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競売入札シミュレーション 奈良地裁本庁編R3.1.22開札②

さて、今回取り上げるのは「一戸建て住宅」をチョイス!

『投資よりも実需向け。安く自宅を購入できる』

奈良地裁本庁

土地が0件・戸建てが14件・マンションが2件で、合計16件の開示です。

前回の公示と2件減りました。

入札物件の期間は、

入札期間は令和3年1月8日~令和3年1月15日

開札期日は1月22日です。

では、早速見ていきましょう!

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事件番号 令和02年(ケ)第68号
売却基準価額 6,740,000円
買受申出保証額 1,350,000円
買受可能価額 5,392,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:生駒市小瀬町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):108.00m2
用途地域:近隣商業地域
建ぺい率:80%
容積率:200%

種別:土地
物件番号:2
所在地:生駒市小瀬町
地目(登記):用悪水路
土地面積(登記):10m2
用途地域:近隣商業地域
建ぺい率:80%
容積率:200%
※用悪水路とは?
法律によると、用悪水路(ようあくすいろ)は、
「かんがい用又は悪水はいせつ用の水路」
のことを言うようです。(不動産登記事務取扱手続準則 第68条16号)

種別:土地
物件番号:3
所在地:生駒市小瀬町
地目(登記):用悪水路
土地面積(登記):1.35m2
用途地域:近隣商業地域
建ぺい率:80%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:4
所在地:生駒市小瀬町
種類(登記):居宅
構造(登記):木造スレートぶき2階建
床面積(登記):
1階:53.86m2
2階:43.11m2
間取り:4LDK
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成19年2月

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■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1~4】
なし

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号4】
本件所有者が占有している。

5.その他買受の参考となる事項より
なし。

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★現況調査報告書より
1.建物所有者が本建物を住居として使用している。
2.占有状況について、立ち入り調査時に債務者兼所有者の占有徴表が確認できたこと、他に第三者による占有が認められないこと、および近隣住民からの聴取結果などから、債務者兼所有者が住居として居住して、占有しているものと認められる。
3.隣接土地などの境界等を明示する鋲、プレートなどが確認できた。
4.南側に駐車スペースが存する。
5.北東角付近にヒートポンプユニットが存する。プロパンガスボンベの置場がある。
6.屋根上部に太陽光パネルが設置されている。発電余剰電量計量器が設置されている。
7.東側は、竜田川をはさんで近鉄生駒線敷が存する。電車の通過時には、若干の騒音が感じられた。
8.臨場及び立入調査時は債務者兼所有者不在。連絡は無い。

※関係人の陳述等より
【近隣の住民】より
1.債務者兼所有者は、目的建物にお住まいになっている。

※執行官の意見より
今回はコメントはありませんでした。

※間取り及び室内写真より

1.土地・建物位置関係図では土地、建物、水路などを色分けして現してくれています。
2.間取り図は4LDKの2階建てです。
3.トイレは1階と2階にあるようです。
4.駐車スペースは車2台が止まりそうです。
5.玄関には靴などの荷物が多く見受けられます。
6.リビング内には生活用品や生活家電が置かれている様子が窺えます。
7.ご家族でお住まいのように見受けられますが、実態はどうか?室内に洗濯ものを干されている写真から見ると生活されているのはわかります。

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★評価書より
1.最寄駅から約450m。徒歩6分。
2.接面道路|南側幅員約6.3m市道【建築基準法42条1項1号】西側幅員約1.3m市道【建築基準法道路扱い無し】。
3.ライフライン|上水道、下水道あり。ガスはプロパンガス。
4.経済的残存耐用年数|11年。
5.保守管理の状態|普通程度
6.建物の利用状況|所有者が、住居として使用ている。
7.基礎となる価格として約1122.7万円が評価額として算出されています。
8.評価人の算定した想定賃料がないため近隣相場より手堅く見ると8万円/月。年間で96万円となります。

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【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
96万円÷674万×100=14.24%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
96万円÷1122万×100=7.66%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
96万円÷897万×100=10.70%(表面利回り)

上記のようになりました。

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★入札時のポイント★

今回取り上げている物件は収益というよりも実需でご自身が住むための家で購入する方が魅力的かと思ったので取り上げてみました。

平成19年築で3年前の近隣の成約事例が約1900万円での取引もあります。

それを踏まえて考えても1500万円以上の市場価値があるとみれます。

売却基準価額での落札は厳しいでしょうが、1000万円弱での落札は見込めそうな感じもします。

ただし、住宅ローンを利用する際は、貸し出ししてもらえる金融機関が少ないため、事前に金融機関への相談が必ず必要となりますので、ご注意くださいませ。

投資物件として考える場合は、同じく落札額は1000万円近くなると思われますので、表面利回り7%あたりになろうかと思います。

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※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

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※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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