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サンマがダメならイワシを食べればいいじゃない

マリー・アントワネットばりに書きましたが、今年もサンマの不漁が騒がれています。

魚は自然に増えたり減ったりすることが結構あるので、乱獲で減っているというよりは、今はサンマが自然に減少する時期なのでしょう。実際に、60年代のサンマの漁獲量はずっと少なかったんです。たまたま90年頃から非常に豊漁な時期が続いていただけで、今はサンマの豊漁期が終わったとも考えられます。ただその原因は断定できないんです。

この魚種交代というのは、仕組みがわかっていませんが、長年にわたって起きていることのようです。

それを、中国が外海で獲っちゃうからだとか、台湾の船だとかいう記事がありますが、実は、魚の量はそんなものでは変わらないのですね。

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サバの時期、サンマの時期、イワシの時期とサイクルがあるかのようです。

イワシについても、昔は肥料にするくらい獲れたのが、さっぱり獲れなくなったと言われて久しいですね。

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アジ、イワシ、サンマ、サバは、たんに大量に獲れて安いだけでなく、健康によく頭をよくする成分が含まれていると脚光を浴びている。しかしこの“大衆魚”にも謎が多い。膨大な数の卵を生むが、ほとんどが稚魚のうちに死に絶える。常に同じ年生まれの群で回遊する。そして、たとえばサンマが不漁になると、代わってサバの大漁になり、それが減りはじめると、こんどはイワシが大漁になるというように、常に主役が交替する。なぜか? こうした大衆魚の生態の謎に、30年以上も彼らとつきあってきた研究者が迫る。

それが、今年はイワシが豊漁だそうです。

イワシやブリなどの魚が北海道沖で急にとれだしていて、特にイワシは去年の水揚げ量が49万トンと、5年前に比べて2.3倍に増えている。

こういう状況を見ると、水温の影響はないのか気になります。

 水産資源研究所 寒流第1グループ 黒田 寛 グループ長:「本来サンマがいる水温帯にサンマがいない。さらに低水温側にいる。本来サンマがいる場所にマイワシがいるみたいで…。サンマとマイワシの分布はオーバーラップしない。引っ越しているというか、逃げているというか、(イワシを)嫌がって場所を変えている」

水温以上に、魚種交代の方が影響が強いようです。

だから、サンマがなければイワシを食べればいいし、高いと言ってもサンマを食べればいいわけです。

第一、サンマを年に何回食べます? 平均で年2回だそうです。

100円なら食べて、1000円なら食べないというのだと、200円が2000円になるだけで、マイナポイントで賄えるじゃないですか。

サンマの値段に文句を言うよりも、その向こうにいる漁師さんをおもってたべましょうよ。

もうひとつ重要なのは、サンマを獲る漁師さんたちを残さなければならないということです。サンマの漁獲量を3割減らしたとして、漁場が今までより遠くなり漁船の操業コストがさらに増えた場合、消費者がそれでも1本100円にしろと言ったら、漁師さんたちは廃業せざるを得なくなってしまいます。実際、消費者が魚を安く買い叩き続け、その結果、日本の漁業の担い手が減った状況が今です。

漁場から遠い消費者が、安く新鮮な魚を食べられるようになったのは、どこかで無理をしているからかもしれません。漁師さんかもしれないし、配送業者かもしれないし、小売店かもしれない。その全部かもしれない。

日本のデフレは、そうした安くて良いものをより早く届けたいと言う熱意が、空回りしているせいなのかもしれないと最近考えています。

みんなが、自分が少し我慢すれば、安くて新鮮なものをより早く届けられると無理をして、消費者のニーズに応えてきた結果が、後継者不足なんじゃないでしょうか。

そんな儲からない仕事誰もやらない。自分はいいが、子供たちにはやらせられない。子供には東京で消費者になってもらいたいとおもっていたらば、誰も産地にいなくなって、消費者ばかりだから、海外から買うしかないし、農家も漁師も外国人留学生に現場を任せたりすることになったんじゃないですかね。

ヨーロッパの消費者と話していると、彼らは「消費者の権利」と同時に「消費者の義務」も持っているんです。その義務とは、消費することによって未来の世代の選択肢を奪わないこと。
今、我々がサンマを買い叩いて、日本のサンマ漁業が消滅してしまったら、それは「消費者の義務」を果たしていないですよね。子の代、孫の代がサンマを食べたいと思ったときに適正価格で買えるようにしていく義務が我々にはあるんです。

高いさんまを美味しく大切に思いながら食べ、豊漁でやすいイワシもしっかり食べる。それが消費者の義務なのかもしれません。


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