見出し画像

絵本「おおきくなるっていうことは」の紹介と評価

評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

以前、「おにはうち!」を読んだ際に、同シリーズに本絵本があることを知りました。年少児の娘には、まだ「学年」という概念が十分に育っていません。年度末が近づき、「娘ちゃんも4月から年中さんだね。お姉さんになるんだよ」と話していますが、まだそれほど実感がわかないようです。

一方で、この1年を改めて振り返ってみると、私には、娘が「成長した」と感じていることがたくさんあります。私が気づいた娘の成長については、随時本人に伝えるようにしています。私が「娘ちゃん、こんなことができるようになったね。この1年で大きくなったね」と話すと、娘は少しはにかみながらうれしそうにします。そして、後日、誇らしげに私が言ったことをそのまま話してくれます(笑)

そんな素直な娘ですが、「親の言葉」は「親」であるが故に伝わりにくい部分があるかと思っています。年度末が近づき、「1年のまとめ」として、娘には「お姉さんになること(=学年が上がること)」、「自分が成長していること」を実感してもらいたいと思っていたとき、本絵本のことを思い出しました。親である私の言葉ではない、「絵本という『他者』」の言葉で「成長」を語ってもらうことは、きっと娘に良い影響があるだろうと思いました。そこで、さっそく、図書館でお借りすることにしました。


ママの感想

本絵本は、わかっていたので良いのですが、いわゆる「ストーリー」はなく、「大きくなるっていうことはこういうこと」という場面が列挙され、最後に、園長先生の「おめでとう」という言葉で締めくくられるという内容でした。「おにはうち!」を読んだおかげで、設定がわかっている分、読みやすかったです。

ストーリーのない絵本は、兎角、私は低い評価をつけがちですが、本絵本はとても良かったと思っています。「大きくなる」ということが、個人の身体的な発達、能力・認知的な発達、社会性の観点からの発達という、娘(=幼児)に感じてもらいたい「成長」を過不足のない視点から網羅してくれていたように思います。上から目線での感想を失礼いたしました。

本絵本については、「私(=娘)にも小さくなっちゃったお洋服がある」、「娘ちゃん、この前これ、できてたね」と二人で話しながら、娘の「大きくなったこと」を確認させていただきました。娘は、本絵本を読むことで、「自分が成長したこと」を(今まで以上に)実感することができたようです。また、私にとっては、「そんな成長もあるのか」と気づかせてもらったこともあり、「ママ」として学ばせていただきました。

娘には、「頑張ったこと」、「できるようになったこと」、「成長したこと」、「お姉さんらしくなったこと」などを随時伝えているつもりですが、本絵本のような「他者」の力を借りて、親ではない「第三者」からの視点での「成長」を娘と確認することは、とても有意義なことだったと思っています。来年、同じ時期に本絵本を読んだらまた違う発見がありそうです。本絵本は、幼稚園の卒園まで、毎年読みたい絵本だと思いました。

子どもとはなす:やさしくできるかな?

本絵本であげられている「大きくなること」のひとつに「小さな人にやさしくなれる」ことがありました。この1年、「年少さん」としてお兄さん・お姉さんからたくさんかわいがってもらってきた娘にとって、幼稚園のなかで自分が「お姉さん」になることはビッグイベントのひとつです。冬休みが終わったころから、「どうしたら小さい子にやさしくできる?」など、娘のなかで「お姉さん」になるための準備がはじまっている様子が見られました。

そのような経緯もあり、当該場面で、「娘ちゃんは、4月から入ってくる年少さんたちにやさしくできそう?」と聞いてみました。すると、娘は少し恥ずかしそうに、「小さい子と手をつなぐのはちょっと心配」と答えてくれました。娘の幼稚園では、異学年の子ども同士で手を繋いで園外などに出かけることが多いようです。
「どんなことが心配?」
「転んじゃわないか心配」

今振り返れば… 「小さい子と手を繋いでも、転ばせてしまうかもしれない」と心配している娘に、「どうしたら転ばないで上手につなげるかな?」と考えてもらえばよかったのかもしれませんが、「小さい子のことを思いやることができている」娘が何だか愛おしくなってしまい、「きっと、大丈夫だよ。まずは、小さい子のペースに合わせてあげることが大事じゃない。最近の娘ちゃんは、弟くんとも上手に手を繋いであげられるようになっていると思うな。もしも、小さい子が転んじゃったら、『大丈夫?』って言って、先生に教えてあげたらいいと思うよ」と、つい言をしてしまったママでした… 反省です…

息子が歩けるようになってしばらくは、娘が積極的に息子と手をつなぐことはほとんどありませんでした。しかしながら、昨年の終わりごろ、娘が「お姉さん」を意識しはじめたころから、「ちゃんと、手をつなごう」などと、息子に対する「お世話」として娘から息子の手をつなぐ様子が見られるようになりました。これは、この1年での娘の成長です。そして、この成長の背景には、きっと、幼稚園でお姉さん・お兄さんにしてもらって「うれしい」と思った娘の経験があるのだと思っています。それを、「誰か」に渡そうとしている娘の姿は、親として頼もしい限りです。

「子どもとはなす」が、私の親バカな雑記となってしまい恐縮ですが、娘の成長を振り返る良い機会を与えてもらったとともに、娘の背中を押すことのできた良いやりとりができた…ことにしたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?