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[読む漫才] 「浴衣ネタまつり」の本番一時間前に急遽やることになったギャロップの新ネタが,今後このように仕上がっていくであろうという予想漫才台本

#無料公開台本

#オチを予想してお楽しみください (3文字)

しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる
●漫才における「相槌」はそのときの雰囲気で自然に入れるものなので通常漫才台本には書きませんが,本格的な掛け合いのしゃべくり漫才をイメージできるようあえて細かい「相槌」を書き込んでいます。それが「読む漫才」です。

毛利:ちょっと思ったんやけどね
林:なんですか?
毛:あなたはカツラをね
林:カツラ?
毛:かぶろうと思ったことはないんかしら?
林:カツラねぇ
毛:前々から聞いてみたかったんやけど
林:正直言うと
毛:うん
林:ありますよ
毛:あるの?
林:ただ残念ながら
毛:残念ながら?
林:時すでに遅しと言いますか
毛:時すでに遅し?
林:タイミングを逃したなぁと
毛:タイミングって何?
林:もう見られちゃったわけだから
毛:あっこれをね
林:テレビにも出ちゃったわけだから
毛:これでね
林:いかに高性能のカツラでも
毛:絶対にバレないカツラでも
林:「かぶってますよねぇ」ってなるやん
毛:昨日までなかったもんが今日はあるわけやからな
林:カツラをかぶるとしたら
毛:はぁはぁ
林:どのタイミングでかぶったらええの?
毛:タイミングというと?
林:だから
毛:うん
林:原形を100%としましょう
毛:抜ける前の状態を100%
林:僕が今〜
毛:あなたが?
林:8
0%くらいですか?
毛:いや0ですよ
林:0!?
毛:はい
林:20%くらいはまだあるやん
毛:ありますか?
林:この横の部分も頭だと認識してます?
毛:あ〜そこね
林:「あ〜そこね」やないねん
毛:そこは意外と生えてますね〜
林:これ数えたら結構な本数ですからね
毛:毎日数えてんの?
林:こんな20%の僕でもね
毛:20%のあなたでも
林:漫才やめて
毛:漫才やめる?
林:家族や友達を捨てて
毛:何言うてんの?
林:外国に引っ越すんやったらそのタイミングでかぶりますよ
毛:高性能のカツラを
林:絶対にバレへんやつを
毛:誰にも気づかれへん状況やったらかぶると
林:さすがにそれは無理やん
毛:何もかもを捨ててカツラだけかぶっても寂しいだけやしな
林:それはほんまに寂しいな
毛:そうやねん
林:僕だって今でこそ20%ですけどね
毛:はぁはぁ
林:30%とか
毛:30%?
林:40%とか
毛:もうちょっと生えてたってことね
林:それ以上生えてた時代もあったんですよ
毛:最大で50%はあったな
林:なんでやねん
毛:何が?
林:最大は100%やろ俺かて
毛:ありました?そんな時代
林:一般的に言うたら50%くらいの量やったとしても
毛:うん
林:それが僕のMAXやったらそれは僕の100%やないか
毛:そうか
林:あたりまえや
毛:毛量は人と比べるもん違うからな
林:ほんでもしカツラをかぶるとしてもや
毛:かぶる場合
林:毛量何%になったらかぶり始めたらええのか
毛:毛量何%?
林:これが難しい
毛:「毛量何%」って何?
林:だから
毛:うん
林:原形が100や
毛:抜ける前が100
林:ほんで今の僕が?
毛:0
林:「20や」言うてるやん
毛:ここの部分を掻き集めたら20になんねんな
林:「掻き集める」ってなんやねん
毛:そんで?
林:だから20だと
毛:この状態だと?
林:
カツラかぶんのはもう無理やねん
毛:絶対にバレるからね
林:そうそう
毛:ほんなら
林:うん
毛:絶対にバレずにカツラをかぶり始める一番いいタイミングはいつかという話?
林:そう!毛量何%でカツラを乗せるのがベストかという話
毛:これは難しいな
林:難しやろ?
毛:分からんけど
林:うん
毛:50%とかちゃうの?
林:50%!?
毛:「半分になったらかぶりましょ」みたいなんが
林:うん
毛:デフォルトちゃう?
林:デフォルト?
毛:僕の勝手なイメージやけどね
林:50%の状態の人が働いてはって
毛:会社で?
林:「お疲れ様でした〜」って帰りはって
毛:はいはい
林:次の日100%になって「おはようございます〜」って
毛:いやいやいや
林:「え〜!!!」ってなるやん
毛:なるよそりゃあ
林:「課長…」って
毛:なんで課長やねん
林:バレたらあかんねん
毛:「今日からかぶった」というその日がバレたらあかんねんな?
林:バレるかバレないかの瀬戸際が何%かという話やから
毛:50%はバレるからあかんか
林:さすがに半分いったらバレるでしょ
毛:ほんなら1/4
林:1/4?
毛:つまり25%抜けて
林:うん
毛:75%になったらかぶる
林:それでもまだバレるやろ〜
毛:バレますか?
林:ピザ頼むとするやん
毛:ピザ?
林:1/4だけ食べて
毛:はぁはぁ
林:「残り明日食べよう」言うて寝てやな
毛:はいはい
林:次の日の朝起きて「残りのピザ食べよう」思うて
毛:昨日残したピザを
林:箱開けたら
毛:箱を開けたら
林:
一枚まるまる残ってたら
毛:まるまる?
林:
「え〜!!!」ってなるやん
毛:なんの話してんの?
林:「なくなったはずの1/4が元どおりになってたら絶対に気づきますよ」という話や
毛:ピザで言われてもやな
林:全体の1/4なんてものすごい量やねん
毛:ほんならもう90や
林:90!?
毛:毛量90%になったらカツラかぶったらええやん
林:90はまだ早いやろ〜
毛:なんやねんお前〜
林:90やったらうまいこと整えたら全然ハゲてないねん
毛:ほんならもう100!
林:100!?
毛:100でいきましょう
林:なんでそうなんねん
毛:お父さんもおじいちゃんもハゲてたら
林:うん
毛:「僕もハゲる」ってだいたい分かるやろ
林:遺伝とかありますからね
毛:それやったら先にかぶんねん
林:カツラを?
そう!毛量100%の上にカツラをかぶっとく
林:おかしない?
毛:大丈夫や
林:何が大丈夫やねん
毛:下の100%はぐんぐん減るんやから
林:「ぐんぐん」って言うな
毛:上のカツラも順調に下がってきて
林:「順調」って言い方もあれやけど
毛:ちょうどよくなるという仕組みや
林:あのねぇ
毛:何?
林:200%の瞬間があるのよ
毛:200%?
林:地毛100%の上にカツラ100%が乗っかてるんやから
毛:ええやん別に
林:その時点でおかしなことになってるやん
毛:高性能のカツラやから
林:毛量200%やで?
毛:「この人毛量すごいな」思われるだけやろ
林:「アイス食べに行こう〜」言うて
毛:アイス?
林:ハーゲンダッツ…いやハーゲンダッツはあかん
毛:気にしすぎや
林:サーティワン行って
毛:どっちでもええねん
林:バニラのシングル頼んだのに
毛:バニラアイス?
林:ダブル出てきたら気づくやろ?
毛:ん?
林:
気にならへんの?
毛:アイス1個頼んだのに2個も乗っかってたら気になるに決まってるやろ
林:同じことやないか
毛:何がやねん
林:「髪の毛100%の頭にもう100%のカツラ乗ってたらバレバレや」言うてんねん
毛:高性能のカツラやからつなぎ目とか全然分からへんて
林:量はダブルやけど形はシングルってこと?
毛:だからなんの話してんねん
林:そんなでっかいシングルみたいになってたら
毛:アイスの話もうええって
林:「この人頭でかっ!」って思われるやん
毛:でもハゲはバレてないやん
林:この時点ではまだハゲてないねん
毛:そうか
林:ただ頭がでっかいやつやないか
毛:ちょっとしたアフロヘアーみたいなもんやろ?
林:アフロヘアー!?
毛:いっときのアフロを忍ぶだけで
林:「いっときのアフロ」ってなんやねん
毛:お前も今頃毛量120%やからな
林:毛量120%!?
毛:カツラ100とこの横の地毛20を合わせて120や
林:夢のような毛量やないか!
毛:ほいでこの歳になればね
林:うん
毛:僕ももうちょうどよくなってますからね
林:ん?僕も?
毛:そうそう
林:ん?お前それカツラなん?
毛:実はねぇ
林:え?
毛:そうなんですよ
林:え〜!!!
毛:お前と出会う前にな
林:うん
毛:ちょっとしたアフロヘアーみたいにしてた時代があって
林:お前が?
毛:そうそう
林:そのアフロが実はカツラやったってこと?
毛:ハゲ予防アフロカツラね
林:そんなカツラあんの?
毛:お前と出会った頃はもうアフロちゃうかったやろ?
林:ハゲ予防アフロカツラの下の地毛の毛量が減って
毛:うん
林:
比較的普通の髪型になってってこと?
毛:まぁそういうことやな
林:ほんなら俺と出会った時お前は
毛:うん
林:ハゲてたってこと?
毛:実はハゲてた
林:ほんなら今はさらにハゲてんの?
毛:地毛で言うたら今は毛量0.1%くらいですかね
林:ほぼ0やん
毛:ほぼ0やねん
林:俺よりハゲてるやん
毛:でもこれがカツラだとは全然分からへんやろ?
林:全然分からへん
毛:これが高性能カツラの威力や
林:めっちゃええやん!
毛:そうやろ?
林:なんで俺にも教えてくれへんの?
毛:何が?
林:お前と出会った頃俺まだ生えてたやん
毛:生えてた
林:その頃お前はハゲ予防アフロカツラかぶってたんやろ?
毛:かぶってた
林:そっから俺がハゲてきたやん
毛:ハゲてきて
林:そん時「お前もハゲ予防アフロカツラかぶっといたほうがええんちゃう?」て教えてくれたら
毛:あ〜
林:俺は今頃毛量120%やん
毛:言われへんやん
林:何が?
毛:絶対にバレてない人がな
林:カツラって?
毛:「実はカツラかぶってんねん」と自分からは言われへんやん
林:そうかもしらんけど
毛:そうやろ?
林:俺の頭の未来のことも考えてやな
毛:頭の未来?
林:恥を忍んで言うてくれたら今頃俺も夢のような毛量で…
毛:ほんまにそれは「申し訳ない」思うてんねん
林:今さら「申し訳ない」言われてもやな〜
毛:ダメ?
林:こっちはもう取り返しつかへん状態なってんねん
毛:ほんならせめてものおわびに
林:おわび?
毛:今僕かぶってるカツラを取って
林:取んの!?
毛:お前にあげるから
林:その毛量はほしいけど
毛:そうやろ?
林:その◯◯◯のカツラはいらんねん。もうええわ

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落語や漫才のあらゆるオチを誰よりも先にNFT化し,落語や漫才やコントなどを作る際の元ネタとなる令和版『醒睡笑』を作っています 脳トレ&遊びながら落語NFTがもらえる『オチ当てクイズ🎯ゼツミョー大賞🏆』という企画もやっています