大企業人材が地域で輝く!セカンドキャリア支援フォーラム(第1部)
人生100年時代と言われる現代、セカンドキャリアへの関心が高まっています。
特に、豊富な経験とスキルを持つ大企業人材が、地域の中小企業で活躍するケースが増加しています。
金融庁は、この流れをさらに促進するため、「セカンドキャリア支援フォーラム」を開催しました。今回は、フォーラムの第一部「大企業人材が地域企業に転じる意義」の内容をレポートします。
地方移住への関心の高まりと地域金融機関の役割
近年、ワークライフバランスの充実や地域貢献への意欲から、地方移住を希望する人が増えています。
NPO法人ふるさと回帰支援センターの稲垣氏によると、2022年の移住相談件数は年間5万2000件を超え、過去最高を記録したそうです。
地方移住を成功させるためには、仕事探しだけでなく、地域コミュニティへの積極的な参加が重要となります。
しかし、地方には大企業のような求人情報が少なく、希望する仕事を見つけることが難しいという現状があります。
そこで、地域金融機関には、地域企業の経営状況や人材ニーズを把握した上で、求職者とのマッチングを支援する役割が期待されています。
大企業人材が地方企業で活躍するポイント
株式会社YMキャリアの松浦氏は、大企業から地方企業に転職し、活躍している人の事例を紹介しました。
転職の動機は、現場に近い仕事や経営に近いポジションで働きたいというものでした。
中小企業で活躍するポイントとしては、適応力とコミュニケーション能力が重要であると指摘しています。
大企業と中小企業では、組織体制や企業文化が異なるため、柔軟に適応する必要があります。
また、経営者や従業員と積極的にコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが、円滑な仕事推進に繋がります。
転職前に地域や企業の情報収集をしっかり行い、不安要素を解消しておくことも大切です。
地方移住と人生設計
地方移住は、人生100年時代における新たな人生設計の選択肢として注目されています。
合同会社フィンウェル研究所の野尻氏によると、地方移住によって生活費を削減できるため、生活水準を落とさずに老後の生活設計を立てることが可能となります。
一般社団法人キャリアコンサルティング振興協会の須田氏は、地方移住を「人生の三毛作」と表現し、大企業で培った経験を活かし、地域で新たな挑戦をすることで、より豊かな人生を送ることができると述べています。
地方移住を検討する際には、家族との合意形成が不可欠です。
ライフプラン、キャリアプラン、マネープランを家族で話し合い、全員が納得した上で移住することが、成功の鍵となります。
地域貢献と新しい潮流
大企業人材が地域企業に転職することは、地域経済の活性化に大きく貢献します。
松浦氏は、大企業人材が持つ経験やスキルは、地方企業にとって貴重な財産であり、地域経済の成長に直結すると指摘しています。
野尻氏は、60代の大企業人材が地方移住することで、退職金や相続財産が地域に還流し、地域の消費を活性化させる効果があると述べています。
これは、高齢化が進む地方にとって、大きな経済効果をもたらす可能性があります。
まとめ:セカンドキャリアで地域を活性化
「セカンドキャリア支援フォーラム」の第一部では、大企業人材が地域企業に転職することの意義や、地域金融機関の役割、そして地方移住と人生設計について、活発な議論が交わされました。
大企業人材が地域で活躍するためには、地域社会への理解、適応力、コミュニケーション能力などが重要となります。
また、地域金融機関は、人材マッチングを通じて、大企業人材と地域企業の橋渡し役を担っています。
地方移住は、生活費の削減、自然豊かな環境、地域への貢献など、多くのメリットがあります。
人生100年時代において、セカンドキャリアとして地方で新たな挑戦をすることは、自分らしい生き方を実現するだけでなく、地域社会の活性化にも繋がる、大きな可能性を秘めています。