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国際マウンテンランニング連盟への寄稿とSTORY4日本語版

5月から続けている寄稿も今回で4回目。全部で8回寄稿する予定なので気がつけば折り返しだ。不慣れな作業ではあるが大変やりがいのある機会だ。今回も友人に助けられながら記事を書き上げた。ぜひ楽しんで読んでください!


STORY1

STORY2

STORY3

寄稿記事


日本語原文

STORY4 「ジュニア期に山を走る事の効用」

小学校時代を振り返ると、以前書いたように全く運動ができなかった僕だが、伸び伸びとした環境で育ったこととは大人になってから山を走り始めたことと無縁ではないと思っている。

東京の学校に通っていたのだけれど、校舎の裏には地獄谷と呼ばれる大きな起伏があり、そこには上級生でないと登ることのできないきつい勾配もあるような遊び場があった。また、低学年の頃は授業で週に1度の頻度で近くの公園で遊んで過ごすなど自然に触れる機会も多く、また、教育においては個性と自主性を尊重する学校で育った。それもあってか、僕は運動ができないことは苦手であったがそれが理由でいじめられるわけでもなく、体育の授業は苦手だったけれど、学校に行くことや学校行事など様々な体験をすることは大好きであった。

大人になってからこそ見えるものがあり、気づくことができる事はあるものの、それをそのまま子どもたちに伝えても僕のように運動が苦手な子供からすれば素直に受け止める事は難しいだろう。

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そこでお勧めするのは「あそび」を通じて多様な経験をすることだ。そしてその「あそび」の中に色々な要素を詰め込むことで結果としてジュニア世代にたくさんの経験をさせることが出来る。

僕がどんなことをしていたかって? ものすごく特別なことをしていたわけではない。「鬼ごっこ」「ドロケイ」「手打ち野球」「遊具を使った様々な遊び」と誰でもごく当たり前のように経験できることばかりだ。加えて、運動が苦手な子や年齢差がある場合は特別ルールを作り、遊びが面白くなるように工夫した。足が遅い子が鬼ごっこに加わるなら通常タッチ1回で捕まるところを2回タッチする必要があったり、逃げるまでの間隔を長目にとったりと。子どもながらにどうやったらより楽しめるか?その創意工夫は「のびのびと体を動かすこと」と同じくらい重要だ。柔軟な思考はアイデアを生むし、固定観念に囚われにくくなる。

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「自然の中で遊ぶこと」を通じてどんな経験ができるだろうか?

バランス能力の養成、反射神経の開発、瞬発力…と持久力はもちろんだけど、将来どのスポーツを取り組むとしても役に立つ。加えて運動能力だけでなく、好奇心溢れる子になると思っている。植生、景色、季節の変化、自然の中に身を置き走り回ることで五感がフルに働くからだ。必ずしも走るだけでなく、自然に触れた経験から樹木に興味を持つ、生き物に関心を持つ。こうした興味関心を抱くことも山を走ったからこその効用だと思う。だから、ジュニア期にはどんどん自然の中に身を置き山で遊び走りまわるべきだ。

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この4月から「逗子ジュニアトレラン部」と題して近所の子供達を集めて休日の朝、一緒に山を走っている。彼らは学校の宿題の話、ゲームや漫画の話。ふざけながらも軽快に走る。そして、いつもふざけている。学校の授業だとこれは困りものだけど伸び伸びと走り楽しんでいること、僕が真面目な話をするときはきちんと聞くのでよいことだと思っている。彼らは本質的な意味で自由だ。だから、その部分を大切にしながら、彼らの遊び心を尊重した上で、僕は色々なことを伝える。

僕は大人になって「山を走ることの楽しさ」に出会ったが、それはこれらの原体験があるからだ。だから、僕も子どもたちの楽しむ気持ちを尊重するというわけだ。

ただし、自然は魅力的であると同時に人の力ではどうにもならない側面を持つ。大雨や雷、自然に対する畏怖の念を持ち、上手に自然と親しめる子どもたちをどんどん育てていきたい。

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繰り返しになるが、僕は26歳から山を走り、35歳で日本代表として初めて世界選手権に出場することができた。タイミングや色々はあると思うけれど、必ずしも幼少期からスポーツが得意でなくともチャンスがあること、そのために大切なのは幼少期から「楽しい」や「遊び」が欠かせないことだと思っている。

STORY5以降もお楽しみに!


【今後の予定】
7/25(日) 赤ちゃんから聞ける小さな小さな音楽会(第1部)と子どもも大人も一緒に学べる音楽会(第2部)

8/28(土) Duo Espoir 20周年記念リサイタル
9/26(日)第6回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原
10/10(日)トレイルシンポジウム2021

10/17(日)第13回TOKYO Jr TRAILRUN兼-U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
10/31(日)第7回YAMANASHI Jr TRAILRUN in 武田の杜 

11/7(日)逗子トレイル駅伝2021兼U-12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ

「RUNNING ZUSHI」
逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。
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2021-05-12 07.45.23のコピー


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