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ボリュームを上げても聞こえないもの

新作第3弾「またね」が公開となりました!

今回は音楽×イラストに加えて、さらに映像も交わった作品に。現実と非現実が同居するちょっぴり不思議な電車旅をお楽しみください。



曲への個人的なエピソードは先入観が強くなってしまうので最近はあまり書かないようにしているのですが、今回は書かせてください。


この曲は今はもう会えなくなってしまった、藤森愛をずっと支えてくださっていた方に向けて書きました。

ハタチの頃に音楽の世界へ飛び込んで右も左も分からなかった私に、「音」に対してたくさん大切なことを教えてくれました。ケーブル1本の違いから自分の声とマイクの相性、モニターの聞き方など思い返せば基礎的なことは全部かもしれません。大きなプロジェクトでも何かと力を貸してくださって、いつもやってもらいすぎて申し訳ないと言うと、これが自分の当たり前なんだとおっしゃっていました。

「フェーダーを上げてもないもんは出ないんだよ」という言葉は私の中で深く突き刺さっていて、今でも何をするにも必ず側にある言葉です。

ボリュームを上げたい時って色んな音を足し算しがちですが、ボリュームを上げたい時こそ余計なものを引き算することでより音が際立ち、ボリュームというよりも厚みが増す。これって音だけじゃなく何でもそうだよなって。足し算しすぎると大事なものが埋もれて見えづらくなる。

本当に大事なものはボリュームを上げるだけではなく、内側から出せるようなアーティストでありたいなって思います。

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そんなたくさんの大切なことをくれた恩師へこの曲を捧げます。もらったものはこれからも自分と共に。そしてまた次の誰かへ渡します。

一生モノの宝物をありがとうございました。



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