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日本のビジョンをデザインする

武蔵野美術大学の市ヶ谷キャンパスにて、ソーシャルクリエイティブ研究所の発足記念イベントのひとつである『日本のビジョンをデザインする』のワークショップが行われました。

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講師は世界で活躍するデザイナーの左右田智美さんと本研究所の山﨑和彦先生とのコラボレーションです。

●ビジョンデザインとは

はじめに山﨑先生から「未来のためのビジョン」についてお話がありました。
「あったらいいな、面白そうだな」という妄想からものづくりが始まると語られました。先生は幼い頃から妄想をするのが好きで、それが今の活動にも生かされているそうです。

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左右田さんは「身体性から考える未来のビジョンデザイン」というテーマで講義をされました。クリエイティブには身体性が重要な役割をもち、自分が実際に感じたことの方が他人からの共感を得られるという話に私も共感しました。

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●ワークショップ開始!

ビジョンをデザインするということで、日本の未来のストーリーを考える
『日本未来ばなし』がテーマです。最終的なアウトプットは全チーム共通で人形劇を作り上げます。

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山﨑先生が今回のワークショップは今まででいちばん準備に時間がかかったと
言っていてシートやツールが非常に豪華です。
ストーリーづくりの基本である起承転結に沿ってワークショップも進んでいきます。自分がワークショップの中でどの段階にいて何を考えれば良いか分かるので良い仕組みですね。

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これは自分山というものです。思い入れのある場所を山に見立てて日本地図の上に置いていくためのツールです。
ストーリーを考える街をチームごとに決めていきます。

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何に使うんだろう?と終始ワクワクしながらワークショップが進んでいきます。
この巻物も中身がどうなっているのかワクワクします。

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今回印象的だったのは、それぞれのフェーズでアイデアや自分の思いを書き出すという作業が繰り返しあったことです。
アイデアを出す作業は慣れていないと難しいと思っていましたが、参加者のみなさんはずっとペンを動かしていて凄かったです。

下の写真は、のフェーズで街の良い点・悪い点や起きたニュースや問題をどんどん出している様子です。

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下は、のフェーズです。現代社会に存在するIot・人権・バイオテクノロジー
水・食料・LGBTなどのテーマと街の問題を照らし合わせながら、
6テーマ×3分間の計18分の間ひたすらアイデア出しが行われました。

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起・承・転とワークショップを進めていき、では転で出したアイデアをさらにクリエイティブジャンプさせ10年後に地域がこうなっていたら素晴らしい!というストーリーを完成させます。

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ストーリーを完成させるのに使われるのが先程の巻物です!

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なが〜〜〜い!

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この長い巻物の良いところはチームみんなで書き込めて、やることがない人がいなくなるところですね!

いよいよ人形劇づくりへ移っていきます。

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作業の時間は2時間弱なのですが、すでにチーム内でアイデアに対する共有がされているので作業が早いです!どんどん出来上がっていきます!

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ワークショップの発表は「日本のビジョンをデザインする」の講義イベントにて行われました。

●作品発表

●お遍路Industry
高松を舞台に空き家の問題を解決するための空き家を使ったシェアハウスの提案をしたチーム。自分の好きなタイミングで住む土地を変え仕事をするやり方を回遊型ライフスタイルと名付け、瀬戸内の島々を舞台に定住者と回遊型の人が交わるようになる仕組みを人形劇で発表してくれました。

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●変わらないために変わっていく
富山を舞台に、その土地の人があたたかい・海産物が美味しいなどの元からある良いところが変わらないために変わっていこうよという、今あるものを活かした提案を行ってくれました。若者の県外流出の問題解決や、空き家と県外移住者のマッチングサービスの提案をしてくれました。

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この他にも、沖縄を舞台に緩やかな沖縄時間をひとつのカルチャーにしようというチームや、京都を舞台にパーソナルモビリティによって観光客のマナー違反やゴミの問題を解決しようというチーム、波崎を舞台に風のIot技術を利用して風を中心に人々の生活が変わっていく様子を見せてくれたチーム、黒石を舞台に過疎をアピールすることで地域の特性の価値を高めていこうという提案を行ってくれたチームがありました。
講義では井口博美先生から『ソーシャルクリエイティブとは』、左右田智美さんに『体験のデザインとしてのワークショップ』、経済産業省でデザイン政策を推進する菊池拓哉さんに『未来のためのクリエイティブ(仮)』、長谷川敦士先生と山﨑和彦先生に『日本のソーシャルクリエイティブ』について話題提供がありました。

●ワークショップという体験

今回のワークショップは、発足イベントということもあり非常に力が入ったワークショップでした。ワークショップというアイデアを考えるための場をデザインすることで、ワークショップ自体がひとつの体験として成立するんだなと今回感じました。左右田先生は「楽しいワークショップは、参加者のアイデアの質を高めることに繋がる」と言っていて、今回のワークショップはまさにその通りだったのではないかと思います。



●講師 左右田智美さんのnoteです。
https://note.mu/tomomisayuda