9月11日の日経新聞の「春秋」で、日本行きを回避しようとする動きがあることについて書かれていました。
同記事の一部を抜粋してみます。
対照的な内容に感じたのは、9月10日の記事「外国人、神奈川・三浦に注目 海外検索増加、訪日需要占う」でした。(一部抜粋)
冒頭の記事からは、国別で観光業のポテンシャルが高いと言われる日本ではあるものの、それにあぐらをかいていてはいけないということ。2つ目の記事からは、選ばれるところはそれなりの取り組みをしているということが、改めて感じられます。
「関心」は、何もしなくても向こうから近づいてきてくれるわけではなく、魅力を知っていただくことで初めて近づいてきてくれる、ということです。そして、このことは観光に限らず、すべての商品・サービスに共通するのだと思います。
私は、都内で比較的茨城県にアクセスがよいエリアに先日まで住んでいました。土浦市が主催する移住体験イベントのチラシが、過去数か月おきに2回ほどポスティングされていたのを覚えています。土浦市がこのエリアまでポスティングするのかと、導線を想定しての広告が印象的でした。打ち出し方も魅力的で、上記にも紹介のあるサイクリングを絡めた行程で、星野リゾート BEB5土浦に2泊し参加費用10,000円といった内容だったと記憶しています。
イベント日に仕事の予定が入っていなければ参加しようと思ったものの、オンラインでは対応できない対面の仕事の予定があり参加できませんでした。積極的に市の魅力発信に動いているのかなという印象を持っていたのですが、上記で検索数の増加率2位になっているのを見て、そのこともうなずけました。
上記で取り上げられている事例は、湖や銅山跡など売りとなる観光資源が比較的豊かな市町村のように見えますが、そもそもそうした観光資源が見当たらない市町村でも、何かしら打開策があるのではないかと思います。
ちなみに、私の出身県の山口県で、馴染みのある平生町という小さな町があります。これといって注目されていた観光名所はなかったのですが、しばらく前から「イタリアーノひらお」と題してイタリアをテーマとしたまちづくりを推進し始めたと聞き、ちょっとした驚きでした。なぜイタリアをテーマとしたのか調べてみたら、町の地形がなんとなくイタリアに似ているからというのが理由のようです(得られる情報の範囲内の、私の理解では)。
こじつけに近いかもしれませんし、これが成果を上げているのかどうかはわかりませんが、きっかけとしてはよいのではないかと思います。何らかのきっかけがあれば、地域の魅力として打ち出せるものがないかの探索と発信の取り組みにつながります。特に失うものがないなら、アイデアベースの企画をチャレンジしてみるのも有効だろうと思います。
前回の投稿では、オープンイノベーションをテーマにしました。市町村外の協力者や専門家などと連携し、移住や観光客の誘致で成果を上げている市町村も全国各地で散見されます。地域外の人材のほうが、地域の人には当たり前になってしまって気づかない良さに気が付くこともあるためです。
オープンイノベーションで地域の魅力を再定義し発信する視点は、今後ますます有効になるのではないかと思います。
<まとめ>
注目を集める市町村(組織)は、やはり強みの定義・発信の取り組みを組織的に行っている。