皮膚筋炎/多発性筋炎(指定難病50)

多発性筋炎・皮膚筋炎は筋肉の炎症により筋肉に力が入りにくくなったり、疲れやすくなったり、痛んだりする病気。また、手指の関節背側の表面ががさがさとして盛り上がった紅斑(ゴットロン丘疹)、肘関節や膝関節外側のがさがさした紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な皮膚症状がある場合は、皮膚筋炎と呼ばれる。なお、ゴットロンは医学者の名前、ヘリオトロープは紫色の花を付ける可憐な植物の名前だが、日本人のヘリオトロープ疹が紫色になることは殆どない。この病気は膠原病と呼ばれる病気に含まれる。膠原病には多発性筋炎・皮膚筋炎以外に、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、結節性多発動脈炎などの血管炎やリウマチ熱が含まれる。そもそも心臓病とか肝臓病とかいう言葉と違い、膠原病というのはわかりにくい言葉である。昔、肉眼や顕微鏡による内臓組織の観察を行う病理学が進歩しつつあった時代、色々な病気の症状が特定の内臓の障害によってもたらされることがわかってきた時があった。しかし、膠原病に属する病気は色々な内臓に障害があり、不調の原因となっている臓器を特定することができなかった。しかし、クレンペラーと呼ばれる病理学者は顕微鏡観察の結果、皮膚を含む様々な場所のコラーゲン線維に異常があることを見出した。そこで、これらの病気は、コラーゲン(膠原)の異常だろうと判断されて膠原病と総称されるようになった。現在では自分の臓器に免疫反応が起きていることが原因とわかっている。多発性筋炎・皮膚筋炎は、膠原病のなかで、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスに次ぐ患者数と考えられている。2009年度の厚生労働省特定疾患治療研究事業における臨床調査個人票を解析したところ、受給者総数は17,000名と推定された。すなわちこれが我が国の患者数となる。1991年の全国疫学調査では年間推計受療患者数は約6,000名とされていたが急速に増えている。この数年でも毎年1000から2000人の方が新規に発症しており、今では20000人以上の患者がいると推定される。多発性筋炎・皮膚筋炎も他の膠原病と同様に女性の患者が多いことがわかっている。我が国の統計では男女比は1:3。発症年齢は15歳以下が3%、60歳以上25%で中年発症が最も多いようである。一般には小児期(5~14歳)も小さなピークがあり2峰性分布を示すと言われるが、近年の小児医療助成制度の普及に伴い、特定疾患治療研究事業の医療費公費負担に申請する小児が減っているためか、臨床個人調査票による統計では小児のピークは明らかではなかった。しかし、小児期では皮膚筋炎が多発性筋炎よりも多く症状も特徴的であることが多く、小児の多発性筋炎・皮膚筋炎は成人とは少し違った病因を伴って発症しているものと思われる。なお、地理的分布では差が見られないが、発症はある時期に固まることが多いことは多発性筋炎・皮膚筋炎患者を多く診療している医師が感じているところの様である。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之

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