見出し画像

玄関に恋してる②

ごめんなさい。
やっぱりやってしまいました。目の前にはいつもの汚い玄関。急いで片付ける。今日はあの子と初デートなんだ。
カラフルに飛び散った色とりどりのスニーカー達を1つずつ下駄箱にしまっていく。今日はここにキラキラ輝くハイヒールがひとつ増えるかもしれないから。知らない間に鼻唄なんか歌っちゃってさ。
今日はこれを履こうかな?それともこっちの色のがいいかな?
だめだ時間に遅れちゃう。


帰宅後荷物を投げ入れ、靴を蹴るように脱ぐ。
「はぁ」大きなため息。こんな大きなため息をして誰に聞いて欲しいんだろ?
そんなことを考えると余計に情けなくなってしまった。
「切り替えて切り替えて」そんな言葉が聞こえた気がした。
今日はここで寝よう。ほら明日起きたらすぐ片付けれるでしょ?

知らない間に寝てしまってたようだ。目がさめると23時。30分しかたってないのか。
もちろん返事はない。ちらかった玄関を片付けていく。片付け終わった後には、玄関も気持ちもスッキリした。
「さっきはありがとう」僕は大きな声で言った。もちろん返事はない。
そうだ。やっぱり僕は

玄関に恋してる



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?