「大学院生のお店」の誘惑

何年か前のことなのだけれど、仕事で東京に行ったとき、同僚とご飯を食べたあと、軽く飲みに行くことになった。

街をぶらぶらと歩いていたら、あるビルにこんな看板を見つけた。

「院生キャバクラ! 大学院生たちと知的な会話をしてみませんか?」

東京には、そんなものがあるのか……

僕は基本的に「女性と話をする店」というのが苦手で、「何か面白い話してよ〜」とか言われると「なんで金払ったうえで、面白い話までしてやらなきゃならないんだ!」とか疑問を抱いてしまうつまらない人間なのです(知り合いの遊び上手な男っていうのは、そういう場で本当に面白い話をしてあげて、相手の女の子を喜ばせて、それで良い気分になるんですよね。バイタリティの量って、人それぞれだ本当に)。

地方大学の医学部とかを出ていると、「他の学部の人とか、どんな会話をしていたのだろう?」とか、今更ながら、ちょっと気になったりすることもあるんですよ。

基本的に「賢い人に、その人が好きなことを話してもらう」のは好きですし。

というわけで、酔った勢いもあり、「あんなのがあるよ!」と同僚を軽く誘ってみたら、「なんか面白そうですね!」って言ってくれたのです。

そのときは、乗ってきてくれたからこそ、逆に「もしヘンなところだったら悪いし、知らない店は怖いな」と、僕のほうが及び腰になってしまい、結局、その店には入りませんでした。

(女の子のいないバーで、軽く飲んで解散)

ちなみに、後日その話になったのですが、同僚も「あの店、行ってみたかったですね……」と言っておりました。

どれだけ高学歴女性に憧れているのだ我々は……


とか書きつつ、家に帰れば、「賢い女性」にしばかれ続けている毎日だったりするわけなんだよね。


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