本当は暗い音楽が好きでは？本当は７
いやぁ我がバンド「不呪」のドラマー、Issyoh君のセットですがね、もう徹底して黒。セットはもちろん、シンバルもスティックも黒。タムの裏ヘッドもＢＤフロントも黒。ライブの服も黒。するってぇと照明に映えるんですな。見事な所作です。まーが支払いがどっかり残ってるけど。がんばれ
今回はお約束の「ピンクフロイドの奇跡」です。あたしあたりの語彙に乏しい輩のへっぽこ文章よりもね、ウィキさんをまずはご欄ください。
まぁ「そうなの、へーすごいバンドなのね」ってところがまだ知らなかった方々の印象でありましょう。知ってる人に言わせたら「何を今さら」ですね。米国人に至ってはもう常識以前で日常の一部です。
さぁ何が奇跡なのか。言ってしまいますよ。
「資本主義社会や世界観を否定するところから開始」
「売れだした頃に心を病んで脱退せざるを得なかった男への鎮魂」
「資本主義社会への基礎中の基礎を否定する立場」
「否定した構造の中、トップレベルで売れている」
「続けるほどに自らを矛盾の渦に追い込まざるを得なくなる」
・・・ピンクフロイド三部作と呼ばれる3作品をご案内。発売順。
１、Dark side of the moon・・・邦題「狂気」
２、wish you are hire・・・邦題「炎・あなたがここにいてほしい」
３、Animals・・・邦題「アニマルズ」
金を掛けてもいいぞ、悪いことは言わないから発売順の逆に聞いてください。まずはアニマルズ。人間を動物に大別して真正面から批判しています。
翼を持った豚（パート1） - Pigs On The Wing 1
ドッグ - Dogs
ピッグス（三種類のタイプ） - Pigs (Three Different Ones)
シープ - Sheep
翼を持った豚（パート2） - Pigs On The Wing 2
以上5曲収録ですが、1曲目とラストはアコギののんびりした弾き語りで2分かそこらです。つまり真ん中の3曲でほぼ40分を超えています。とりわけドッグ。気の弱い方であれば夜中に歌詞カード見ながらこれを聞いた日にゃ翌日まで心はずったずたになっていると思われます。
あとはご自由にお聞きください。はまる場合が多いと思いますよ。
重要なのは「自らやその環境を否定している」中でその仕組みに思い切り組み込まれ、売れまくることによって自己矛盾に陥り、実質の最終アルバム「WALL:壁」（2枚組）をもってバンドを破壊するに至ります。
奇跡というのは、こんなテーマで曲も重苦しく、人を落ち込ませるようなサウンドで展開するこのバンドの作品が、世界的に売れまくっている事実です。「狂気」は未だに100位以内に居座っており、もうこうなると好きとか嫌いとか言ってる場合じゃないんです。
はい、ピンクフロイド。プログレッシブロック孤高のバンドです。似てるバンドさえどこにもいません。
この第7回で言いたかったことはですね、ピンクフロイドの紹介もさることながら、「このような極端な音楽が大ヒットしている事実」なんです。根っから明るいアメリカンティーンがね、自宅で「炎」を聞いてるんですよ。
ここから導き出されるもの。あくまでも仮定ですが、
誰の心にも棲む破壊、否定、矛盾、狂、乱、
心の裏側、暴力。それらをあぶり出す音楽が
世界で初めて大評価を得た。
これが意味するものとは？
第8回では「あなたの本当とは？」でお送りします。
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