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聴く耳を持つ方法

前回の投稿では、リーダーとして聴く耳を持つことの重要性についてについて取り上げました。ここでは、聴く耳を持つためにどうすればよいかについて考えてみたいと思います。

私たちは、特にリーダーの立場であれば「聴く耳を持つこと」の習慣化は重要だと感じていながらも、なかなかできないものです。「部下の意見を聴くように意識する」のは大切ですが、意識するだけでは実行が難しいからです。そこで、(半ば強制的に)実行するための仕組み化もできるとよいと考えます。

社内における仕組み化としては、例えば部下の意見を吸い上げる定期的な機会をつくり予定に入れることです。経営幹部、管理職、新入社員など、階層毎に忌憚なく意見を言い合う意見交換会のような場を定期的に持つこともその一つの試みでしょう。

ただし、部下にとって上司は絶対的存在だということを考慮すべきです。
本当の意味でのフラットな組織をつくれていて、「(主張を採用されるかどうかは別として)上長に何を言っても安心して聴いてもらえる」と部下に思われているような完璧な信頼関係をすべての部下と築けていれば、各人の意見・思いを余すところなく言ってくれるかもしれません。

しかし、そんな状況はなかなかつくれないものです。
相応の信頼関係はあっても、部下にとっての先輩・上司は重い存在であり、遠慮や気づかいがどうしても入りがちです。

私は時々、様々な会社様で依頼を受けて、社外の立場から社員の意識をヒアリングするための「社員ヒアリング」を行うことがあります。そうすると、「個人名を出さない前提で」という前置きの後に、普段社内では出てこない話をいろいろ聴くことがあります。本当の意味で「聴く耳を持つ」には、「意見を出してもらう場をつくって安心」するのではなく、本当は何を思っているのかを一歩踏み込んで想像してみることが欠かせません。

さらには、社外における仕組み化も同時に行うとよいのではないでしょうか。具体的には、自身にとっての「師」を社外にもつことです。利害関係のない師=自身のコーチと呼べる人材から、定期的に学びを得ることで、「聴く耳を持つ素直さ」に立ち戻る自分なりの習慣を持つことです。良書を繰り返し定期的に読んだり、尊敬する人物の講演を定期的に聞いたりするなども師から得る学びに当たるでしょう。

さらにお勧めなのが、自分に具体的なコーチをつけることです。定期的にその人の話を聴いたり、自身の話を聴いてもらったりしてみて、自分を内省する時間をもつのです。

自分自身を自分一人で完璧に客観視できる人はいません。他者に話を聴いてもらうことが、自己の客観視をする上では有力な方法です。プロのコーチやカウンセラーも、自分のコーチやカウンセラーを確保して定期的に話を聴いてもらうと言います。有能と言われる経営者や政治家などの人物でコーチをつけているという話を聞くことがあるのも、同様でしょう。自己を客観視することで、「自分は最近部下の話を聴けていなかったことに気づいた」「最近社内で起こっていることが何なのか整理できた」「部下の話から自分が感じたこと以外に別の捉え方もできそうだ」など視点に広がりが出てきます。

コーチは、自分の専門領域で必ずしも自分より優れた知識や実績がなくてもかまいません。自分の考え方を整理してくれる、自分にとって「聴く耳を持つ素直さ」を思い起こさせてくれる人物であれば、自分にとってのよいコーチになり得ると思います。

<まとめ>
聴く耳を持つ素直さを習慣化できるための、自分なりの仕組みをつくる


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