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私は知らない。分からない。

今日は、「カウンセリングの歴史から考えるリーダーとメンバーの対話」について書きます。

精神科医のフロイトが基礎を築いた、いわゆる「昔」は、聴き手であるカウンセラーだけが専門家であり、相談をする話し手側は、知識のない素人として扱われてきました。そのため、話し手側が話した内容をカウンセラーが専門知識に基づいて解釈し、それを患者である話し手側に教育するのが治療スタイルでした。

ですが、それでは治療効果が低いことが分かってきました。そのような事実や新たな研究者たちの登場で、現代のカウンセリングはそれまでとは真逆のスタイルとなっております。

解決法は患者である話し手だけが知っている。ただ何らかの心の動きで解決法に気づくことが妨げられているだけ。そしてカウンセラーはこの患者のことを何も分かっていない。だからカウンセラーは、患者が自分自身の力で自分の内側にある解決法に「到達」出来るように援助するだけ。この姿勢が効果が高いことが知られてきました。

メンバーとリーダーの関係もそうです。リーダーが知っているのは「かつて」「自分が」「上手くいった方法」です。それとおなじ方法を「今」「メンバー」がやってうまくいくとは限りません。

リーダーとメンバーとでは、性格も、育ちも、能力も、ありとあらゆること全てが異なります。だから基本姿勢として

メンバーにとってベストな方法は私は知らない。

という姿勢で接してほしいのです。

自分の失敗や成功事例を伝えるのはあくまで「ヒント」です。メンバーが自分にとっての正解を見つけるためのきっかけです。

それは対等な関係であり、ラポールを築きやすい接し方にもなるのです。

共感いただければ、ぜひその共感に応えてください。

では今日もゴキゲンで。

参考資料:小倉広著『すごい傾聴』


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