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先週のショートショート【01月17日~01月23日】

■2022年01月17日(月)

妻からお題が届く。「両替」。最近、両替がむつかしくなっているというニュースは見聞きしていたので、それが極端になっている近未来を書くことにする。タイトルは「流しの両替商」。ジャンルとしては、エスカレーションものになるのかな。

■2022年01月18日(火)

妻から届いたお題は「心電図」。言葉は変えず、心の模様を電気的に取り出す装置としてみよう。あとは自分の通っている病院を舞台に展開していくだけ。妻からは「なるほど、なのだが、少し弱いかな」という感想が届く。

■2022年01月19日(水)

ショートショートのお題「別館」が来る。いくら考えても飛躍しない。困って、風呂に入る。いよいよ時間がなくなる。本館、新館、別館、いろいろな建物を増改築し、わけがわからなくなった状況を思い浮かべる。ありがちだな。でもまあ、自分の体験談を入れて書いてみる。私小説系となる。朗読ルームが始まってからも細かい直しを入れ続ける。タイトルは最初「別館」だったが、「別館五〇七号室」に変えた。

■2022年01月20日(木)

ショートショートのお題は「予約」。あまり発想が飛ばない。どうも日常系になってしまう。不安なので二本書く。どちらも自分の日常にある風景。ひとつはドラッグストアで、もうひとつはハンバーガー屋。妻から「薬屋の話が面白かった」と返信が来たので、ドラッグストアのほうをとる。タイトルは「三十五番の薬」とした。

■2022年01月21日(金)

ショートショートのお題「ビリヤード」。ひとつ書き上げるが、「最近、こんなの読んだよ」と言われる。あっ。「横殴り」と同パターンのやつを書いてしまった。あわててもう一作書く。「プールバー」の話。プールバーという語感が不思議だと思っていたので、その気持ちから入っていったのだが、展開がよくない。オチに余韻なし。

■2022年01月22日(土)

はやめにお題を出してもらう。「トタン」が来た。トタンねえ。いまどきそんなもの死語だぞ。トタンの写真をいろいろ眺める。古い建材なので、古いロボットの話にする。古いとなると、いつも尺八を持ち出してくるのが私の悪い癖。タイトルは「古いロボット」にする。

■2022年01月23日(日)

今日のお題は「時計台」である。時計台がペットになるお話に到達したのは三本目。それまでに、大工を引退した親父が自宅を時計台に改造する話、時計台がブームになって時計台を待ち合わせ場所にしたカップルがぜんぜん出会えない話を経て、ようやくここにたどり着いた。お題から考え始めると、その重力圏から脱するのにとても力を使う。最終作のタイトルは「徘徊」。

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