見出し画像

絵本「さいごの一葉」の紹介と評価

評価

娘:☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

本絵本は、金の星社の絵本の定期購読サービス「ブッククラブ」の「いもとようこ世界の名作絵本2」の10月にあげられていました。ちょうど定期購入サービスにおける絵本の配本時期だったため、読んでみることにしました。

ママの感想

「最後の一葉」については、私自身、たしか高校生のころに「オー・ヘンリー短編集」的なもので読んだことがありました。そのため、本絵本の概要についてはうっすらと記憶にありました。しかしながら、わかっていつつも、本絵本の最後の場面では思わず泣いてしまいました。「最後の一葉」については、高校生のころにも「良いお話だな」と思った記憶がありますが、大人になって改めて読んでも、とても良いお話でした。

画家を目指して一緒に勉強をしていたスーとジョアンナでしたが、ある年の秋、ジョアンナが肺炎にかかってしまいました。ジョアンナを診察した医師は、ジョアンナが助かる見込みは「十に一つ」だと言います。そして、ジョアンナ自身も生きる気力を失ってしまい、スーが食事を勧めても断ってしまう状況でした。そんなジョアンナは、自分を窓の外に見えるツタの葉になぞらえ、「ツタの葉が全部散るときに自分も死ぬのだ」と考えていました。スーはジョアンナのことについて、下の階に住む老画家のベアモンさんに相談をしました。しかし、ベアモンさんは「馬鹿馬鹿しい」と言って取り合ってくれませんでした。窓の外では雪交じりの雨が降っています…

本絵本の内容は、年中さんの娘には難しい内容だったと思います。そのため、本絵本を1回目に読んだ日の寝る前、「パパに絵本の内容を説明する」という方法で娘と一緒に『さいごの一葉』の内容の確認をしました。その結果、娘は泣いてしまったので… お話の内容は、ある程度、理解できたのだと思います。ただ、「何も寝る前に話すことはなかったかな…」と私は反省をしました。

しかしながら、本絵本の話を娘が「パパ」にしたついでに、私は夫と本絵本の内容について「はなし」をすることができました。「傑作を描いたベアモンさんが亡くなってしまったことは悲しむべきことなのか」などなど、夫と「はなし」をすることは娘と「はなし」をすることとは異なる意味でとても楽しく、興味深かったです。

上述のとおり、本絵本については1回目に読んだあとに娘とストーリーの概要を確認したため、2回目は娘に本絵本を味わってもらうことを主な目的として読みました。「最後の一葉」は今の娘にとっては、「このようなお話があること」を知ってもらえれば十分なくらい難しいお話だと思っています。そのため、娘が大きくなったらもう一度、自分で「最後の一葉」を読でもらいたいと思うとともに、そのときには、どのような感想を持ったのか聞いてみたいと(今から)思っています。

本絵本は、考えるべきことがたくさんあるとても良いお話だったと思います。しかしながら、幼稚園児の娘にはまだ難しい内容だったようです。

ことば:アトリエ

本絵本の主人公のスーとジョアンナは、画家を目指して勉強をしていました。二人は、「一緒にアトリエを構えていた」そうです。上記説明が書かれていた部分で、娘に「アトリエ」の意味を確認してみることにしました。

「娘ちゃん、『アトリエ』って何かわかる?」
「ここ?」

そう言って、娘は絵本に描かれたスーとジョアンナが絵を描いている場面を指さしました。娘は文章の意味から妥当な推論をしてくれました。

「そうだね。『ここ』は『アトリエ』だね。『アトリエ』って何をするところかな?」
「絵を描くところ?」
「そうそう。芸術家の人たちが、お仕事をするところ。絵を描いたりするところのことを『アトリエ』と言います」

「アトリエ」という言葉について娘は、「絵本」の特徴も利用してうまく意味の推測をしてくれたと思います。

ことば:筆を握る、日の目を見る

重い肺炎にかかったジョアンナは、自分を窓の外に見えるツタの葉になぞらえ、「ツタの葉が全部散るときに自分も死ぬのだ」とすっかり生きる気力を失ってしまっていました。そんなジョアンナについて、スーは下の階に住むベアモンさんに相談をすることにしました。ベアモンさんは、「下の階に住んでいる年寄りの絵描きで、もう長いこと、筆を握ってきましたが、日の目をみることは」なかったそうです。当該部分を読んだ際、娘に「筆を握ってきたけれど日の目を見ることがなかった」という部分の意味を確認してみることにしました。

「この部分はどういう意味かわかるかな?『筆を握る』ってどういうことかな?」
「絵を描く?」
「そうそう。『日の目を見る』っていうのは、みんなに認められるっていう意味ね。だから、ベアモンさんは、『ずっと長いこと絵を描いてきたけれど、誰にも認めてもらえなかった』っていうことだね」

当該部分については、「筆を握る」という部分の意味を文章に即して推測できれば良いと考えたため、後半部分の「日の目を見る」については、私から説明をしました。娘は、きちんとお話の流れから「筆を握る」ことの意味を推測してくれました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?