新聞の全面広告から考える
8月4日放送のテレビ番組「がっちりマンデー」では、テーマのひとつが「なぜか、新聞の全面広告だけでよくみる会社」でした。
同番組では、世田谷自然食品の取り組みについて紹介されていました。私も以前、まさに新聞広告をきっかけに同社の「十六種類の野菜ジュース」を申し込んだ経験があったこともあり、目に留まった次第です。以下に、同番組を書き起こしたnote記事から一部抜粋し、まとめてみます。
同事例からは、改めて3つのことを考えました。ひとつは、手段の選定が大切だということです。
「新聞広告は高いのでは」「電子版もある中で、紙面での新聞広告は有効性が下がっているのでは」といった話を聞くこともあります。しかし、同事例からは、有効性は十分に高いことがわかります(将来的にもその高い有効性が続くとは限りませんが)。「新聞は自らお金を払っているからちゃんと読む人が多く、広告もちゃんと読む」というのは、言われてみればなるほどとうなずけます。
そのうえで、高い有効性も同社の商品が新聞全面広告という手段に合っているからというのが前提になっているはずです。新聞では特徴がうまく伝えづらい商品であれば、当然同じ結果にはなりません。商品の特徴を考えたうえで、広告として有効性の高いところに集中的に予算を充てるということの大切さを、認識させてくれる事例だと思います。
2つ目は、効果検証と工夫の大切さです。PDCAでいうと、CとAに当たります。
投じた予算の効果を最大化させるために、申し込みに至った件数を広告ごとに追跡可能にする仕組みを作っておき、より効果の高いデザインにブラッシュアップしていく。こうしたことなどは、少し工夫すればできることながら、意外と取り組んでいないことなのではないかと思います。
3つ目は、マーケティング(に限りませんが)は、最終的にはやってみないとわからない、ということです。
例えば今回のようなプロモーションにしても、やみくもにいろいろな手段に対して無制約で予算を投入すればよいというものではなく、自社なりの戦略・戦術を立てたうえで、有望だと判断したところに予算を投入するべきです。しかしながら、結果がどうなるかは、最終的にはやってみるまで分からない面もあります。
戦略・戦術の立案は大切ながら、膨大な時間をかけて企画や検討を続けるよりも、ある程度仮説立てたならば試してみてそこからトライアンドエラーで学ぶというアプローチも大切になります。そして、トライアンドエラーの結果を蓄積し、結果から学習して次に活かしていくということです。
こうした取り組みを継続し成果につなげていくことを、仕組化や組織文化にまで高めることができれば、他社に対する競争力の源泉のひとつにもなると思います。
以前「十六種類の野菜ジュース」を申し込んだ裏側で、このような緻密なマーケティング戦略・戦術が影響を与えていたのかと、認識した次第です。
<まとめ>
トライアンドエラーから学び続ける。
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