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新卒社員の訪問

先日、ある新卒社会人のAさんとお会いしました。4月入社のため、今月で3か月目となります。Aさんと面識はなく、資産運用の勧誘という趣旨で、いわゆる突然のテレアポです。私と会っても成約可能性はゼロの前提でもよくて、食べながらでよければと会ってみた次第です。

Aさんは入社以来、1万件近く電話して、初めて会えたのが私だというお話でした。突然の電話で、資産運用というテーマですので、簡単には会えないでしょう。このような営業電話には「問答無用で即お断り」の方も多いと思いますが、私は、対応が丁寧で好感がもて、スケジュールが合えば、会うことも多いです。

電話1万件で訪問1件(200件/日として約50日=営業日ベースで約2ヶ月半)というこのやり方が、合理的な活動なのかどうかという問題はここでは置いておき、雑感を2つまとめてみます。

ひとつは、Aさんが本当にうれしそうだったということです。特に今年の新卒入社者は、コロナ禍の影響で自宅待機から始まった人が大半です。Aさんも、4月から自宅待機で研修を受けた後自宅でテレアポ開始、6月から出社可能となり、社外の人に会ったのは私が初めてという状態でした。社会人初日からこうした閉塞感・行き詰まり感を味わい、ようやく解放された気がしたのが、私との面会だったようです。

前日に、Aさんから翌日のアポ確認のメールが入ったため、「予定通りよろしく」と返信したのですが、その返信メールを画像にとって記念に保存しているそうです。理由を聞くと、「本当に会ってもらえるかわからなかったため、予定通りという返信があまりにうれしく、保存した」ということでした。私自身も社会人になりたての頃は、おそらく持っていた新鮮な気持ちでしょう。初心を思い出させてくれた感じです。同時に、初めて会って話す社外のお客様(この出来事では私が該当)は、相手にとっては大きなインパクトをもたらすものだというのを、肝に銘じなければならない、と改めて思いました。

もうひとつは、立場に関係なく約束を守ることの重要性です。Aさんは周囲の社員から、当日現地(喫茶店)で会えなくてもがっかりするなという話を散々聞かされてきたそうです。理由は、飛び込みのテレアポである(相手にとって優先順位が低い)、かつ電話の様子からも新人というのがすぐ分かる、よって下に見られるからだそうです。当日別の予定を組んだり、気が乗らなくなったりしたら、平気で何の連絡もなく約束の場所に現れずすっぽかす人も多いのだそうです。確かに人によっては飛び込みのテレアポは迷惑でしょうが、これはいかがなものかと思います。

迷惑で会いたくなければ最初から断ればよいでしょうし、どんな相手であっても約束したからには会うのがマナーだと思います。仮に急用でどうしても会えなくなったのなら、事前に連絡してお詫びをするのが筋でしょう。当たり前のことを実行しない人が、私が想像しているよりも多いのだというのを、その話から感じました。

期待と不安にあふれた新社会人に、「社会人にはいい加減な人も多い」という印象を与えると、その人も同じ行動を覚えてしまいそうです。そうすると、約束にルーズな行動のスパイラル・拡散が起こって、モラルダウンが止まりません。立場の上下などに関係なく、先輩社会人がよき手本となる行動をしたいものだと感じた次第です。

<まとめ>
会う相手から受ける影響は、特に新社会人にとっては大きい。


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