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第38回Book Fair読書会~つむじまがりな金曜日~

今回の読書会は初の金曜夜。題して『Friday Night Book Fair』でした!(←自分しか言ってない)

普段(日曜)は来られない方ともお会いできればいいな…と思っていましたが、3名の初参加があり、とても嬉しかったですね。

それでは、本と帯の紹介をどうぞ!!(カッコ内の数字or漢字は参加してくださった回数)

ぜっちさん(2)→町田そのこ『星を掬う』中央公論新社

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【町田そのこは成長してる】

◆本の紹介、帯の解説
➀主人公は20代後半の女性。ラジオへの投稿をきっかけに、生き別れた母と再会する。しかし、母には「同居人」の女性たちがいて…
「自分の人生には自分で責任を持つべき」とのメッセージ性がある。特に中盤の台詞は心にガツンときた。
③個人的には、2021年の本屋大賞を獲った『52ヘルツのクジラたち』以上に読みやすく、面白い。筆者の成長を感じた。

◆雑談、こぼれ話
・〈「おめでとうございます。芳野さんの思い出を5万円で買い取ります」〉という書き出しが秀逸。書き出しと聞いて、主催2人が連想したのは伊坂幸太郎『重力ピエロ』。
・本を選ぶ基準について。内容だけでなく、モノとしての感触、長く付き合えるかのフィーリングも重要!?

雨空さん(初)→石川宗生『ホテル・アルカディア』集英社

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【ある女性をキッカケに紡がれ続ける千夜一夜物語】

◆本の紹介、帯の解説
➀「アルカディア」支配人の娘が、ある日から声を失い、ひきこもってしまった。宿泊客である7人の芸術家たちは、娘がこもる部屋の前で、それぞれ作った物語を話し始める。
ジャンルとしては「枠物語」。7章に分かれた”作中作”も、1人の作家が書いている。どれをとってもめちゃくちゃ上手い!
③短編が紡がれるにつれ、『ホテル・アルカディア』というひとつの物語も形作られていく。不思議な体験ができる小説。

◆雑談、こぼれ話
・雨空さんのおすすめ短編は『ゾンビのすすめ』と『代理戦争』。前者では、ゾンビになれるパウダーが大流行する。後者は、人の体に小さい動物が住みつき、やがては人類が文明まで築いてしまう…お話。
・古今東西の様々な作品の要素が、随所に散りばめられ魅力的。

やすあきさん(初)→砥上裕將『線は、僕を描く』

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【芸術と青春!! 師匠、ライバル、先輩、つながりの先に】

◆本の紹介、帯の解説
テーマは「水墨画」!全くの初心者だった主人公が、超有名な先生・湖山に声をかけられ、水墨画の世界へ。
②ライバルは師匠の孫娘・千瑛。切磋琢磨するうち、恋愛に発展する予感がしたり、しなかったり…?
③家庭環境が複雑で、人とのつながりを避けていた主人公が、芸術を通して成長していく話でもある。

◆雑談、こぼれ話
・墨で描く様子をイメージさせる文章がすごい。水墨画を題材にしたエンタメ作品ってなかなかないし、業界にとっては期待の星かも。
・師匠はどうやって生計を立ててるの?どんな人が作品を買うの?
・湖山先生を見るために多くの人々が押し寄せる、学園祭のシーンに注目!

ふっかー復活委員長(38)→窪美澄『やめるときも、すこやかなるときも』集英社文庫

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【まず痛みがある 次に言葉を得る そして、誰かを呼ぶ】

◆本の紹介、帯の解説
➀家具職人の壱晴と、会社員の桜子。心に傷を抱えた、不器用な男女が出会う恋愛小説。
②壱晴は、毎年十二月の数日間、声が出なくなる症状を抱える。そんな彼に師匠がかける「声が出なくなるのは、誰かに強制的に支えてもらうためかもしれない」という言葉が印象的。弱さも、その人を助けうる。
③人と付き合うことは、傷を伴う。しかし、元々の痛みを持っているからこそ、人は他者を求めるのだと思わされた。

◆雑談、こぼれ話
・窪さんと、前出の町田そのこさんには「女による女のためのR‐18文学賞」出身という共通点が。
・「好きな本」と「自身の恋バナ」をセットで披露する読書会なんて、結構ありなのでは…という話題も!

はらさん(初)→小倉明彦『つむじまがりの神経科学講義』

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【容赦ないのに、なぜかめっちゃおもしろい!】

◆本の紹介、帯の解説
➀神経科学のエンタメ化に挑戦!専門用語は分からないけど、クスッと笑える要素が満載の一冊。
注釈にまで溢れるユーモア。資料作りや後輩への説明など「伝える」仕事に活かしてみたい。
③教科書的に「定説」を学ぶだけでなく、分野を突き詰めた著者による「自説」にロマンを感じながら、楽しく読める。

◆雑談、こぼれ話
・著者曰く、「へそまがり」でなく「つむじまがり」であることが重要らしい。同じひねくれ者でも、権威に疎まれる場合があるか否か…の違い?
・表紙はかわいいですが、内容はしっかりとした解説書です。

こーせーさん(31)→上岡正明『高速仕事術 自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド』

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【パッパと終わらせて、自由な時間を手にしたい!】

◆本の紹介、帯の解説
➀残業の「決断疲れ」を引きずり、サイゼリヤや書店でも優柔不断に…。自由な時間を確保したい!と手に取った。
パッと決めるための「直感」は訓練で磨ける。普段の生活から直感を意識すると、思考がシンプルになって、アウトプットが速くなる。
「何歳からでも脳は成長する」「できることから何でもやってみよう」と、勇気をもらえた。

◆雑談、こぼれ話
・こーせーさんの哲学:わからないことは、その場で一番偉い人に訊いてみる(ボコボコになるなら早い方がいい?)。
・みんなで残業トーーク!

参加してくださった皆さん、楽しい時間をありがとうございました!


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