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男性育休が広まれば、児童虐待を減らすことができる?【最終回】

前回の記事では、私たちの家庭で起きた長男のドア指挟み事故についてお伝えしました。
2018年、豊田市で起きた三つ子の次男の傷害致死事件。
この事件について、妻と私は話をする機会を持ちました。

気持ちを察することができる

2018年11月、愛知県豊田市で三つ子の次男への傷害致死事件が起きました。

産後うつ病だった母親が泣きやまない次男にいらだち、自宅で畳に2回たたきつけて死なせました。

当時、ワンオペ状態だった妻は、このような事件は絶対にあってはならないけれど、この母親のその時の気持ちを察することはできると言っていました。

しかし、この事件が報道された頃の私には、この母親の気持ちを察することはできませんでした。

妻に代わって長男を保育園に送った

豊田市の三つ子次男傷害致死事件後。

妻に代わって、朝、長男を保育園に送ったときの話です。

長男の保育園では、9時までに登園することになっています。

長男を送るとき、私は時間休をとって仕事に2時間ほど遅れていきます。

「おかあさんといっしょ」の終わる8時半前頃に、そろそろ行こうと長男に声を掛けます。

ところが、長男はその時の興味に応じて、ブロックで遊び始めたり、お絵かきを始めたりすることもあります。

私としては、時間に余裕をもって行動しているつもりですが、長男にはまだ時間感覚がありません。

のめりこみ始めれば時間が足らなくなり、ギリギリまで待って、長男を強引に保育園に連れていくことになります。

9時直前ぐらいに教室に入ると、すでに保育園の先生が出欠を確認して、トイレに行かせようとしています。

すると、「お父さん、もう少し早く来ていただけると助かります」と。

この何気ない言葉に、プレッシャーを感じることになります。

また、2時間の時間休のリミットとなる10時までに職場に到着しないといけません。

保育園から職場までは1時間以上かかります。

8時50分頃に保育園を出られればギリギリ間に合うことになります。

このような時間の制限がある中で、長男の様子に合わせて、朝のお仕度を進めていると、ストレスフルになることが何度かありました。

妻は口にはしないものの

当時、妻も私もフルタイム勤務。

まだ次男は生まれておらず、ひとりっ子状態の長男。

朝の長男のお仕度はすべて妻の役割。私はすでに出勤。

長男の育児に関することは、ほぼ妻のワンオペ状態でした。

妻と役割を交替してみて、初めて、もしかしたらと思いました。

もしかしたら、妻も保育園の登園時刻や出勤時刻を守ろうとして、ストレスを感じている状況があるのかもしれないと。

そこで、妻に聞いてみました。

すると、私と同じように、妻も時間的な余裕のないときにストレスを感じていることが分かりました。

毎朝、長男を保育園に送っている妻。

長男の朝のお仕度でたまるストレス。

総じて言えば、思うように育児ができていないことに、妻はストレスを感じていました。

この時期、妻は育休を終え、長男を保育園に預け、職場に復帰しました。

朝夕の延長保育で長男にかかる心理的な負担。

劇的に変わった生活が、妻をストレスフルな状態に追い込んでいました。

妻は口にはしないものの、何らかの方法で発散させながら、ワンオペ育児をこなしていたのです。

パパがママの負担感に気づく

豊田市の三つ子のパパは、育休を取っていました。

産後のママが実家から自宅に戻るタイミングに合わせて育休を取得。

でも、事件は起きてしまいました。

事件が起きたのは、パパが5カ月の育休を終えて、職場復帰した数カ月後。

豊田市児童虐待事例外部検証委員会「平成 29 年度児童虐待死亡事例検証報告書」によると、父親の育休がこの事件で重要なポイントだったと報告されています。

多胎の育児に関わる仕事量を母親一人で担うことは困難である。それゆえに、子育ての「協力者」という消極的な考え方でなく、育児に要する仕事量を「分担できる人」の存在を積極的に位置づける必要がある。本事例では、父が育児休暇を取得してこの役割を担っていたが、職場復帰以後は育児を分担することが難しくなり、一人で育児を担いきれなくなった母親が精神的に追い込まれていったと言える面もあるのではないか。

父の職場復帰は、本事例において重大なことであった。父を育児分担者と捉え、キーパーソンとしての役割の大きさについて認識を持つべきであった。
父の職場復帰、子どもが歩き始める時期という育児環境の変化の重要性を認識できていれば、母の負担感に気が付いた可能性がある。

豊田市児童虐待事例外部検証委員会(2020)「平成 29 年度児童虐待死亡事例検証報告書」より

育休中の「父を育児分担者」とし、父の復帰で分担者がいなくなり、「母の負担感」に気付けなかったと。

豊田市の対応に対する検証ですが、パパも含めた周囲の人々の対応も同じことだと思います。

男性育休が広まれば、ママに代わって家事育児を担うパパが増えることになります。

家事育児を担うことで、パパは新しく気づいたり疑問を抱いたりすることになります。

その新たな気づきや疑問をきっかけにママと話をすれば、ママの気持ちを察し、負担感に気づくことができるようになるはずです。

パパがママの気持ちを察して負担感に気づく。

パパがママの負担感に気づけるようになるために、男性育休はよいきっかけになるはずです。

実際にママの負担が増えるのは、パパの育休が終わってワンオペになった時。

男性育休を経験したパパは、育休中でなくてもママの負担感に気づけるパパになれると思うのです。

そうすれば、母親による児童虐待を減らすことにつなげられるかもしれません。



6/6回
【児童虐待と男性育休】
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