サマンサ業績不振の原因は何？
こちらのnoteではファッション業界の最新ニュースを１週間に５本程度解説し、その先に起こり得る事や豆知識を盛り込んでご提供いたします。
先週のピックアップニュースは下記の通りです。
・サマンサ業績不振の原因は何？
・アーバンリサーチのメディアサイト「アーバンチューブ」の目的が謎すぎる
・ゾゾタウンに対抗しようとするチャレンジャー企業の正しい戦略
・情報量の担保にブランディング！ラグジュアリーECのリアル店舗出店の狙い
・ブランドのカテゴリーキラー戦略の切り口はアイテムや着用シーンから人間のカラダへ
サマンサ業績不振の原因は何？
２０１８年２月期は主要ブランドのサマンサタバサのリブランディングを進めた。だが、生産や納品の遅れに加えて店舗再編などの影響で、売上高（連結）は３２１億５８３０万円（前期比９．３％減）に沈んだ。 利益面は、人件費などを抑制したが、リブランディングに伴う先行投資や事業再編による特別損失３２億５７４７万円を計上し、最終損益（親会社株主に帰属する当期純利益）は３６億６９３９万円の赤字となった。
○業績が安定しないサマンサタバサ
サマンサタバサが赤字転落という事でニュースになっておりますが、個人的な感想を言わせてもらえば「この会社、好調と不振を行ったり来たりしてるな…。」という印象です。それもそのはず、
業績も上記のように2015年をピークに右肩下り。まさにV字ダウンです。原因を見ていますとピーク時より店舗数は増えているのに粗利は大きく変わらず、販管費が増大して経営を圧迫しています。不採算店舗を１割削減するという方針も出てきており、販管費の圧縮が当面の対策になりそうです。
2018年度の売上総利益211億1800万円で販管費227億7200万円。に対して、2014年度の売上総利益203億1000万円で販管費184億8500万円。
2014年当時と売上そんなに変わらないのに販管費が４３億円も差があり店舗数が５０店舗近く違う。店舗多くても売上伸びないんですからこの決断は致し方ありません。不振の原因は何なのかとnews picksのコメント欄を見ていましたら、
流石の一言。瞬時に納得してしまいました。サマンサタバサと言えば海外モデルを起用したプロモーションが中心ですが。
しかしマスにリーチするはずの有名人がここ最近、CV（コンバージョン）がよろしくなく費用対効果が悪いという印象があります。ソーシャル上では誰もが発信側に回れる為、インフルエンサーが独自のコミュニティを形成しており情報源が細分化されています。その結果、マスに対して情報をリーチさせ商品を購入（CV）させる事が過去よりハードルが上がっています。かと言ってインフルエンサーを起用したら売れるのか？と「人による」としか言いようがなく、インフルエンサー個人のエンゲージメントやブランドとの親和性も密接に関わってきます。
話が逸れましたが、そういった状況から、サマンサタバサの海外セレブを起用したプロモーションのCVが低下し、売上が取りにくくなったのではないか？という見解ですね。
よく不振が報じられるアパレル部門のバーンデストローズですが、
2014年度 6746百万円 123店舗
2015年度 8349百万円 121店舗
2016年度 8303百万円 95店舗
2017年度 6595百万円 65店舗
2018年度 6459百万円 70店舗
と、全体の売上・営業利益の減少と共にこちらも下降線なので（利益率は出ていませんが）良くない状況でしょう。店舗はピーク時より50店舗ほど既に削減していますので最悪の状況は脱しているのかもしれませんが。
○ブランド力低下を象徴する「リセールバリュー」
サンプル数がほとんど無いので何とも言えませんが、ハヤカワ五味さんが言われるように上記が真実であるならブランドとして早急な対策は必要です。C to Cサービスの充実からリユース市場は拡大しており、ユーザーは購入後、再販するケースが増えています。ですから、購買行動にリセールバリューがより影響するようになっているのです。決算資料でも「リブランディング」という文字がよく出てきますが、やはりここが一番の課題になるようです。
【オフィス訪問レポ】VOL.12：鮨カウンターやバーも！サマンサタバサ本社に行ってみた
そんな中、上記のような記事が流れてしまっていますが…。福利厚生が充実しているのは素晴らしいですが、株主からコスト削減しろと言われかねない記事ですね。このタイミングで発表するファッションスナップさん。。GWに突入したから大丈夫という判断なのでしょうか（笑）
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