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今更ながらクリスマスケーキの感想を語らせてください。

駄文

あぁ聞こえる聞こえる。
今更クリスマスについての記事だとぉ?こいつはまぁだ2023年を生きてやがるのかぁ?
という声が聞こえる。

侮るなかれ。このタイミングで投稿するのは決して私が怠惰だとかめんどくさがりだとか先延ばし癖あるかとそういうことではない。ほんとに、断じて、誓って、本気(マジ)で違う。

そう。始まりは1匹の亀だった。
昨年の12月26日、俺はクリスマスケーキの感動をnoteに書き綴ろうとパーソナルコンピューターにむかっていた。しかしなかなか納得のいく文章が書けない。書いては消し書いては消しを繰り返す様はさながら出来栄えに納得がいかず壺を割る陶芸家のようだった。

一度頭を冷やしたほうがいいのかもしれない。
パーソナルコンピューターを3台ほど床に叩きつけて割ったところでふとそう思い、外に散歩に行くことにした。

玄関を出た途端冷たい北風が飛んでくる。
マフラーを巻かなかったことを後悔したが、今からマフラーを取りに部屋に戻るのもなんだか面倒くさい。今年の冬は暖かいと油断した俺が悪い。このまま散歩に行こう。
せめて手くらいは寒さから守ろうと上着のポケットに手をつっこむ。

どうやら神は俺を見離してはいなかったらしい。偶然にもポケットにきしめんが入っていたんだ。そういえば名古屋に行ったとき、食べきれなかったきしめんをポケットにしまったんだった。
過去の自分に感謝。きしめんをマフラー代わりに首に巻くと、いくらか寒さがやわらいだ。

大きな幸運よりも小さくささやかな幸運の方が人は良い気分でいられるのかもしれない。
大きな幸運は、その分なにか悪いことがあるのではないかと不安になってしまう。目的地まで赤信号にひっかからなかった、ジュースが一本当たった、ポケットにきしめんが入っていた、それくらいがちょうど良い。

今日はまだ通ったことのない道を歩きたい。
3年前にこの街に引っ越してきたが、駅と家を往復するばかりで、それ以外の道をほとんど知らない。今こそこの街を知るとき。俺はどこに繋がるのか分からない未知の道を歩き出した。

年甲斐もなく冒険をしているような気持ちになり、歩を進めるスピードは小走りくらいになっていた。小気味よく吐く息が白い。そして臭い。
昨日食べたタスマニアデビルがまだ胃に残っているようだ。あの独特の獣臭さはなんとも言葉にし難い。デートの前日には絶対に食べない方がいいということだけは確実だ。

1時間くらい歩いただろうか。もはや自宅との位置関係が全く分からない程度には知らない場所だ。道路の脇には川が流れており鴨や鯉がゆったりと泳いでいる。美味しそうだなと思っていると前方で小学生くらいの子供が5人、何かを取り囲んでいる。
子供たちは「悪鬼滅殺!」「悪鬼滅殺!」と声を上げながら、取り囲んでいる”なにか”をDX日輪刀でボコボコに殴っていた。

いくらおもちゃの剣とはいえ流石に治安がよろしくない。
俺は大人として子供たちを止めに入る。
「これこれ子供たち、こんな昼間から水の呼吸を連発してはいけないよ」

子供たちはたじろいだ。
それも当然か。首にきしめんを巻いた口から異臭を放つ男が突然目の前に現れては驚くなという方が無理だ。
子供たちが防犯ブザーを鳴らしながら逃げていく。

「助けていただきありがとうございます。今は鬼滅よりも呪術廻戦、フリーレンが熱いと聞いていたのですが、まだまだ鬼滅人気も根強いものがあるようですね」
そう話しかけてきたのは全長1mほどのアカウミガメだった。

なるほど。さっき子供たちが口にしていた「悪鬼滅殺」は正確にいうと「悪亀滅殺」だったらしい。
人語を話す亀とはあまりに生物として異様だ。鬼や魔族の類として鬼殺隊や熟練の魔法使いから退治されてもおかしくない。

亀は言う。
「助けていただいたお礼に竜宮城へご招待します」

「いえ、大丈夫です」
俺は丁寧に断る。お母さんから知らない亀にはついて行くなと教わっている。

亀は誘いを断られたことが相当意外だったのか、口をあんぐりと開けて呆けている。俺はその大きく開いた口に、首に巻いていたきしめんを詰め込んだ。隠し味とばかりにタスマニアデビルの存在感が残る息も吹きかけるサービス付きだ。

…おや!?アオウミガメの様子が!?

アオウミガメの全身が眩く光った。次の瞬間、アオウミガメはピカチュウに進化した。

そして俺とピカチュウはポケモンマスターを目指し旅に出る。
次はどんなポケモンが俺たちを待ってんだぁ!?

しかし音楽性の違いで一緒に旅はできないとコンビを解消。
俺が久しぶりに自宅に戻ると、部屋は荒れ、壊れたパソコンが3台床に転がっていた。一体誰がなんの目的でこんなことをしたんだ!

そんな感じで旅に出たりパソコンを買い換えたりでクリスマスケーキの記事が遅れました。そう、俺のせいではない。


本題


毎年のことながらどこのクリスマスケーキを食べるのかはとても悩みます。
2023年も悩みに悩んで選んだのはこちら。unisのクリスマスケーキ「ノエルドゥラリュール」

選んだ決め手としては去年のクリスマスケーキがめちゃくちゃうまピヨだったからですね。
信頼と実績のunis。クリスマスケーキだけでなく、催事限定のケーキやデセールも毎回美味しい。


構成は、
柚子のパートドフリュイ、柚子のムース、ヘーゼルナッツのプラリネクリーム、ヘーゼルナッツのパンドジェンヌ、ヘーゼルナッツのキャラメリゼ。
はい美味しい。もう組み合わせだけで美味しい。 

ケーキにフォークを刺し一口目をすくう。あ〜次のセリフは「うまピヨ」になるな〜。そんなことを思いながら口に入れ、咀嚼し、飲み込む。











ピャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜







うんめぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






なぁんて上品なお味なのでしょうか。
柚子もヘーゼルナッツもケーキの主役を張れる超売れっ子素材。柚子どーん!ヘーゼルどーん!っていう素材のスター性を前面に出してくる場面が多い。そして俺はそんなケーキが大好き。どんどん「柚子ですけどなにか!?」「わてがヘーゼルナッツや!」とアピールしてほしい。

しかしだ。このノエルドゥラリュールは違う。
大声を出したり、積極的に前に出たり、目立つ行動をするわけではないが、その魅力で確かな存在感を放ち、気付けば目で追ってしまうような、そう、クラスのマドンナのような上品さを持っている。

この上品さは公立の学校ではあり得ない。私立、私立のケーキだ。
「聖◯◯学園」的な、キリスト教系の学校的な、制服が可愛いという理由で受験されそうな、中高一貫的な、偏差値も高めで、実はスポーツも強くて、特にそう、馬術部が全国区、あと吹奏楽部とテニス部も強い、地元企業の採用担当からの印象も良い、そんな文武両道、聡明さ、品格を兼ね備えたような、そんな、ケーキ、もう、美味い、いや、美味しゅうございます。ごめんあそばせ。ごきげんよう。

去年のクリスマスケーキでも感じたが、ムースの口溶けが素晴らしい。
口に入れた瞬間、サッと溶けてフッと香ってファっといなくなってしまう。サッフッファ。
口から胃への移動がシームレス過ぎる。あまりにも滑らか。天衣無縫のムースかよ。

美味しいが故に、俺は少し寂しいよ。そんなにすぐにいなくならなくていいじゃないか。もう少し居てくれよ。
あれですか?デートは現地集合、目的をはたしたら即解散ですか?
なんか予定にはなかったけどカフェに入って話し込んだりさ、解散の時は駅の改札前でバイバイした後、改札を通ってからこっちを振り返って再度バイバイしたりさ、なんかそういう名残惜しさ的な?そういうの感じさせてくれよ。

脈なし?もしかして俺とノエルドゥラリュールって脈なし?
そういえば食べ終わった後に「今日は美味しかった。ありがと😁」ってLINEしたけど返信がない。お風呂入ってる?寝てる?追いLINEした方がいい?

ねぇなんで返信してくれないの???????
俺は遊びだったの????あの優しい言葉や態度は全部嘘だったの????その気がないなら優しくしないで。やだ、やっぱり優しくして。好き好き好き好き好き。俺が1番ノエルドゥラリュールのことを理解(わか)っているのに。どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして


失礼。ノエルドゥラリュールがうまピヨすぎてメンヘラになってしまいました。
どうですか?あなたもunisのクリスマスケーキを食べて一緒にメンヘラになりませんか?







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