのでしょう。

それを踏まえると、貸卓料金が高い方が厳密に言っても賭博罪にもならない(ゲーム代や食事代の割り勘の比率を賭けているだけ=「一時の娯楽に供するもの」と解釈できる)という意味でも、クリーンなのかもしれません。

高レートセットの客層は

そんなお客様たちのなかで、今回は個室で高レートのセット麻雀を打つ層について書いてみます。

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