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貸出禁止の本をすくえ!

読んだ本「貸出禁止の本をすくえ!」
書いた人「アラン・グラッツ」
出版社「ほるぷ出版」

内気な小学4年生エイミー・アンのものがたり。

内気なエイミーはいつも自分の意見を言わない。家にはわがまま放題の妹が二人いる。何かあっても両親にはいつも「お姉さんなんだから」と言われるがままで大人しく言うことをきく。だから、彼女は家が嫌い。嫌いな家に帰りたくないから、両親に放課後クラブに行くとウソをついて、遅くまで図書室で本を読んでいる。彼女が唯一心を落ち着かせれる場所は学校の図書室。

ある日、お気に入りの本『クローディアの秘密』が図書室からなくなった。理由を聞くと子供が読むにはふさわしくないと言って、まちの名士のスペンサーさんが教育委員会に働きかけて貸出禁止にしたから。他にも貸出禁止の本が数冊。彼女は図書館司書のジョーンズさんの勧めで教育員会の会議に不服申し立てをすることになった。でも、内気なエイミー・アンは言い出せないまま会議が終わってしまった。

エイミーは本屋さんで『クローディアの秘密』を買った。そしてエイミー・アンは思いついた。

「貸出禁止になった本をロッカーにおいて学校のみんなに貸し出し出来たら・・・・」

そこから、エイミー・アンと友達2人でつくる「ロッカー図書館」が始まった。本を読むことの自由を奪われた子供たちが、大人に隠れて本を貸し出す秘密の図書館。少しずつ仲間を作り、貸出システムを作り、みんなが貸し出し禁止の本を楽しんでいたとき、ふとしたことで校長先生にばれてしまった。

ここで登場する貸出禁止になった本のタイトルはすべて現実に存在し、過去30年で少なくとも一度は実際に異議申し立てや貸出禁止措置を受けた事がある本。『アンネの日記』や『ハリーポッター』なども。

大人が子供を思ってやることは本当に子供のためなのだろうか?大人は子供を信用していないのではないのか?子供は子供らしくと言いながら、子供を自分たちの価値観で染めていないか。一方で、子供は大人に気を使い過ぎていないのだろうか?親の機嫌を伺い、周りに気を使い、いつの間にか社会の空気を読む子供になっていないか?

内気なエイミー・アンがふと思いついた考えを行動し、行動する中で友達を巻き込み、大人との対峙で大きな挫折を味わいながら、少しづつ成長し自分の言葉で話しが出来るようになっていく。そして、どんな本であろうとも子供の成長を促していく。大人はどの程度子供に干渉すればよいのか?さじ加減は難しいけど、大人も子供も自由と思いやりを持って暮らしていくことの大切さを教えてくれる本。
なにより、エイミー・アンの大冒険と成長にワクワクしながら一気に読んだ本だった。

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