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今だから書けるインストゥルメンタルワンマンのこと

2018年6月9日に開催した、"藤森愛 東名阪 ONE MAN LIVE TOUR 2018「四半世紀」名古屋公演"を明後日に控えた日、私は声が出なくなってしまいました。

まだ明後日だからなんとかなるかもしれない!と次の日駆け込んだ病院では絶対に歌えないという診断。なんとかしてほしい!と駄々をこねる私に対して、「骨折してるのに走ろうとしてるようなもんだ」と言う先生の言葉が分かりやす過ぎて納得…。

私は腹をくくることにしました。

ゲネプロのために前日入りしていたバンドメンバーにスタジオで、「インストゥルメンタルでやりたい」と告げたんです(あ、私は喋れないのでスタッフが)公演中止じゃないんかーい!って感じですよね(笑)1年前からずっと準備してきた大切なその日をどうしてもやりたかったんです。無謀な私の頼みを快く受けてくれたバンドメンバーとスタッフの皆さんのおかげで、インストゥルメンタルワンマンをやることになりました。

ここから大変なのがバンドメンバーです。全ての曲をインストアレンジに変えなければなりません。メロディー担当のキーボードとエレキギター、そして初顔合わせのベースとドラム。もうこの時点で果たしてどうなる?!って感じですが、ここでさらなる追い討ちアクシデント。

声が出ないだけでピンピンしていた私の体調が猛スピードで悪化しなんと救急病院へ…!一縷の望みをかけて病院で処方してもらったステロイドの拒絶反応でした(多分)声は出ないけどインストでやりたい言い出しっぺがリハーサルを皆んなに丸投げしていなくなるという最低最悪なパターンですしばき倒したいです。

救急病院のベッドで点滴を打ちながら見つめた天井は今でも忘れません。声も出ないし体も動かない。 完全に詰んでいました。

もうこうなったら気合いしかありません!気合いと根性と気力と精神力とアドレナリン、人間のありとあらゆる治癒力を使い、次の日はなんとか動けるまでに回復したんです!人間ってすごい。

インストアレンジを一回も聞けず合わせられず迎えた本番当日、無意識でクロックスを履いて会場入りするという最後の失態をし、ステージではすでにリハーサルが始まっていました。

自分がいないステージで、藤森愛の曲が演奏されている…。

それは不思議な感覚でした。自分の中で絶対的な存在だった自分自身を不在にして、藤森愛の曲が成立していたんです。

この時私は初めて自分は主役とかそんな大層なもんじゃなく、受け取る人達によって作ってもらってるもんなんだって、自分はただの伝達者なんだって思ったんです。ステージではフロントにいるかもしれないけどそれはあくまで建前で、受け取った人の中でその人自身が今度は主役になってもらえるように、想いや願いや感情を潤滑させるのが私の役目なのだと。上手く説明できてるかな難しい。 なにはともあれ、受け取ってくれる皆さんがいてくれて初めて藤森愛は存在できるのだということをお伝えしたかったです。

最大の武器を失った極限状態で届けられるものとは何か。インストワンマンはここから聴けます。


長くなりましたが、7/15(月祝)こそは声もギターも全身全霊使って届けます!

という長い宣伝でした。


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