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東京2020オリンピックに見るキヤノン世界シェアNo.1の理由

流行り病の影響により1年遅れで開催された「東京2020オリンピック」。
8月8日(日)に無事閉会式を迎え、17日間の熱い戦いは幕を閉じました。
「東京2020パラリンピック」も8月23日(金)~9月5日(日)の間、熱い戦いのうちに無事閉会しました。
開催前はかなり反対の声が強かったですが、我が国で開催されるオリンピック・パラリンピックは「やっててよかった!」の一言に尽きます。

でも今回は選手の活躍についてあれこれ言うのではなく、「カメラ業界としてどうだったのか」を述べます。
もちろん私は大舞台のカメラマンではありませんが、各サイトを拝見した上で私なりに述べていきたいと思います。

本内容はあくまで私なりの意見ですので、参考程度にお読みいただければ幸いです。

キヤノンは18年連続、世界シェアNo.1

キヤノンのレンズ交換式デジタルカメラの名称は「EOS」。Electoro Optical Systemの略で、1987年に初投入されました(初号機はEOS 650)。
EOS登場前は、「FDマウント」と呼ばれるレンズ交換式のシステムでした。
それが、20~30年先を見据えて刷新され、「EFマウント」へ(EF=Electro Focus)。
それから16年、キヤノンがレンズ交換式デジタルカメラで世界シェアNo.1を達成したのは、2003年のことでした。
これまでのラインアップはプロやハイアマチュア(撮影レベルの高いアマチュアカメラマン)向け中心でしたが、エントリークラス(初心者向け)として「EOS Kiss Digital」が登場し、幅広く受け入れられたことが要因とされています。
現在はミラーレスカメラ(正式にはノンレフレックスカメラ)にも広がり、多彩なレンズのラインアップなどもあって初心者から一流のプロカメラマンまで幅広く支持されています。

他メーカーにないレンズの存在

カメラ用レンズには「ズームレンズ」「単焦点レンズ」「フィッシュアイレンズ」と色んな種類がありますが、
キヤノンの場合は「アオリレンズ」と呼ばれる特殊なレンズもラインアップされています。

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キヤノンの「あおりレンズ」、正確には「チルト/シフトレンズ」のことで、「TS-Eレンズ」として発売されています。
通常のレンズにはない「傾き」や「遠近感」を制御できるのが特徴ですが、特殊が故に扱いが難しいといわれています。
(チャンスがあれば、レンタルかモニターで試してみたい…)

一般向けサポート体制の強化

キヤノンでは2019年から「あんしんメンテ」というサービスをスタートさせました。
これは修理とは別に、簡単な点検からオーバーホールに至るまで、機器の状況によって必要なサービスを受けられる制度です。

メーカースタッフだからこその、きめ細やかな対応。
もちろん修理も、工場で丁寧に対応されてます(実際、レンズを修理に出したことがあります)。
ちなみに横浜で開催された「CP+ 2019」では、「あんしんメンテ」の無料体験ができました。

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CP+2019での体験は10分間でしたが、体験当時は「フォーカシングスクリーンのほこり」があったので取り除いていただきました。
その他、カメラ・レンズの掃除など対応が丁寧です。

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常に安心して使うために、メーカーによる定期点検・清掃をお勧めします。
【ご注意】メーカー修理受付が終了している機種は、オーバーホール及び一部点検ができません。

東京2020オリンピックでの手厚いプレスサポート

キヤノンは、東京2020オリンピック公式パートナーとして名を連ねています。
単なるスポンサーではなく、プロカメラマン向け会員サービスであるCPS(Canon Professional Service)会員をはじめ、全世界で活動しているプロスポーツカメラマン(報道を含む)への手厚いサポート体制を整えています。

キヤノンはこれを「ゼロ・ダウンタイム」と掲げ、通常使用だけでなく不慮の事故(転倒・転落など)により不具合が発生しても、カメラマンの業務を止めないよう24時間サポートしていました。
サポート内容として24時間以内での修理完了点検代替機の貸し出しなどです。一般向けの「あんしんメンテ」をプロフォトグラファー向けに手厚くしたサービス、といったところでしょうか。

また、代替機には一眼レフのEOS-1D X Mark III、ミラーレス一眼のEOS R5EOS R6をはじめ、各種レンズやスピードライト(フラッシュ)なども取り揃えていました。
更に…

現在開発中の新型ミラーレス一眼「EOS R3」テスト機も用意されていたようです。(Damir Sencar氏のInstagramより)

オリンピック期間中はテレビ中継や各報道サイトで確認しましたが、やはりキヤノンユーザーが多い印象でした。
その根拠は各カメラマンさんによるブログ・YouTubeによる紹介の他、キヤノングローバルのニュースリリースでも発表されました。

本格的なミラーレス時代に向けて

長らく支持を続けているEFマウントですが、2018年にフルサイズミラーレス「EOS R」を初投入。レンズ交換式も「RFマウント」に大きく変わりました。
それ以降、一眼レフ(EFマウント)は少なくなり、RFマウントへの移行が迫られている感じがします。
趣味でお使いの方は構いませんが、仕事で使っている方にとっては、RFマウントへの移行はそう簡単にできるものではありません。
何せ、移行のためのコスト面だけでなく、操作性などが大きく変わるからです。

私はお客様から直接依頼を受けて撮影する他、同時に学校関係の撮影も行っています。
学校関係では私の周りでキヤノンが多いですし、オリンピック以外に他の分野でも同じ勢力ではないでしょうか。
その点では、EFマウントを使っている私としても、修理受付終了まで手厚くサポートを継続していただきたいです。

フルサイズミラーレスはソニーに後れを取り、勢力図は塗り替わるか?と一部メディアが報じていますが、それはないと思います。
RFマウントも考えて作られており、性能もサポート体制も改善を続けているので、シェアはあまり変わらないのではないでしょうか?
3年後のパリオリンピックでは、果たしてミラーレスの割合はどうなるのでしょうか?
今後のキヤノンの動向を注視したいと思います。

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(左) EOS RP、(右) EOS R
CP+ 2019 キヤノンブースにて

お読みいただき、ありがとうございました。

私自身の作品づくりはもちろん、カメラや写真の明るい未来を信じて活動します。 いただいたサポートは、喜んで有効に使わせていただきます。